このコラムでは、ハウスで行うピーマン栽培について、施設準備から日常管理、収穫までを初心者の方にも分かりやすく解説します。促成栽培ならではのポイントや失敗しやすい注意点も押さえながら、安定した収量と品質を目指すための実践的なコツをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ピーマンのハウス栽培のメリットは?
ピーマンのハウス栽培(施設栽培)には、下記のように露地栽培では得られない多くのメリットがあります。
- 収穫期間を長く確保できる
- 天候に左右されにくく収量が安定する
- 果実品質が向上しやすい
- 病害虫の侵入を防ぎやすい
- 作業の省力化・効率化が図れる
- 端境期出荷で高値販売を狙える
ピーマンのハウス栽培の最大のメリットは、栽培期間を大幅に延長できることです。露地栽培では6月から10月頃まで(※地域差あり)の収穫が一般的ですが、促成栽培では11月頃から翌年6月頃まで収穫を続けることが可能です。この長期収穫により、単位面積あたりの収量が飛躍的に向上します。
特に冬から春にかけてはピーマンの供給量が減少するため、夏場の2〜3倍程度まで市場価格が高騰します。この時期に安定して出荷できれば、露地栽培よりも高単価で販売できるため所得向上に繋がります。
ピーマンのハウス栽培では、さらに生育ムラや奇形果、風雨による傷みや病害虫の侵入を防ぎやすく、年間で品質を維持して安定した出荷が可能です。また、計画的な栽培や自然の影響を受けない栽培は、作業時の負担を軽減することにもつながります。
ピーマンのハウス栽培のデメリットは?
一方、ピーマンのハウス栽培にはデメリットもあります。
- 初期投資(イニシャルコスト)と維持費(ランニングコスト)がかかる
- 病害虫の被害が拡がりやすい
- 連作障害のリスクが高まる
- 自然災害による被害を受けやすい
ピーマンのハウス栽培では、ハウスの建設費や被覆資材、暖房設備、自動灌水装置などの初期投資が必要になります。また、電気代や燃料費、資材の交換費用といった維持費も継続的にかかります。
そして、ハウス栽培では温度や湿度、水分量を人為的に管理する必要があるため、管理を誤ると生育不良や奇形果の発生につながります。さらに、同じ場所で長期間密に栽培を続けることで、連作障害が起こりやすく、病害虫が一度発生すると被害が広がりやすいことも難点と言えるでしょう。
ただし、前述のように適切な栽培管理を行えば病害虫の被害は露地栽培よりも防ぎやすいのがハウス栽培です。栽培を計画的に行ったり、維持費を抑える設備を導入したりなどの工夫を行うことで、多くのデメリットを解消することが可能です。後程ポイントを詳しく解説しますので、しっかりチェックしておいてください。
ピーマンのハウス栽培(促成栽培)の具体的な方法!
ピーマンの促成栽培では、定植後から春先まで長期間にわたり安定した生育と収穫を維持するため、時期ごとの潅水・追肥・温度管理が非常に重要です。ここからは、ピーマンのハウスで行う促成栽培の具体的な方法について見ていきます。
ピーマンの促成栽培カレンダーと管理のコツ
特に冬期は低温対策、春先は急激な生育変化への対応が収量を大きく左右します。ここでは、8月下旬~9月上旬に定植を想定したハウス促成栽培の管理カレンダーをご紹介します。
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月 |
生育ステージ |
潅水管理 |
温度・環境管理 |
管理のコツ |
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|---|---|---|---|---|---|
|
7月 |
圃場準備 |
― |
元肥:N30~35kg |
排水・通気確保、pH調整 |
有機資材施用・深耕を確実に |
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8月上旬 |
育苗期 |
過湿・過乾防止 |
― |
高温対策・寒冷紗・換気 |
徒長防止、鉢間拡大 |
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8月下旬~9月上旬 |
定植・活着期 |
定植前十分潅水活着まで丁寧に |
― |
昼27~28℃夜18~20℃ |
第1花蕾確認後定植 |
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9月 |
初期生育期 |
2日に1回程度 |
0.6~0.8kg/回6~7日間隔 |
夜温18℃確保 |
根張り重視 |
|
10月 |
着果開始期 |
約2t/日目安 |
0.6~0.8kg/回 |
昼27~28℃ |
水不足防止 |
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11~12月 |
着果増加・収穫初期 |
2日に1回 |
0.6~0.8kg/回 |
夜温18℃以下で加温 |
樹勢維持 |
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1~2月 |
厳寒期・安定収穫 |
3日に1回 |
1.5~2.0kg/回2週間ごと |
日中28℃以下地温18℃ |
地温確保最優先 |
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3月 |
収量増加期 |
晴天続きは毎日 |
月合計5~6kg |
日中30℃未満 |
蒸散量増に対応 |
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4~5月 |
最盛期 |
基本毎日 |
月合計5~6kg |
換気徹底 |
高温障害防止 |
|
6月 |
終盤期 |
状況に応じ調整 |
状況に応じ調整 |
高温回避 |
株の疲労管理 |
上記の栽培カレンダーはあくまで一例ですので、栽培する地域やその年の天候によって変動します。次に、それぞれの工程について解説していきます。
① 圃場準備
促成ピーマンは10月から翌年6月下旬まで収穫が続く長期作型であるため、根域環境をいかに安定させるかが栽培成否を左右します。特に根の活力維持には、土壌中の酸素供給と適度な水分保持の両立が不可欠です。有効土層は少なくとも30cm以上を確保し、通気性・排水性・保水性のバランスが取れた土壌条件を整えます。土壌中の気相率が低下すると根の呼吸が阻害され、生育停滞や着果不安定につながるため、有機資材の施用によって団粒構造の形成を促進します。
定植1か月前を目安に堆肥や土壌改良資材を施用し、十分に耕うんします。pHは6.0~6.5を目標とし、必ず土壌分析に基づいて石灰量を決定します。元肥は窒素成分で30~35kg/10aを標準としますが、前作残肥や土壌ECを考慮し、過剰施肥にならないよう設計します。元肥は定植15日前までに全層施用し、7日前までにうね立てを完了させます。乾燥状態での作業は肥効の遅れや表層硬化の原因となるため、適湿条件で実施します。
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② 育苗期
育苗は高温期に行われるため、徒長防止と健全根系の確保が最大の管理課題となります。ハウス内は十分な通風を確保し、極端な高温条件を回避します。また、防虫ネットの設置によりアザミウマ類やコナジラミ類の侵入を防ぎ、ウイルス病の持ち込みを防止します。
播種は定植予定日から逆算して行い、育苗日数はおおむね28~35日を目安とします。定植適期は第1花蕾が確認できる段階であり、苗は節間が締まり、根鉢が十分に形成されていることが重要です。潅水は過湿・過乾の極端な変動を避け、根量の確保を優先します。本葉4~5枚期以降は鉢間を広げて光環境を改善し、分枝下長の伸長を抑制します。
接ぎ木苗は青枯病や疫病などの土壌病害対策として有効であり、PMMoV対策としても活用されます。ただし、台木と穂木の抵抗性遺伝子型の一致を確認することが前提となります。
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③ 定植・活着期
定植適期は第1花蕾が確認でき、第1分枝が形成される頃です。苗の生理的成熟度を見極めることが、初期生育の安定につながります。強勢品種ではやや花芽が進んだ苗を定植することで、過度な栄養成長への偏りを抑制できます。
定植前には十分に潅水を行い、植え穴を湿潤状態に保ちます。活着までの7~10日間は局所的に丁寧な潅水を行い、水分ストレスを与えないよう管理します。栽植密度はうね幅1.8m、株間60~70cmを標準とし、品種特性や施設条件に応じて調整します。
④ 初期生育期
この時期の管理目的は、安定した樹勢を維持しながら骨格を形成することです。誘引はV字型を基本とし、直立性を確保します。主枝は草丈1.1~1.2mを目安に摘心し、側枝は3~4節で摘心、収穫後は1~2節で切り戻します。
摘葉は整枝と連動して段階的に実施し、急激な葉面積の減少を避けます。追肥は定植20日後を目安に開始し、窒素成分0.6~0.8kg/10aを6~7日間隔で施用します。土壌ECの上昇や過繁茂に注意しながら、樹勢を安定させます。
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⑤ 着果開始期
着果が本格化すると、同化産物および養水分の需要が急増します。潅水は徐々に増量し、概ね2日に1回を目安に行います。急激な乾湿差は奇形果や肥大不良果の発生要因となるため、安定した水分供給を心がけます。
温度管理では昼27~28℃、夜18~20℃を目安とし、夜温が18℃を下回る頃から加温を開始します。着果初期における温度・水分管理は、その後の収量形成に大きく影響します。
⑥ 着果増加・収穫初期
着果開始後、11月中旬頃にかけて着果数が急増し、初収穫期へ移行します。この時期は栄養成長と生殖成長のバランスが最も崩れやすい段階であり、水分・養分管理の適否がその後の長期収量を左右します。
着果負担が増すにつれて同化産物の分配は果実側へ傾きやすくなるため、潅水量は徐々に増加させます。目安としては2日に1回程度を基本とし、乾湿差が大きくならないよう安定供給を心がけます。過度な乾燥は奇形果や肥大不良果の発生を助長し、逆に過湿は根傷みや草勢低下を招きます。圃場の排水性を踏まえたきめ細かな調整が必要です。
収穫は3~4日間隔で行い、規格外果や肥大不良果を早期に除去します。果実を過度に着果させたままにすると樹勢が低下し、その後の着果数減少につながるため、初期段階からの着果調整が重要です。
追肥は初期生育期の施肥体系を維持しながら、樹勢の推移を確認して微調整します。葉色や節間長、側枝伸長状況を観察し、過繁茂にも樹勢低下にも偏らない管理を行うことが、この後の厳寒期安定収穫につながります。
⑦ 厳寒期・安定収穫期(1~2月)
1~2月は低温・寡日照条件となり、根圏活性の維持が最大の課題となります。潅水は3日に1回程度を基本とし、土壌水分と着果量を確認しながら調整します。追肥は窒素成分1.5~2.0kg/10aを2週間ごとに施用し、養分供給を安定させます。
日中温度は28℃を超えないよう管理し、地温は18℃を確保します。株元まで光が届くよう整枝を行い、根の活力維持を図ります。保温と過昇温防止の両立が重要です。
⑧ 収量増加期(3月以降)
3月以降は日射量の増加に伴い蒸散量と吸水量が急増します。晴天が続く場合は毎日潅水を行い、着果負担に見合った養分供給を行います。追肥は月当たり窒素成分5~6kg/10aを分施し、収量増加に対応します。
日中は30℃を超えないよう換気を徹底し、夜温は4月末まで18~20℃を維持します。この時期の水肥管理の適否が、春季ピーク収量を決定します。
⑨ 最盛期
水分および養分需要が最大化する時期であり、光合成効率の維持が安定収量の条件となります。過繁茂を防ぐため、計画的な整枝・摘葉を実施し、株内の採光性を確保します。規格外果を早期に除去することで樹勢維持を図ります。
同時に、アザミウマ類やコナジラミ類などの害虫密度上昇に注意し、初期段階での防除を徹底します。
⑩ 終盤期
終盤では樹勢の急激な低下を防ぎながら、品質を維持して収穫を延長することが目標となります。水や肥料を急減させるのではなく、緩やかに調整しながら管理を移行します。更新枝を確保し、光環境を維持することで同化能力を保ちます。
計画的に収穫を終了させることで、作期全体の収量と品質を安定させることができます。
ピーマンのハウス栽培を成功させるポイント!
ピーマンのハウス栽培で安定した収量と品質を実現するには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、特に注意すべきポイントについて、具体的な対策方法とともに詳しく解説していきます。
定植初期の過繁茂防止と根域確立
促成栽培では、定植後1か月の管理が作全体の方向性を決定します。高温期の定植により地上部が急伸しやすく、窒素過多や過潅水が重なると徒長型の草姿となり、その後の着果不良や樹勢低下を招きます。
重要なのは「地上部より根域優先」の考え方です。地温を確保しながら過湿を避け、根量を確実に確保することで冬季の吸水・吸肥安定につなげます。初期に着果を急がせず、茎径が安定するまでは樹づくりを優先させましょう。
マメ科やアブラナ科作物と輪作する
ピーマンはナス科の野菜で、同じ場所で作り続けると特定養分の偏りが生じ、土壌中の病原菌や害虫の蓄積などが複合的に作用して生理障害や病害が起こりやすくなります。基本的に、1年栽培した後は3〜4年休養が必要とされています。
輪作をする際は、マメ科のエンドウやインゲン、アブラナ科の小松菜、キャベツなどの作物を間に取り入れると良いでしょう。特にマメ科作物は土壌に窒素を供給する働きがあり、地力回復にも効果的です。
しかし、ハウス栽培では輪作を行うのが難しい場合も多いです。どうしても連作になってしまう場合は、太陽熱消毒や接ぎ木苗の利用、完熟堆肥の継続施用を組み合わせるなどで、土壌環境を整えるようにしましょう。
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ピーマン栽培は「適度な乾燥」が理想
ピーマン栽培では、「水を与えすぎないこと」が安定生産のポイントです。ピーマンは適度に乾いた環境を好み、過湿が続くと根腐れや病気が発生しやすくなります。土が常に湿っていると根が酸欠状態になり、養分の吸収も悪くなるため注意が必要です。
潅水の目安は土を5~10cmほど掘り、乾いていれば潅水します。時間帯は朝が理想で、日中に自然に乾くリズムを作ることが大切です。夕方以降の潅水は夜間の過湿につながるため避けましょう。
マルチは水分の急変を防ぎ、雑草対策にも有効ですが、内部が過湿になりやすいため、定期的に土の状態を確認するようにしてください。また、ハウス内の湿度管理も重要で、換気を行い湿度80%以下に保つことで灰色かび病などの病気予防につながります。
収穫中期以降は「成り疲れ」の対策をする
ピーマンは長期間収穫できる反面、収穫が進むにつれて株の勢いが落ちることがあります。これはいわゆる”成り疲れ”で、葉色が薄くなる、新葉の展開が遅れる、果実が小さくなるといった症状が見られます。放置すると収量や品質低下につながるため、早めの対策が重要です。
成り疲れの主な原因は、養分不足と株への負担の蓄積です。収穫中期以降は追肥を切らさず行い、株の回復を促してください。必要に応じて施肥量や回数を見直し、樹勢を立て直しましょう。特に春先は日射量の増加により蒸散量が急激に高まるため、潅水と追肥を一体で強化することが、成り疲れ防止と安定収穫のポイントになります。成り疲れ防止には葉面散布が即効性のある対策方法として有効です。
小さな果実や形の悪い果実を早めに摘み取る「摘果」も効果的な方法です。株への負担を軽減することで、生育の回復が期待できます。下葉が黄化してきた場合は、少しずつ除去し、風通しと光環境を改善してあげましょう。
関連コラム:葉面散布のやり方とは?メリットと効果的なタイミングを解説
実りが悪い場合は日照不足も疑う
ピーマンの実つきが悪いときは、肥料や水分だけでなく日照不足も疑ってみましょう。ピーマンは光を好む作物で、日照時間は最低6〜8時間/日が着果・肥大の目安となっています。特に冬場や曇天が続く時期は注意が必要です。新葉の色が薄い、花数が減る、実の肥大が遅いといった症状が見られたら、光環境の改善を行いましょう。
十分な光量を確保するために、まずはハウスのビニールに汚れやくもりがないか確認してください。ハウスの汚れなどで光の透過量が20%程度も低下することがあるためです。そのため、定期的な清掃や適切なタイミングでの張り替えが重要です。
次に、整枝によって株全体に光が行き渡るようにします。葉が茂りすぎると内部が暗くなり着果が悪くなるため、葉面積係数は2.5~3.5(1m²の地表に対して上空の葉の総面積が2.5~3.5m²)程度を目安に管理します。枝を整理し、株の内側まで光が入る状態を保つようにしましょう。
それでも冬季は日照が不足してしまうことがあります。そんな時には、補光の導入を検討しましょう。
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病害虫は早期発見と対策が肝心
ピーマンのハウス栽培では、病害虫の早期発見と対策が特に重要です。下記は、JAいばらきの情報を参考に作成したピーマンの病害虫の一覧表です。
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病害虫名 |
主な被害・特徴 |
注意点・媒介 |
主な対策ポイント |
|---|---|---|---|
|
黄化えそ病 |
葉の黄化・えそ斑点、生育不良 |
アザミウマ類が媒介 |
媒介虫の早期防除、雑草除去、防虫ネット設置 |
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モザイク病 |
葉のモザイク症状、生育停滞 |
アブラムシ類が媒介 |
アブラムシ防除、健全苗の使用 |
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葉に白い粉状の菌糸 |
高温・多湿で発生 |
換気徹底、発生初期の薬剤防除 |
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葉に褐色斑点が発生 |
多湿条件で多発 |
風通し確保、発病葉の除去 |
|
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灰色かび病 |
花・果実・茎が腐敗 |
結露・高湿度 |
湿度管理、循環扇活用 |
|
病害虫名 |
主な被害・特徴 |
注意点・媒介 |
主な対策ポイント |
|---|---|---|---|
|
葉・果実のかすれ |
黄化えそ病を媒介 |
防虫ネット、粘着シート、早期薬剤防除 |
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葉裏に寄生、すす病誘発 |
発生量多発傾向 |
黄色粘着シート、ローテーション防除 |
|
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新芽吸汁、生育阻害 |
モザイク病を媒介 |
初期防除、天敵に配慮 |
|
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ハダニ類 |
葉の黄化・かすれ |
乾燥条件で増加 |
湿度管理、早期防除 |
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タバコガ類 |
果実食害 |
被害拡大しやすい |
早期発見・防除 |
|
根のこぶ・生育不良 |
連作で増加 |
輪作、土壌消毒 |
ピーマン病害虫防除の基本は、ハウス内外の雑草を除去して害虫の飛来源やウイルス保毒源を断つことです。防虫ネットと粘着シートを併用すれば、侵入防止に役立つほか発生の確認も可能になります。また、目視での確認も非常に重要です。朝夕のハウス巡回で葉裏・株元・果実をチェックし、アザミウマやアブラムシの初期兆候、黄化・斑点などの病兆を逃さないようにしましょう。
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ピーマンの促成栽培は低温リスクの備えが重要
ピーマンの促成栽培では、冬場の低温対策が収量を大きく左右します。ピーマンは低温に弱く、夜間最低気温は12℃未満が限界ラインです。草勢維持・着果安定のためには18℃前後が理想です。特に1~2月の厳寒期は、加温トラブルや燃料切れなど不測の事態を想定した備えが欠かせません。
加温設備はシーズン前から点検し、フィルター清掃やバーナー確認を行い、燃料も余裕をもって確保しておきましょう。また、二重ビニールや保温カーテンを活用すれば、保温性が高まり燃料コストの削減につながります。
さらに、循環扇の設置も重要なポイントです。循環扇を稼働させることで、ハウス内の暖気を均一に行き渡らせ、上下・場所による温度ムラを抑えられます。これにより、加温効率が高まるだけでなく、結露の軽減や病害発生の抑制にも効果が期待できます。
ピーマンのハウス栽培環境を整えるなら「空動扇/空動扇SOLAR」がおすすめ
冬場は加温設備や循環扇による保温対策が重要ですが、気温が上がる時期には「換気」と「湿度管理」が栽培環境を大きく左右します。こうした課題への対策として、セイコーエコロジアの空動扇/空動扇SOLARを導入するハウスも増えています。
空動扇は、ハウス内にこもりやすい熱気や湿気を自然な気流で外へ排出し、温度や湿度の急な上昇を抑える換気装置です。電力を使わずに作動するため、ランニングコストを抑えながら換気できる点が特長です。空動扇を活用すれば、ハウス上部の熱だまりや結露を軽減でき、灰色かび病などの病害リスクを下げ、ピーマンが安定して生育しやすい環境を作りだすことが期待できます。
また、台風や強風時の強い風で空動扇のベンチレーターが回転すると、ハウス内を負圧にすることでビニールが密着し、ビニールの裂傷やビニールハウスの倒壊リスクを下げることも期待できます。
換気と湿度管理を強化し、ハウス環境を安定させる選択肢の一つとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ピーマンの促成栽培の成功にはハウス環境の整備が大事!
ピーマンのハウス栽培は、長く収穫できるだけでなく天候に左右されにくく収量や品質が安定しやすくなります。しかし、一方で冬季の環境(とくに温度への対策)に注意が必要であったり、ひとたび発生した病害虫が拡がりやすいなどのリスクもあります。
ピーマンの促成栽培は、ハウス内の環境をいかに安定させるかが重要となります。加温設備や循環扇による温度ムラの解消は、株のストレスを減らし、生育を安定させます。また、適切な換気によって湿度を抑えることで、灰色かび病などの病害発生リスクも低減できます。
促成栽培は管理項目が多い分、環境が整えば長期間にわたって安定した収穫が期待できます。日々の管理を積み重ねながら、ハウス全体の環境を見直し、ピーマンが本来の力を発揮できる栽培環境づくりを心がけましょう。
コラム著者
満岡 雄
玉川大学農学部を卒業。セイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。XとInstagramで最新情報を投稿していますのでぜひ御覧ください。
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