コラム
LEDで野菜や花が栽培できる!?|活用シーンとメリット・デメリットをご紹介
公開日2022.04.14
更新日2022.05.10

LEDで野菜や花が栽培できる!?|活用シーンとメリット・デメリットをご紹介

普通であれば太陽の光の下ですくすくと生長する野菜や花ですが、LED照明を用いることで室内でも比較的容易に栽培が可能になることはご存知でしょうか。本コラムではLEDで野菜や花を栽培するための活用シーンやメリット・デメリットを詳しく解説していきたいと思います。お困りごとのヒントとなりましたら幸いです。

LEDで野菜や花が栽培できる!?

LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)ライトは1960年代に開発されて以来、私たちの生活全般に欠かせない照明器具として広く浸透してきました。実はLEDは野菜や花を栽培するためのツールとして植物工場・家庭菜園・電照栽培・補光栽培といったシーンでも広く使用されており、植物が光合成を行うための太陽光の代わりや補光としての役割を担っています。一般的に育成用LEDの光の中でも赤色と青色の波長の光が植物の生長に重要とされており、赤色の光は光合成を促す効果を、青色の光は茎を太く・実を大きく・葉を厚く、といったように植物を大きく形作り成長させる光形態形成の効果があるとされています。そのため、栽培する作物に最適なLEDチップの色を選択することが重要ということですね。なお良いLEDの基準は「消費電力(ワット数)が高い」、「光合成有効光量子束密度が高い」等が挙げられます。良いLEDはチップが高価です。従ってLEDの効果と価格は比例するということになりますので、より作物の生長を期待したい場合は高価なLED照明を導入されることをおすすめします。

LEDで野菜や花を栽培している活用シーン

・植物工場

屋内で太陽光の代わりにLED照明を使用して水耕栽培で野菜や花を栽培する方法です。数年前から大規模法人の参入が活発に行われてきました。天候や病害虫の影響を受けずに安定して作物を栽培できるメリットがある反面、初期投資が高いため資金回収が出来ずに導入企業が倒産するケースが多くあり、現在でも利益を上げている法人は少ないようです。

・家庭菜園

趣味や自家消費用として室内でLED照明を使用して野菜や花を栽培します。ここ数年、新型コロナウイルス報道の影響による外出機会の減少に伴い、家庭菜園を始める人が増加してきました。インターネット通販では様々な種類のLED野菜栽培装置を見かけるようになっています。室内栽培の場合、太陽の光が全く当たらない場合は葉物類であるリーフレタスやサニーレタス、クレソン、バジル、ルッコラなどの光補償点*や光飽和点**が低い野菜が比較的容易に栽培できるようです。

*光の強度が弱くなると光合成速度が呼吸速度を下回り乾物生産を維持できなくなります。この光強度を光補償点と言います。
**植物が光合成する際、光の強度が上がると光合成速度も速くなりますが、ある強度以上になると飽和状態になり、それ以上速くはなりません。その光の強度のことを光飽和点と言います。

・電照栽培

植物の光周性*に従って、作物専用の波長が放出されるように開発されたLED光を届けて栽培することです。いちごや菊の電照栽培が最も有名かと思います。詳しくは以下のリンク先をご参照ください。

*昼の長さや夜の長さの変化に応じて反応する現象のこと。

>>>いちごの電照について
>>>電照栽培の基礎知識について

・補光栽培

雪や曇りの多い地域や、初夏の梅雨の時期も雨や曇りがちな時期にLED照明を用いて人工的に光を作り出して照射することで光合成を促進させ生育向上を期待することです。各種作物の育苗時やトマト栽培等で用いられています。

>>>トマト栽培でLEDを導入するメリット

LEDで野菜や花を栽培するメリット

・安心安全

完全な室内にてLED照明を用いて野菜を栽培する場合、病害虫の影響を受けることが少なくなります。従って、農薬の散布量を減らすことができたり、場合によっては無農薬で栽培することができます。安心安全な作物を収穫することが可能となります。

・寿命が長い

LEDの点灯時間は約40,000時間です。仮に1日あたり12時間点灯していたとしても9年弱の寿命ということになります。他の照明器具と比較しても、白熱電球の約40倍、ハロゲンランプの約13倍、蛍光灯の約4倍という長寿命がメリットです。

・消費電力が少ない

LEDは消費電力が少ないため、電気代がかかりません。他の光源と比較しても、白熱電球の約1/6、ハロゲンランプの約1/6、蛍光灯の約1/2という低消費電力がメリットです。

LEDで野菜を栽培するデメリット

・導入コストが高い、電気代がかかる

LEDは長寿命というメリットの分、値段が高い傾向があります。特に植物の生育に適するように専用に開発されたLED製品はさらに値段が高くなります。またLEDは消費電力が少ないとはいえワット数や導入数が多いとそれなりに電気代というランニングコストがかかります。

・太陽の光には敵わない

一般的に太陽光は50,000~100,000lx、曇天でも10,000lx程度の照度があると言われています。当然のことながらLEDで同じ照度を再現することは不可能です。そのため、光補償点の高い例えばスイカやキュウリ等を室内でLEDを用いて栽培することは難しいと言えます。

おすすめのLED照明

ハレルヤ

植物育成用LEDです。野菜や花の光合成に必要な白色と赤色のLEDチップをバランス良く配合したLED照明で、非常に高いPPFD(光合成光量子束密度)が特徴です。主に梅雨時期や曇天時の補光として使用できますが、室内等の光の入らない完全閉鎖型の環境での使用をチャレンジされる方もいらっしゃいます。1台からご購入いただくことが可能です。中継コードを使用すればコンセント一つで最大20台を連結*することができることもメリット。野菜や花の生育促進に貢献します。

*60Wタイプ、AC200Vの場合

アグリランプ

近日発売予定のアグリランプ(いちご向け)とアグリランプ(キク向け)。前者の価格は1球あたり3,080円(税込・送料込)、後者の価格は1球あたり2,552円(税込・送料込)です。お問い合わせをお待ちしております。

LEDを活用して野菜や花を栽培しましょう

LEDを用いることで季節や天候に左右されない栽培が可能となります。また室内でも手軽に栽培することが可能となってきました。食の安全やSDGsへの関心が高まる今、LEDを活用することで安心安全な野菜や花を栽培してみてはいかがでしょうか。本コラムがお役に立てましたら幸いです。

LEDで野菜や花が栽培できる!?|活用シーンとメリット・デメリットをご紹介

コラム著者

キンコンバッキーくん

菌根菌由来の妖精。神奈川県藤沢市出身、2023年9月6日生まれ。普段は土の中で生活している。植物の根と共生し仲間を増やすことを目論んでいる。特技は狭い土の隙間でも菌糸を伸ばせること。身長は5マイクロメートルと小柄だが、リン酸を吸収する力は絶大。座右の銘は「No共生 NoLife」。苦手なものはクロルピクリンとカチカチの土。

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