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ピーマン育苗のコツをステップで解説!根張りの良い株を育てる方法とは?
公開日2025.12.09
更新日2025.12.09

ピーマン育苗のコツをステップで解説!根張りの良い株を育てる方法とは?

ピーマン栽培成功の第一歩は、「良い苗づくり」です。苗の段階で根や茎葉がしっかり育っていないと、定植後に生育が遅れたり、実つきが悪くなったりする原因になります。
この記事では、家庭菜園を楽しむ方からプロの農家の方まで役立つように、根張りの良い苗を育てるための実践的なコツについてご紹介します。また、ピーマンの育苗を「播種」「発芽・育苗管理」「定植前準備~定植」までステップごとにわかりやすく解説します。

ピーマンの育苗で大切なこととは?

ピーマン栽培の中でも、育苗はその後の生育や収量を大きく左右する、最も重要なステップです。苗づくりの段階でどれだけ丁寧に環境を整えられるかが、栽培全体の成否を決めるといっても過言ではありません。
ピーマンの育苗では、温度・土壌水分・光の管理が重要です。健苗育成のためにまずはピーマンの育苗で大切なことをチェックしていきましょう。

温度管理 

ピーマンはナス科の中でも高温を好む野菜で、発芽期から育苗初期にかけての温度管理が鍵を握ります。特に夜間や育苗初期の低温は生育不良を招き、苗が弱くなってしまうため注意が必要です。
発芽に適した地温は28〜30℃です。ただし、発芽後から長期間30℃を超える高温が続くと徒長を招き、茎がひょろ長く軟弱になる徒長が起こりやすくなります。発芽後の育苗期間は25~30℃で温度管理をします育苗期は12℃を下回らないようにしましょう。

灌水の管理 

ピーマンは、特に育苗期に水を与えすぎると根腐れや徒長を招きやすいため過剰灌水には注意しましょう。
播種から30日程度を過ぎて子葉が2~4枚程度になるまでは、土壌表面が乾かないようにこまめに灌水し、それ以降は水やりの量を少し控えめにしていきます。目安としては仮植後や鉢上げ後は土壌表面が乾いたタイミングで軽く灌水を行い「湿りすぎない程度」を意識することがポイントです。
子葉が12枚程度になる定植直前では、むしろ乾燥気味にしておく方が定植後の活着がよくなります。

衛生管理 

ピーマンの幼苗は病害に弱く、特に苗立枯病に罹病しやすい性質があります。 本病は発芽期や幼苗成長初期に発生し、一度発生すると改善は見込めないため、育苗期において最も厄介な病害です。
苗立枯病は、土壌伝染性の糸状菌(カビ)によって引き起こされ、湿度が高く涼しい条件で発生しやすいです。土や水を通じて伝染するためセルトレイで発芽させる場合は鉢上げ前までに発生させないよう注意が必要です。使用する培養土やセルトレイはしっかり消毒されたものを使用しましょう。もし発生してしまった場合は農薬を使っても改善しないので処分するしかありません。

日照の管理 

ピーマンは「長日植物」なので日照不足が続くと光合成が不十分になり徒長しやすくなります。
そのため、ビニールハウスや鉄骨温室で育苗する場合は透光性が高い被覆を活用すると良いです。
日陰になる場合や曇天が続く場合は補光ライトの利用も検討することをおすすめします。ピーマンの生育に必要な光量は4,000ルクス〜30,000ルクスとされているので参考にしてみてください。

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ピーマンの育苗をステップごとに徹底解説!

ピーマンの育苗日数はおおよそ60〜80日で、 「播種」から「定植」までの期間を育苗期とします。健苗を作るための重要期間になるため丁寧な管理を行うことを心掛けましょう。
ここでは、ピーマン育苗の全ステップを順を追って解説し、効率よく健康な苗を育てるためのポイントをご紹介します。

STEP1:播種

ピーマンの種子の発芽適温は地温で28〜30℃と高いため、年明けに播種をする場合は加温機を使って発芽させます。発芽後はマットで数日間生育させてからポリポットに移植(鉢上げ)します。接ぎ木を行う場合はセルトレイに台木を播種し、接いでからポットに移植すると良いです。
家庭菜園で小規模に育苗を行う場合は6cm程度の小さなポットで発芽させて苗の生育と共にポットを大きくしていくと良いです。ポリポットに発芽用培土(種まき用培土)を充填して1粒ずつ播種しますが、発芽用培土はホームセンターなどの市販のもので十分です。なるべく目が細かい培土を利用した方が種子と培土の間隙が減るので発芽率が高くなります。しかし目が細かすぎると灌水のときに水を弾いてしまうので、目が細かすぎる場合は赤玉(小粒)を混合すると改善します。

ポットの場合(家庭菜園など)

  1. 6cmなど小さめのポットに発芽用培土を充填する。
  2. 深さ1cmほどの穴を指であける。
  3. 1粒播種する。
  4. 3〜5mm程土を被せ、軽く鎮圧して種と培土を密着させる。
  5. ポット底面から水がしみ出る程度に灌水をする。

セルトレイの場合 

  1. セルトレイに発芽用培土を充填して表面をならす。
  2. 穴押器や鎮圧ローラーなどで5〜10mmほどの播種穴を作り、1穴に1粒ずつ播種する。
  3. 3〜5mm程土を被せ、軽く鎮圧して種と培土を密着させる。
  4. セルトレイ底面から水がしみ出る程度に灌水をする。

STEP2:発芽・育苗管理

発芽適温は28〜30℃とされています。発芽後の目標育苗温度は日中で25~30℃、夜間で15~20℃です。最低温度が12~15℃になると生育が低下するため温度確保に努めます。

ポットの場合(家庭菜園など)

発芽後は温度を維持して育苗をします。日照が不足すると生育が劣るため日当たりの良い場所を選びましょう。どうしても日当たりを確保できない場合はLEDなどの補光ライトを利用することも良いです。
本葉が5〜6枚になったら9cmのポリポットに移植します。移植が遅れると根巻きして水分や養分の吸収力が落ちるので注意してください。移植の時は培土をふるい落とさないようにすることで移植後の活着が良くなります。また移植は2回程行った方が根量が確保できます。移植後は灌水量が多くならないように注意します。ジョウロを使うと何株も一度に灌水をして水量が多くなりがちなので、ジョウロを使う場合は1株ずつ丁寧に水やりをしましょう。

セルトレイの場合

発芽後、本葉が2〜3枚程度になったらポリポットに鉢上げします。ポリポットは9cm程度のものが良いです。その後は12~15cm程度のポリポットに再度移植します。鉢上げ後の育苗温度の確保に注意をし、日当たりの良い場所で育苗します。鉢上げ~移植後は毎日少量灌水します。灌水量が多くならないよう手元がコントロールしやすいホースなどを使うと作業しやすいです。

STEP3:定植前準備~定植

定植圃場は植え付けの3週間前を目安に施肥を行います。また、定植1週間程前にマルチングすると地温が確保でき定植後の根張りを促します。
ピーマンは1番花の蕾が膨らんできたら定植の適期です。まだ蕾がつかない苗を定植すると過繁茂や花芽分化の遅れ、開花が進んだ苗は根痛みや栄養吸収の遅れが見られるため初期収量減少の要因になります。定植にベストなタイミングは1番花の開花3~4日前とされているため、見逃さないように気をつけてください。

ピーマンの根張りを良くする「キンコンバッキー」

ここまでピーマンの育苗について具体的な方法や注意したいポイントについて解説しました。
ピーマンはひげ根浅根型の植物なので根が浅い性質です。そのため、根の伸長を良好にするために育苗中に根張りをしっかりと促すことが重要です。
そこでおすすめしたい資材がセイコーエコロジアの「キンコンバッキー」。「キンコンバッキー」はアーバスキュラー菌根菌を含んだ微生物資材で、育苗期に使用します。ピーマンの場合は発芽後なるべく早く希釈水を灌水しますが、施用~定植まで1か月間を確保できると理想的です。アーバスキュラー菌根菌は植物の根に共生してリン酸を吸収し宿主植物に供給しますが、共生期間におよそ1か月を要します。共生が完了してから養分吸収能を発揮するため、なるべく早く根に共生させた方がその恩恵に与る期間も長くなります。ピーマンの場合は花付きや果実肥大などを期待して利用していただきます。

ピーマン育苗のコツをステップで解説!根張りの良い株を育てる方法とは?(イメージ)
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粘土鉱物粉末に菌根菌が付着しています
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水で希釈します
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希釈水をポット苗やマットに灌水します。ドブ漬けもできます。
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4種類のステッカーラベルをラインナップ!!(内容物は変わりません)
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キンコンバッキー共生の様子(マリーゴールド)
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ピーマンの育苗はコツを押さえて効果的に栽培しよう

この記事では、ピーマンの育苗についてご紹介しました。
ピーマンの育苗は、温度・光・水の管理が大事で、どれか一つでも疎かになると健苗が育成できなくなります。特に発芽期から育苗初期にかけての温度管理は重要で、発芽適温や育苗適温の確保に努めましょう。
灌水量の調整も重要です。仮植後や鉢上げ後は多灌水にならないように注意してください。
また、土壌微生物資材「キンコンバッキー」を育苗中に活用すれば、ピーマンの育苗を改善することが可能です。根張りに課題がある方はぜひ一度ご検討をしてみてください。

本コラムは以下を参考に作成しました。
野菜栽培指標(長野県)、農業技術大系

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