コラム
団粒構造とは? 植物が良く育つ土壌に必要な要素と土の作り方
2019.05.24

団粒構造とは? 植物が良く育つ土壌に必要な要素と土の作り方

作物の根っこは土の中の養分と水を吸収しながら伸びていくため、作物の生育にとって土壌環境は大変重要で、土の質が作物の成長度合いを大きく左右します。フカフカした土が良いといわれているのは土が団粒構造という状態になっているためです。団粒構造の土は孔隙率が高く、通気・排水・保水・保肥といった土壌物理性が優れており、植物の根が成長に必要な栄養を吸収しやすい環境を整えてくれます。今回のコラムは団粒構造の土についてご紹介いたします。

団粒構造の基礎知識

●団粒構造とは

団粒構造とは土壌粒子(土の微細粒子)が小粒の集合体を形成している構造のことを指します。だんご状になった大小の土の塊がバランス良く混ざり合っていて、適度な隙間がたくさんつくられています。土が柔らかく通気排水に優れ有用微生物が多く繁殖しており作物の生育に適しています。これに対し土の粒子が集積し詰まっている状態を単粒構造といい、多くはゆるい砂土質や粘土質の土で構成されています。空気や水の透過性が悪く、根が伸びにくいため酸素不足を起こしやすい環境です。単粒構造は作物の成長には適しません。団粒の内部には小さな隙間(毛管孔隙)ができ、外部にはそれよりは大きな隙間(非毛管孔隙)ができます。これは隙間が均一な単粒構造が濡れるとドロドロ、乾燥すればカチカチになるのに比べて、環境の変化にあまり影響を受けずに隙間が確保されやすいため、保水性・通気性・透水性に優れた状態になります。

日本には天然の団粒構造である火山灰土壌が北海道・東北・関東・九州などに広く分布しています。火山灰が風化してできた土壌で、色が黒く歩くと“ボクボク”する土ということから「黒ボク土」と呼ばれています。黒ボク土は他の土壌よりもリン酸と強く結合するため、作物がリン酸欠乏症になりやすく農作地としては敬遠されていました。しかし、通気性・排水性・保水性が優れており畑として利用するときに耕しやすいため、近年ではリン酸と石灰の施用を行うことにより、畑地・樹園地として活用されています。

●団粒構造の仕組み

さまざまな要素により土の粒子を団子状にすることで、団粒構造ができあがります。昆虫・ミミズ・小動物の分泌物、作物の根から排出される分泌物、土壌微生物からの分泌物、カビの菌糸などが接着剤の働きをして団子状の粒子が生成されます。土の中で分泌物や菌糸などが活発に活動すると、人間が土を耕すように団粒化が進み、良い土壌に改善されるといわれています。

土の材料になる元の岩石(母岩)から土壌になるまでの過程で変質する鉱物としない鉱物があります。変質しないものを一次鉱物といい、水や空気などと反応し変質するものを二次鉱物といいます。変質したも鉱物のうち多くは、粘土となる粘土鉱物と呼ばれています。微細な団粒はこの粘土鉱物や腐植物質などの集合体から形成されているといわれ、粘土鉱物が団粒構造の形成には欠かせないという見方もあるようです。

●土壌が団粒構造化しやすい栽培方法

有機農業を行うと堆肥と微生物の働きにより土壌がフカフカの団粒構造になりやすくなります。団粒構造化すると通気性が良くなり、微生物が増加・活発化してさらに団粒構造が発達します。団粒構造の形成には、有機物の分解に関わっている土壌微生物を維持する必要があるため、微生物の数が減らないタイミングで有機物を補給することが大切です。森林は小さな虫や微生物が落葉や動物の死骸を分解することで、天然の団粒構造をもった土を維持しています。

良い土壌の条件と団粒構造のメリット

●良い土壌の要素

土の塊を観察してみると、重さ・土同士の隙間・湿度などに違いが見られると思います。また土の塊を水の中に入れると泡が立ち昇ってきます。つまり土は粘土・砂・落ち葉や動物の糞などの有機物・水・空気などから形成されています。これらを固相・液相・気相の三つ(三相)に分類分けをして、この三相の割合が「固相:液相:気相=4:3:3」となる状態が作物の成長にとって理想的な土壌といわれています。秋になると落葉し、地面に堆積した落葉が微生物の餌になり分解されることで、自然界の森はこのバランス量を保っています。水分が停滞しない排水性や、根に水分をもたらす保水性、空気を取り込む通気性などのバランスが保たれています。

●固相:鉱物・落ち葉・動物の糞などの有機物、また土壌生物や微生物など物理的な要素
●液相:水分
●気相:空気やガス

●団粒構造のメリット

通気性の向上
団粒間の隙間を新鮮な空気が通過することで根の酸素吸収が促進される効果があります。

排水性の向上
水はけが悪いと根が水に浸かった状態になり、栄養の吸収が阻害され成長が悪くなりますが、団粒構造は排水性に優れているため根腐れのリスクを下げることができます。

保水性と保肥性の向上
団粒内部に適度に水分を蓄えることで乾燥を防ぎ、土壌の水分蒸発や水分切れが起こりにくくなります。そのため土の水持ちが良く、水に溶けた有機肥料や化学肥料の成分を蓄えることができます。

土壌生物の発育を促進
土が適度のサイズで固まり、土全体の表面積が広がります。そのため微生物が発達しやすくなり病原菌や細菌が蔓延しにくくなるといわれています。水分・ミネラル・肥料成分が蓄えられている団粒構造の土壌には、隙間が多いため根が張りやすく養分を吸いこみやすくなります。

病害虫が発生しにくい
団粒構造の土壌には微生物が住みやすいため、土壌中には多様な微生物が存在しています。生態系のバランスが取れていると、病害菌が異常繁殖する可能性が低く、連作障害も起こりにくいといわれています。

●団粒構造が破壊されるケース

団粒構造は壊れやすい構造なので良い状態を維持するには注意が必要です。化学肥料や農薬の大量散布により、土に住む微生物なども殺してしまい、土壌が活性化しなくなると団粒構造が保持されなくなります。また土が多湿状態のときに耕すと土が練られて固くなり団粒構造が破壊されます。一方、乾燥状態のときに耕起すると、土が細かくなりすぎて団粒構造が破壊され粘土質の土壌になります。冬から春にかけて気温が下がり、土が凍結と融解を繰り返すことや、トラクターなど大型農機の作業で土を踏みつけてしまい、耕作地の土が固くなり団粒構造が破壊されることがあります。

団粒構造の作り方

●土壌に生物が多く住める環境を作る

土の粒子を結び付けて団粒状態にするには、土の粒子と粒子を結び付ける役割を担う『腐植』が必要です。腐植は土壌生物が動植物遺体を分解することで発生しますので、土壌生物が多く住みやすい環境を整えるために、腐葉土・もみ殻といった育土堆肥や畜糞堆肥や生ごみ堆肥などの養分堆肥を土に投入すると良いでしょう。腐植は団粒構造を作り出すとともに、pHの変動を抑え作物が育ちやすい土壌になるともいわれています。

●田起こしを行う

収穫後や稲を植える前に畑の乾いた土を掘り起こします。土を反転させ土中に空気(酸素)を入れることで微生物の動きを活発にします。粘土と砂が適度に混ざることで土壌生物の住みやすい環境を作りだし、腐食が進み団粒構造が発生しやすくなります。その際に肥料や緑肥などを混ぜてすき込むと、より腐植を促進させることができるといわれています。

●緑肥作物を栽培する

有機的な肥料である緑肥を使用することで、微生物が活性化しやすくなり、土壌に隙間ができ団粒構造化を促進する効果が期待できます。緑肥とは、栽培した作物を土壌と一緒に耕し、肥料にすることで、化学肥料に比べてリーズナブルです。

団粒構造を作るために効果的な土壌改良資材地力の素

団粒構造を促進するために皆様へおすすめしたいものが地力の素です。カナディアンロッキー山脈の東麓に位置するアルバータ州から発見された天然鉱物「カナディアンフミン」を原料としており、フミン酸・フルボ酸などの腐食物質が高度に濃縮されています。この地力の素を土づくりに使うことで土の粒子と粒子を結び付ける役割を果たします。連作障害の改善や健康な土壌づくりに貢献します。

 

良い作物は団粒構造の土づくりから

団粒構造の土でも作物の栽培を続けると団子状の粒子は崩れて隙間がなくなります。空気も水も抜けにくくなり、根が窒息して根腐れを起こす要因となります。おいしくて安全な作物を育てる際には土壌を風化させない土壌改良が必要になりますので、良い作物を収穫するために団粒構造の土づくりを心がけましょう。

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