コラム
葉面散布のやり方とは?メリットと効果的なタイミングを解説
2019.07.02

葉面散布のやり方とは?メリットと効果的なタイミングを解説

作物は必要な養分を根を通して土壌中から吸収し成長しています。しかし、良い環境が整っていないと作物の根の機能が低下し、生理障害が現れることがあります。その際に、速効性のある液肥を作物の葉面から追肥する方法を葉面散布と言います。あくまでも根からの栄養吸収を基本とする補助的な施肥方法ですが、体調の悪い人間が点滴により体調を整えるように、とても大切な要素です。

葉面散布の基礎知識

●葉面散布とは

作物の葉面に養分が含まれた溶液を散布し、吸収させる施肥の方法です。進化する前の植物は水中で表面全体を使い養分を吸収していました。そのため、植物体は根だけでなく葉の表面からも養分を吸収する性質が残っており、この性質を利用しています。海外では1920年頃から微量要素欠乏対策として使われるようになり、日本では1955年頃から施用されるようになったと言われています。

●葉面散布のメリット

葉に直接養分を液肥で施肥するため、栄養吸収に即効性があります。また、根や株元が弱っている状態でも葉から栄養補給を行うことが可能です。植物が必要としている栄養分を最適なタイミングで与えることができます。栄養周期にあったタイミングで養分の散布が可能なため作物の品質向上に期待ができます。

葉面散布の効果的なやり方

●葉面散布の方法

希釈した液体肥料を霧吹きや散布機械で直接葉にかけます。進化の過程で体全体から養分を吸収していたと推測されていますので、葉の表面だけでなく、裏面にも散布したほうが望ましいとの意見と、反対に葉を必要以上に濡らすことは灰色カビを誘発する原因になるため、樹勢を整えるのであれば表面だけで十分との意見もあり、生産者によって見解が異なるようです。

葉面散布する際には濃度に気を付ける必要があります。散布液が適正濃度でない場合や、強い日射や乾燥により日中に急速に乾燥する場合は、高濃度になりやすく葉焼けなどの障害が発生する可能性があります。一方、降雨により成分が流れてしまうこともあり、散布時の天候に気を付けて散布する必要があります。液肥の濃度は、規定より薄めたほうが安全と言われています。若い葉の方が吸収力があるため高濃度障害を受けやすいので注意してください。上から作物全体にかけると、土にこぼれた分は根から吸収されるため無駄がありません。

葉面散布を行う時間帯は、潅水と同様に植物の活動が活発になる朝が効果的と言われています。朝露が残っている場合は散布した養分が浸透しにくくなりますので、乾くまで待ってから散布しましょう。ただし、夏場は乾燥を防ぐために植物が気孔を閉じており、活動が弱くなりがちです。そのため朝散布すると葉面の液肥が吸収されず、気温上昇にともない水分が蒸発することで、濃度障害が発生する可能性が高くなります。夕方はハウス内が湿っているため、葉面散布すると乾かずに病気を助長する可能性がありますので注意が必要です。

ハウスの温度が30度を超えている場合、植物の葉が弱っている可能性が高く、また散布液が高濃度になるため、薬害が発生する危険性が高くなります。高温時には散布をしないように気を付けてください。

●葉面散布が必要な場面

土壌がアルカリ化しているとき
肥料は土壌が弱酸性だと土に溶け出すものが多いと言われており、土壌がアルカリ化していると、肥料が十分に溶けださず根が土から養分を吸い上げにくい状態になります。長期的には土壌を改善することが大切ですが、土壌改良には時間がかかりますので、短期的な対応としては葉面散布の施肥は効果的との意見があります。

肥料やけや過湿で根が弱っているとき
肥料やけや過湿で根が弱っているときは土中に栄養があっても根からの栄養補給ができません。葉面散布を行い、樹勢を維持させる必要があります。ただし、あくまでも一時的な措置になりますので、根を改善させない限り、長期的な樹勢の回復(草勢維持や収量確保)にはつながりませんので注意が必要です。

冬場の気温が低い時
冬場に気温が低い時は、低地温になり根の活動がにぶくなります。根からの肥料分の吸収が期待できないため、葉面散布は効果的と言われています。

曇天が続いているとき
曇天が続いていると、作物の活動が鈍くなり土壌の肥料成分を吸い上げていない場合があり、栄養を補うために葉面散布を行うことが良いと言われています。曇天に鈍る樹勢を回復させるために行うことがあるようです。

効率的な葉面散布におすすめの設備

葉面散布を行う際にお勧めなのが、風力で葉面散布剤を細霧状に噴霧する農業用噴霧器モーターフォグです。サイズが小さく軽量(100Vタイプ:6~7kg程度)のため手軽に使うことができます。微細な霧をつくりだして、作物の葉面に液肥をまんべんなく噴霧することが可能です。ビニールハウス内であれば循環扇で気流を作り、霧が気流に乗るようにモーターフォグを設置します。スイッチを入れて時間が来たら止めるだけの簡単操作です。固定式にすれば、機械を担いでビニールハウス内を歩き回ることなく、空いた時間にほかの作業ができるため全体の効率があがります。複数のハウスで使用したい際は、付属の肩掛ベルトを取り付けて、先端を左右に振ります。

特殊なノズルは雲粒と同程度の大きさである平均35μm(マイクロメートル)ほどの微粒子を作りだします。細霧状に噴霧するため養液を無駄なく使用することができます。粒子が微細で空気中に拡散しやすく、作物の葉面にうすく少なめに養液を散布することが可能です。ハウスを密閉空間にして湿度をあげておくことで、霧がハウスの中に広がり、ゆっくりと落下し作物の葉に均等に付着します。ハウス内の飽差を適正に管理し、養分の吸収しやすい環境を整えることで、作物のうぶ毛(トライコーム※)は多量になり、枝葉が起ち、葉・茎を固く引き締めます。

※トライコーム(毛状突起)とは葉面に生えている微細な毛のことで表皮細胞が伸びたものです。植物の種類によって役割が違いますが、強い光を防御する、強風時に気孔から過剰に水分を失う事を防止する、小さな害虫を近づきにくくする、といったストレス応答や防御機構に関して重要な役割を担っていると言われています。

※メーカーは農薬散布を推奨しておりません。万一、使用する場合にはその薬剤の用法容量を遵守し希釈通りにお使いくださいとの注意喚起がありますので使用は避けた方が良いでしょう。

おすすめの葉面散布剤

おすすめの散布剤は、天然のモンモリロナイト粘土を乾燥・粉砕したリフレッシュです。秋田県八沢木のみで産出する16種類の水溶性ミネラルとケイ酸が含まれた粘土で植物生理を順調にします。化学的な処理をせずに製造された粉末状の固形肥料で、安全安心にお使いいただけます。生育に悪影響を及ぼす未消化窒素・アンモニア・カビなどを吸着する性質があり、葉面散布・潅水に使用することができます。植物細胞の表面にケイ酸が蓄積され、ケイ酸でコーティングされた作物は光合成をしやすくなります。また物理的に細胞が固くなることで病原菌の侵入や拡大を防ぐと言われています。

生長を助ける葉面散布を上手く活用し

収量アップを目指しましょう!

元肥・土づくりは大変重要な要素ですから、この基本的な要素をおろそかにしてしまうと、葉面散布のような追肥が効果的ではなくなってしまいます。基本をしっかりとおさえながら、樹勢が弱ってきた際の補助的な施肥方法として活用するようにしましょう。継続的な利用が作物の健康的な状態を維持し、品質を向上させます。尿素・窒素・リン酸・ホウ素などの成分が入った活力剤を野菜・果物・花など様々な作物にあわせて上手に利用し収量アップを目指しましょう。また、肥料取締法で規定されている肥料成分が記載された保証票が添付されたものか、きちんと確認し安心安全な資材を選ぶように心がけましょう。

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