コラム
アザミウマをシャットアウト!生態の特徴や被害・駆除方法を解説
公開日2019.08.09
更新日2021.09.24

アザミウマをシャットアウト!生態の特徴や被害・駆除方法を解説

アザミウマ(薊馬)類は繁殖力が強くウイルス病を媒介することもあり、大変に厄介な農業害虫です。4~10月の間、特に高温で乾燥した時期に発生しやすく、集団で農作物を吸汁し加害します。世界中で被害が報告されているメジャーな病害虫と言えます。殺虫剤への抵抗性が高く、休眠せずに条件がそろうと次々に増殖し、防除が困難なアザミウマの生態と、予防および駆除方法についてお伝えしていきたいと思います。

アザミウマの生態と特徴、その被害

アザミウマの特徴と生態、種類

特徴
英名ではスリップス(Thrips)と呼ばれています。成虫の体色は黄色・褐色・黒色系などで、頭部から2本の触覚が伸びており、偏平~やや円筒状の細長い形が特徴です。

生態
生育サイクルは15日~45日ほどで、2週間~10日で卵・幼虫・蛹・成虫と変化しますので、対策を怠ると爆発的に増えていきます。20℃~25℃前後の温暖な気候を好み、暑い時期は短期間で成長して被害をもたらします。アザミウマは植物の組織内に産卵し、幼虫は加害しながら、時期を見て葉から土壌へ落下し、土中で蛹になってしまうため、寄生されていることがわかりにくいうえ、殺虫剤が効きにくいといわれています。また成長速度が速いため殺虫剤に対する耐性が発達しやすいというやっかいな性質があります。

種類
ミナミキイロアザミウマ・ミカンキイロアザミウマ・ヒラズハナアザミウマ・チャノキイロアザミウマなど種類が豊富で200種以上といわれ、分類が進めば1万種以上いるとも考えられています。益虫もいますが、基本的には害虫として指定されています。

アザミウマがもたらす被害

草花や野菜・果樹・花木などあらゆる植物に寄生します。群がって加害しますが、体長1~2mm程度で体が小さいうえに葉の付け根を好むため見つけにくく、大量発生しやすい害虫です。植物の花粉を好んで食べ、植物に針を突き刺して内部の汁を吸い取り、食害にあった植物は、傷がついてカスリ状に色が抜け、葉全体が斑点状に白や黄色に変化したり花弁が変色したりします。株全体に蔓延して枯れてしまう場合や、新芽が褐変(萎縮)したり実が大きくなりすぎたり、花が咲かなくなったりする症状がみられます。成虫や幼虫が羽を持ち、植物に飛来し、さまざまなウイルス病の媒介になることもあり注意が必要です。黄化えそ病を引き起こし、発症すると植物の生育が抑制されるため、収穫量が減少するおそれがあります。花や葉の内部に潜り込んでしまうため、防除薬剤が効きにくいといわれています。

アザミウマが発生しやすい植物

花ではバラ・カーネーション・マリーゴールドなど、野菜ではナス・トマト・ピーマン・ネギ・アスパラ・キュウリ・ゴーヤなどのナス科やウリ科などが主な被害作物です。その他、果実では柿・ブドウ・柑橘類などが被害に遭いやすいといわれています。

花卉 バラ・カーネーション・マリーゴールド・アジサイ・シクラメン・ツバキ
野菜 ナス・トマト・ピーマン・ネギ・アスパラ・キュウリ・ゴーヤ・春菊
果実 スイカ・メロン・いちご・柿・ブドウ・柑橘類

アザミウマが発生しやすい時期

一般的にアザミウマが発生しやすい時期は4月~10月ごろといわれています。夏の高温で湿度が低く乾燥しているときは注意が必要です。大発生の危険性があります。

アザミウマの予防・駆除方法

アザミウマの予防方法

  • 連作や混作を避ける
    アザミウマが被害をおよぼす作物は約300種類と多く、連作や混作をする際は注意が必要です。緑地や雑草が生えやすい場所に栽培しないようにしましょう。
  • こまめに除草や摘蕾を行う
    雑草はアザミウマが越冬するのに最適な場所とされています。さまざまな植物に寄生しますので、寄生場所を減らすために除草しましょう。またアザミウマは花を好むため、摘蕾をこまめに行いましょう。特に枯れた花がらから発生することが多いため、咲き終わり枯れた蕾はこまめに摘み取り、作物の近くに残さないようにすると良いでしょう。
  • 防虫ネットを活用する
    体長の小さなアザミウマには網目が0.4~1 mm程度のネットがアザミウマが侵入しにくく対策に適しています。昆虫は赤色を認識することができないため赤色のネットを張るのがおすすめです。赤色はアザミウマが認識できる可視領域を上回っているため真っ黒なカーテンで覆われているように見えると言われています。
  • 反射光を使う
    アザミウマは、光の乱反射が苦手です。作物の株元や地面にシルバーマルチや銀色の反射テープを張っておくと良いでしょう。遠ざける効果だけでなく雑草が生えにくくなったりもします。

アザミウマの駆除方法

  • 手で取る
    アザミウマに寄生した葉っぱは丸まるなど変形をしています。この巻き葉を手で取り除きます。時間と労力がかかる方法です。
  • 天敵を活用する
    生物農薬を使ってアザミウマを駆除する方法です。スワルスキーカブリダニ・タイリクヒメハナカメムシなどはアザミウマを捕食対象としているため、駆除効果が期待できます。ただし、単純に生物農薬を放すだけでは防除効果が出にくく、捕食対象としている虫の生態も理解する必要があるため、高度な防除方法といえます。
  • 粘着テープを仕掛ける
    株の周りに黄色や青色の粘着トラップを設置して対策する方法です。アザミウマの黄色や青色に強く引き寄せられる習性を利用した駆除方法です。
  • 高温によるヒートショック法で撃退する
    高温によってハウス内で活動する害虫を駆除します。アザミウマの活動の抑制効果が期待できますが、作物も厳しい高温環境にさらされるため、枯れてしまうおそれがあります。事前に十分な水やりをするなど準備をして行わなければなりません。42~45℃で5~15分程度行うのが良いといわれています。ただし作物が高温でも耐えられる品種に限定され、1週間おきに2~3回行う必要があり手間がかかります。
  • 農薬を使用する
    アザミウマの種類によって効きやすいものと効きにくいものがあります。まずは種類を特定することが大切です。アザミウマは繰り返し使用すると薬品抵抗性が高くなりやすいといわれていますので注意が必要です。当然ですが農薬を使用する際には注意事項・散布方法を確認し使用するようにしてください。

アザミウマの視覚わせて繁殖をストップする設備モスバリア

そこで皆さまにご紹介したい設備がLED照射を利用してアザミウマの活動を抑えるモスバリアです。モスバリアの赤色LED(波長500~600nm)は半径15mに光が届き、日中に約12時間程度(日の出1時間前~日の入り1時間後までの照射が望ましい)照射するとアザミウマの成虫は方向感覚が麻痺し飛べなくなります。植物体の緑色を識別することが困難になり植物体への誘引や定着が妨げられ、雌成虫の産卵機会が減少し、次世代の幼虫数が減少しますので1世代で繁殖をストップさせる効果があります。※ヒラズハナアザミウマに対しては効果がないのでご注意ください。

▶モスバリアジュニアⅡレッドの説明動画はこちら

アザミウマをLED光で誘引して捕虫する設備『スマートキャッチャー

アザミウマの捕虫に役立つスマートキャッチャー。紫外線と可視光線のLED灯を利用した害虫用の捕虫機です。アザミウマをLED光で誘引し、強力な吸引ファンで捕虫袋に捕獲します。専用ACアダプター付属で電源が取れる場所でしたらS字フックなどで簡単に設置することができます。独自のフレームレスモーターは害虫の死骸が固着して回転不能を起こすことがなく、LED灯を採用しているためメンテナンスにあまり時間を取られず長くお使いいただけます。専用補虫袋は使い捨てタイプですから衛生面でも心配がありません。

コナジラミ類、アザミウマ類、コバエ類、チビクロバネキノコバエ、ナガマドキノコバエ、クロバネキノコバエ類、アシグロハモグリバエ、マメハモグリバエ、ハスモンヨトウ、ヨトウガといった飛翔害虫全般を捕虫することができます。

▶スマートキャッチャーの解説動画はこちら

アザミウマを匂いで引き寄せて捕虫する設備『アザミウマキャッチャー

活性式予察捕虫器アザミウマキャッチャーはビニールハウス向けの予察捕虫器です。特殊誘引剤の匂いと粘着シートの色によってアザミウマを誘引し捕虫します。付着した害虫の種類や数を農薬散布の目安とすることで害虫被害の早期発見と早期防除に役立ちます。
電源が不要のため電気が完備していない圃場にもおすすめです。約1a(100㎡)あたりに1台設置することで、食品由来の原料を使用した誘引剤「アザミン」と粘着シートの色でアザミウマを誘引し捕虫します。誘引剤の効果はおよそ3か月間持続します。1台あたり2,200円と低価格なので手軽に導入できます。3か月以降も誘引剤(1本あたり550円)を交換すれば継続的に使用することが可能です。※ヒラズハナアザミウマも捕虫できます。

アザミウマ対策をして大切な作物を守る

露地栽培でも施設栽培でも多くの作物に加害する厄介な病害虫アザミウマ。今回はアザミウマを駆除する方法をお伝えしてきました。適切な防除対策を選び、大切に育てた作物を守りたいものですね。労力を減らして収量をあげられるように対策を取っていきましょう。

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