コラム
キュウリ栽培で気を付けたい病気の種類│早期発見、対策で被害を防ぐ
2019.11.28

キュウリ栽培で気を付けたい病気の種類│早期発見、対策で被害を防ぐ

キュウリはもともと初夏の野菜で露地栽培がメインでしたが、施設栽培が普及し物流が進んだおかげで、年中食べられるようになりました。家庭菜園で育てる一般消費者も多く、サラダ・漬物・炒め物などいろいろな調理法があるため年間を通して欠かせない食材です。今ではどこのスーパーでも買うことのできるキュウリですが、農家さんにとっては、キュウリの栽培は初心者にはハードルが高いと言われています。キュウリは病気にかかりやすく、その病気の種類が知られているだけで20種類以上あり診断が難しいためです。病気は進行・拡散しやすく、発見次第すぐに除去や治療などの対処を行わないと収量が減ってしまいます。

キュウリの病気に対する特徴

キュウリの産地は亜熱帯から寒帯にかけたインド北部のブータンとネパールに囲まれた地域で、標高が高く岩石が多く含まれた傾斜地に多いと言われいます。また北部には氷河が80本近く、河川も100本以上あり水に恵まれて、気温は28度以上になることはなく比較的涼しい地域です。

農林水産省HPよりキュウリの原産国はヒマラヤ山麓(さんろく)のシッキム地方

このような土地柄で育つキュウリは、日当たりが良く通気性と排水性が高い土壌を好みます。キュウリが病気になりやすい季節は、梅雨に発生しやすいと言われて、長雨で高温・多湿の環境になると、カビの活動が活発になり、これが原因で病気が発生しやすくなります。

水はけの良い環境を好む一方、乾燥には弱いという特徴がありますので、水の管理をしっかり行い、根回りの乾燥を防ぎつつ空気中の湿度を低めに抑えることが、病気の発生を抑制するポイントかもしれません。キュウリの病気は、冒頭でも書きましたが20種類を超えると言われていますので、多くの葉っぱを注意深く観察することが大切です。

キュウリ栽培で起こりうる主な病気

●べと病

病原菌により葉のみに発生する病気です。淡黄色の斑点を生じ、後に黄褐色の病斑となります。1つ1つの病斑は葉脈で区切られ角張っています。病斑の葉裏はビロード上のカビが見られます。多発すると葉全体に広がり、葉自体が脆くなるため株が枯れる原因となります。高温の環境で発生しやすくなり、水はけが悪く湿度が高い状態が続くと発生しやすくなります。通気性を良くし、過度な水やりをせず、肥料切れを避けましょう。

●うどんこ病

葉や茎、果実に発生する病気です。表面にうどんこの粉を振り掛けたような白色のカビが発生します。ひどくなると、葉は白色から灰色となり枯れてしまいます。乾燥した環境で発生しやすく、特に施設栽培で水管理を失敗すると発生を助長し、被害が大きくなります。窒素肥料過多になるとかかりやすくなる病気と言われていますので注意してください。発症部分を発見したらすぐに取り除いてください。うどんこ病の菌は農薬に対し耐性菌になりやすいため、発生してからの散布は得策ではありません。予防目的での散布が推奨されています。

●黒星病

若い葉や茎、幼果に発生しやすく、葉で発生すると暗緑色の斑点状の病斑ができ奇形となります。茎や幼果ではくぼんだ紡錘形の黒褐色の病斑が特徴的です。病斑には黒いビロード状のカビが見られます。症状がひどいとヤニを分泌し、株は枯死してしまいます。

低温多湿での被害が大きいと報告されていますので、秋から冬にかけての低温で高湿度になりやすい秋雨時期には特に注意しましょう。施設栽培では温度管理・湿度管理をこまめに行う必要があります。この病気は、一度発生すると蔓延しやすいといわれています。農薬を使う際には予防目的で散布されることが有効といわれています。施設栽培では夏場の温度を利用した高温殺菌も有効で温度管理・湿度管理が重要です。

●灰色かび病

症状の初期は花に灰色のカビがつきます。花が落ちる際に葉に接触すると、葉に灰褐色で大きな円形の斑点ができます。病斑には灰褐色のカビが発生し、症状が悪化すると株が枯死してしまいます。葉に直接発生することはなく、発病した花弁が葉に接触することにより移るので、咲き終わった花弁は取り除きましょう。また発病部位はすぐに除去します。低温多湿で特に被害が拡大しやすいので過湿に注意する必要があります。この菌も農薬に対しては耐性菌を生みやすいので同じ農薬を使わず、組み合わせて耐性菌を発生させないようにしましょう。

●斑点細菌病

発病すると、まず葉に斑点状の病斑ができます。徐々に葉脈で仕切られた角張った病斑になり、病斑部は破損しやすくなります。べと病と症状が似ていますが、べと病は病斑が古くなっても破損することはなく、病斑部に白い細菌の塊がないことから、判断することが可能です。次第に葉脈で区切られた角張った病斑となり、病斑部が破れやすくなります。症状はべと病と似ていますが、べと病の場合は病斑が古くなっても穴が空くことはなく、病斑部に白い細菌の塊が見られないことから区別することができます。斑点細菌病がひどい場合には病斑部から先の茎葉が枯死します。水はけが悪く、過湿状態で発生しやすいといわれています。菌は外部から持ち込まれることが多いそうで、近隣の圃場から持ち込まないようにすることと、発病を発見したら早期に取り除き拡大を防ぎます。

キュウリ栽培のステージごとにかかりやすい病気と対策

キュウリ栽培は、育苗期・定植時・栽培初期・栽培中後期のステージがあり、それぞれでかかりやすい病気があります。べと病と斑点細菌病のように初期段階では見分けにくいものもあり、対策方法に悩むことがありますが、どの病気か調べているうちに対策方法が決められず時間だけが経過したり、誤った対処をしてしまうと圃場全体に病原を蔓延させることになりますので正確にかつ迅速に対応する必要があります。各栽培ステージで発生しやすい病気を理解しておくことで、対策がしやすくなります。

●育苗期

ポット等を使い種から苗を作る期間となります。この時期は、うどんこ病やべと病が発生しやすいので気をつけましょう。うどんこ病は乾燥すると出やすく、べと病は過湿で発生しやすいいずれにしろ水管理はこまめにしましょう。

●定植時

定植時には、発生すると効果が望める農薬がない斑点細菌病の予防と初期防除に努めましょう。圃場の水はけを良くすることに注意し、畝を高くしたり、水をやりすぎないようにします。

●栽培初期

育苗期と同様にどんこ病やべと病に気を付けます。

●栽培中後期

どんこ病、べと病だけでなく灰色かび病や黒星病など様々な病気が発生します。日々の観察に力を入れ、病気のサインを見逃さないようにすることが重要です。初期防除に努めましょう。

キュウリ栽培での病気への対策

有機肥料を多め与え、畑をよく耕ことによりふかふかの水はけが良い土づくりをしましょう。有機肥料を適度に含んだ土は適度な大きさの土粒になるそうで、適度な空間ができることにより水はけが良くなると言われています。また、畝を高くすることでさらに、水はけが良い環境ができることが期待できます。

温度に関係なく、湿度が多い環境は病気を発生しやすくなります。水はけが悪い土壌では、どうしても下から水蒸気が発生しがちで、キュウリが育っている環境が多湿になりやすくなります。キュウリ周辺の換気がよく、湿気を追い払ってくれればカビの発生を抑えてくれるのかもしれませんが、密植栽培をしていたり、株元の葉が絡み合っているなど、空気の流れが悪いと湿度がたまりやすいので密植を避け、摘葉を行い風通しが良い環境を作りましょう。

病気を発生させる菌は、農薬に対し耐性菌になるものや、有効な薬剤がないものなどがありますが、とにかく予防対策が必要です。水はけのよい環境を整える、施設栽培では定植前に圃場の殺菌や消毒を徹底するなど、農薬による予防を心がけましょう。

キュウリ栽培での病気対策に有効な設備

そこで皆様にご紹介したい製品が、ビニールハウスの温度や湿度の管理を無動力で行う空動扇です。設定温度に応じてオートマチックに換気を行ってくれます。急激な温度変化にもゆるやかに動作し、換気を行います。サイドを巻上することで、ハウス上部に滞留しがちな熱だまりや湿度を、外気を取り込みながら換気します。高温障害や換気不順により病害虫の発生を抑えやすくなる可能性があります。キュウリでは育苗ハウスや定植後のハウス栽培でお使いいただいています。

新鮮でおいしく病気のないキュウリを育てましょう

キュウリは野菜の中でも病害虫が発生しやすい作物と言われています。前述したうどんこ病やべと病をはじめ病気を発症しやすく、放っておくとすぐに伝染し枯れてしまいます。日々の観察を怠らずに、新鮮でおいしく病気のないキュウリを育てましょう。

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