今回は梅雨明け後の猛暑の中、2022年6月に空動扇の使用感想をお伺いさせていただくために磯川さんのコーヒー農園にご訪問させていただきました。インタビューでは空動扇を導入した理由やコーヒー栽培のこだわりなど色々なお話を聴かせていただきました。
磯川さんのコーヒー農園について
農園の立地 :神奈川県
農園面積 :90アール
ハウス情報 :3連棟、ハウス高:2.3m
ビニール素材 :農PO
植樹本数 :69本
品種 :ブルボン種
コーヒー栽培歴 :3年
空動扇導入歴 :2020年7月 3台
2021年4月 5台
2022年3月 4台
磯川さんとコーヒー栽培|難しいのでやりがいがあります
セイコーエコロジア 小島
磯川さんがコーヒー栽培をするに至った経緯を教えてください。
磯川さん
本業は太陽光発電や風力発電に関連した再生可能エネルギー事業を行っていますが、コロナウイルスの影響で1か月ほど現場に入れない時期がありました。以前から施設園芸に興味があってこのタイミングでコーヒー栽培を始めました。
セイコーエコロジア 小島
施設園芸を行うにも色々な植物を選択できたと思いますが、なぜコーヒーだったのですか。
磯川さん
トマトやイチゴなどを栽培する選択肢もありましたが、栽培が難しいコーヒーを選びました。有機栽培にもチャレンジしていて、とてもやりがいを感じて栽培しています。
セイコーエコロジア 小島
コーヒー栽培について簡単に教えていただけますか。
磯川さん
ハウス温度を夏場は38℃に、冬場は暖房を焚いて10℃以上を目標に管理しています。開花は6月頃で一斉に咲くことはなく一定期間にポツポツと咲く感じです。この頃に咲いた花は翌年の4~5月に収穫ができます。整枝が難しく、主枝から伸びる側枝を切らないと花付きが悪いですね。コガネムシやカイガラムシが多いことが難点です。
空動扇による強風と雨の影響|バタつきが無く雨も入りません
セイコーエコロジア 小島
どこで空動扇を知ったのですか。
磯川さん
インターネットです。展示会でもよく見かけましたね。販売店を探していたところセイコーエコロジアさんのホームページを見つけたので問い合わせをさせていただいたことが最初です。
セイコーエコロジア 小島
なぜ空動扇を導入したいと思ったのですか。
磯川さん
ハウス強度を落とさないで換気をしたいと考えていたからです。なので、ハウス妻面の換気扇や天窓は設置したくありませんでした。自然災害の怖さは本業の方でよく理解しているので、ハウスは頑丈に作っています。
セイコーエコロジア 小島
今回は空動扇SOLARではなく空動扇(ノーマルタイプ)を導入していただきましたが、なにか理由があるのでしょうか。
磯川さん
ここのハウスは風がよく吹く場所に立地しています。空動扇SOLARでなくてもノーマルタイプで十分だと思いました。ハウスを頑丈に作っている理由はこの強風を考慮してのことです。
セイコーエコロジア 小島
実際に強風や台風のときに空動扇は活躍していますか。あと、雨の影響も教えてください。
磯川さん
活躍していると思います。ハウスの窓を閉めても多少の隙間があるのですが*、ビニールのバタつきも無いですし、強風のときの空動扇の活躍は特に良いと感じています。冬でも風が強い時は窓を閉めています。
空動扇とビニールの継ぎ目からの雨の侵入は無いですし、ベンチレーターの隙間から雨が入ってくることもありません。
*空動扇を設置したビニールハウスでは、強風時に側窓や扉などを密閉することが一般的な使い方で、ビニールのバタつきやハウス倒壊を防ぐことが期待できます。
空動扇によるハウス温度の影響|天井の熱気が緩和されました!
セイコーエコロジア 小島
先ほど夏場のハウス温度管理を38℃にしていると伺いましたが、ハウス温度に対する空動扇の効果を教えてください。
磯川さん
センサー管理しているので常にスマホで確認できるのですが…、いま39.4℃ですね(笑)。でも、空動扇を設置する前は40℃を越えていましたよ。たぶん8℃位下がったんじゃないかなあ。コーヒーは40℃以上で管理すると葉焼けが発生するのですが、かなり少なくなりましたね。
補足:インタビュー当日の最高気温35℃、最低気温24℃。
セイコーエコロジア 小島
空動扇を導入していただいて3年。これまで一番効果を感じていることは何ですか。
磯川さん
ハウス天井の熱気が抜けることに一番効果を感じています。コーヒーの樹は上へ伸びていくのですが天井付近が高温だと生長点に悪影響を及ぼします。空動扇の導入ですいぶん緩和されたと思います。
空動扇の気になる点|回転が悪くなってきたのですが…
セイコーエコロジア 小島
ここまで空動扇の良いお話をたくさん聴かせていただきましたが、敢えて悪い所を挙げていただくことはできますか。
磯川さん
3年間使用した空動扇でベンチレーターの回転が悪くなってきた個体があります。グリスを入れれば改善するのかを気掛かりにしています。
セイコーエコロジア 小島
ベンチレーターのベアリング部分にグリスを入れてメンテナンスすることで改善できます。通常はビニール張替等で空動扇を取り外すタイミングでメンテナンスを行うことを推奨しています。
磯川さんのコーヒー栽培へのこだわり|地のものを使って有機栽培を
セイコーエコロジア 小島
磯川さんがコーヒー栽培を行う上でこだわっていることを教えてください。
磯川さん
地のものを使って有機コーヒー栽培をすることです。肥料はボカシのみを使っていて、農薬も有機的なものを使用しています。このハウスに引いている水もきれいな沢の水です。
セイコーエコロジア 小島
最後になりましたが、空動扇を検討している方へメッセージをお願いします。
磯川さん
ハウスの構造や強度を弱くしないで換気をしたい方にお勧めできます。とくに風が強く吹くエリアの方には空動扇を勧めたいと思います。
おわりに
今回は神奈川県でコーヒー栽培を行っている磯川さんに空動扇のインタビューをさせていただきました。磯川さんはコーヒーの他にもパイナップルやバナナの栽培にチャレンジするとても研究熱心な方です。いまはまだ自家用でコーヒーを楽しんでいるそうですが、経営栽培の手ごたえもあるとのことで、数年後には私たちも神奈川県産コーヒーが飲めることを楽しみにしましょう。
コラム著者
小島 英幹
2012年に日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程を修了後、2年間農家でイチゴ栽培を経験。
2021年に民間企業数社を経てセイコーステラに入社。コラム執筆、HP作成、農家往訪など多岐に従事。
2016年から現在まで日本大学生物資源科学部の社会人研究員としても活動し、自然環境に配慮した農業の研究に取り組む。研究分野は電解機能水農法など。近年はアーバスキュラー菌根菌を利用した野菜栽培の研究に着手する。
検定、資格は土壌医検定2級、書道師範など。