コラム
トマト栽培でLEDを導入するメリット|生育不良のリスクを回避
公開日2022.02.03
更新日2022.02.03

トマト栽培でLEDを導入するメリット|生育不良のリスクを回避

トマトの生育不良でお困りではないでしょうか。トマトは強い光を必要とする植物ですので天候不順等による日照不足が発生すると生育が悪くなり病害虫にも侵されやすくなってしまいます。それを防ぐためにはLEDライトを設置し人工的に光を照らして光合成を促進(光合成補光)することで生育不良のリスクを回避することが可能です。今回のコラムではトマト栽培でLEDライトを導入するメリットに関して詳しく解説していきたいと思います。

トマト栽培における光の重要性

トマト(学名: Solanum lycopersicum)の原産地は南米のアンデス高原地帯です。原産地は太陽が強く照り、空気は乾燥し、昼夜の温度差があり、水はけの良い土壌が特徴です。そのためこれらの要素がトマトにとって最適な生育条件と言えます。トマトの光合成における光飽和点*は70,000lx(ルクス)、光補償点**は1,500 lx(ルクス)でサトイモやスイカに次いで強い日射が必要な野菜です。一般的に太陽光は50,000~100,000lx、曇天でも10,000lx程度の照度があると言われていますから、トマトは太陽が大好きな植物であることが分かります。

現在、植物工場・水耕栽培・土耕栽培などのあらゆる栽培方法が普及していますが、トマト栽培における「光」の環境を改善することはとても重要な意味を持っており、収穫量や品質を向上させるための必須要素であると言えます。

*植物が光合成する際、光の強度が上がると光合成速度も速くなりますが、ある強度以上になると飽和状態になり、それ以上速くはなりません。その光の強度のことを光飽和点と言います。

**光の強度が弱くなると光合成速度が呼吸速度を下回り乾物生産を維持できなくなります。この光強度を光補償点と言います。

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トマトを補光することの意味

日本における冬季は地球の自転と公転の関係上、晴れた日の日照時間は短くありませんが、雪や曇りの多い地域では日照不足に陥りやすい季節です。また初夏の梅雨の時期も雨や曇りがちな日々が続きます。太陽が好きなトマトにとって、日照不足はトマトの生育を阻害する環境要因の一つになる深刻な問題です。そのような状況を打破するために、人工的に光を作り出して照射(=補光)することで光合成を促進させ生育向上を期待することを「光合成補光」と言います。特に日本海側や雪や曇りの多い地域では重要な意味を持つことから補光栽培の導入検討が進んでいます。またトマトは成長すると葉と葉が重なり合い群落内に必要な光が届きづらくなることから、群落内にLEDライト(LED電球)を設置して効率的なトマト栽培を行う大規模な農業生産法人も現れています。

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LEDライトを導入するメリット

トマトが元気に育つ

前章から記載している通り、トマトは日光が好きな植物です。また中性植物*でもあるため、花芽の影響を受けることがありません。従って極端に言えばLEDライトを当てれば当てるほど光合成を行い成長するというメリットがあります。可能であれば一晩中LEDライトを点灯し、CO₂の吸収量を増やしてあげることで活発な光合成を促すことがポイントです。

*日照時間の長短に関係なく花芽をつける植物を中性植物と言います。

電気代を削減できる

LEDライトは白熱電球や蛍光灯と比較しても消費電力が低いという特徴があります。長時間点灯しても従来と比較して電気代がかなり低く抑えられる場合が多いです。

他の照明との電気代の比較

種類 白熱電球 蛍光灯 ハロゲンランプ 水銀灯
LEDランプとの
電気代比較
約6倍 約2倍 約6倍 約5倍

寿命が長い

LEDの寿命は40,000時間と言われています。仮に一日あたり10時間点灯させても約10年です。いかに長寿命かということが分かります。ただし農業で使用する場合は外的要因(日射・温度・湿度など)によってLED以外の部分の劣化が原因となり3~7年程度の寿命となることが多いようです。頻繁に点灯や消灯を繰り返しても電球の寿命が縮むことがありません。

計算式:40,000時間÷(365日×10時間)=10.95年

虫が寄ってこない

夜に活動する虫の多くは、特定の波長の紫外線に寄ってくる習性があります。一般的に白熱電球・蛍光灯・ハロゲンランプ・水銀灯は紫外線を発しているため、虫を引き寄せてしまう可能性があります。

LEDライトを導入するデメリット

導入コストが高い

一般家庭用のLEDライトは海外での大量生産によってコストが低く抑えられています。しかし農業用のLEDライトは植物に最適な波長に調整され開発されている特殊な電球であることが多く、少量生産のためコストカットできない事情が背景にあることから、まだまだ導入コストが高くつく場合が多いようです。助成金などをうまく活用しながら導入を進めることも一つの手段でしょう。

電力コストが高くなる場合がある

前章のメリットに記載したようにLEDライトの消費電力は他の照明と比較して消費電力が少ないのですが、LEDライトの導入数が多かったり、点灯時間が長かったりするとそれなりに電力コストも高くなります。光量の多い夏の昼間は補光しても効果がないというデータもあるようですので、電力コストを抑えるためにも夜間と冬季の昼間に絞って点灯させるほうが良いでしょう。電力会社の契約にもよりますが、夜間は深夜料金で電気代が安くなる場合がありランニングコストが抑えられるメリットも生まれます。

おすすめのLED電球「トマト用LED電球

トマト用LED電球はトマトの生育に適した赤色630nmと青色(白色)460nmの波長の光を放出するように設計されたLED電球です。施設園芸での使用を想定し農薬散布にも耐えられる防水性能も持ち合わせています。降雪時や曇天時の昼間や、通常時の夜間に可能な限り点灯させることでトマトが二酸化炭素を吸収し光合成をしやすい環境を作り出し、生育不良を引き金として起こりうる病害虫増加・収量減といったリスクの軽減が期待できます。

20Wと40Wの2種類をラインナップしておりますのでご使用環境(例えば育苗や本圃など)にあわせてお選びいただけます。またE26の口金を採用していますので既存の配線設備があれば差し替えるだけで利用することが可能です(口金E39の40wにはE39⇒E26 変換ソケットが付属されています)。

トマト用LED電球20Wの設置イメージ

草丈が地表から2m未満の場合・・・各通路に1.0m~2.0m毎に1球設置

草丈が地表から2m以上の場合・・・各通路に1.0m毎に1球設置しに斜めから照射する

光合成補光を行いトマトの生育を促進

今回はトマト栽培でLEDライトを導入するメリットに関して詳しく記載してきました。ぜひ光合成補光という目的で導入を検討する際の参考としてください。なお光合成補光を行うとCO₂が不足しがちになりますので十分な量のCO₂を施用することをおすすめします。

また例えば照度センサー等を使用しトマトの光補償点1,500 lxを下回ると自動でLEDライトが点灯するような自動化の仕組みを構築することができればより生育不良のリスクを回避できるのではないかと思います。

光合成補光を行いトマトの生育促進をしていきましょう。本コラムが皆様のお役に立てれば幸いです。

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