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トマト栽培における日当たりの重要性|健康に育てるために
公開日2022.06.07
更新日2022.11.28

トマト栽培における日当たりの重要性|健康に育てるために

トマトを栽培していると「トマトの株に元気がないな・・・」と感じることがあるのではないでしょうか。それは日当たりが悪いことが原因かもしれません。今回のコラムでは初心者~中級者の方向けにトマト栽培の基礎知識をお伝えさせていただきます。お役に立てますと幸いです。

トマトの基礎知識

トマト(学名:Solanum lycopersicum、英名:tomato)は南アメリカのアンデス山地及びガラパゴス諸島を原産とするナス科ナス属の植物です。野生種のトマトは降水量の少ない乾燥地帯に自生しているため、現在広く栽培されている栽培種のトマトと比較しても過酷な環境であると言えます。そのため、限られた水分を利用できるように植物体の各器官(葉・花・果実)をこれらの環境に適応できるよう変化させているのが特徴です。例えば水分の蒸発を防ぐ手段として植物体全体を毛で覆ったり、果皮を厚くするといった例が挙げられます。

栽培種としてのトマトは世界で8,000種以上が存在し、世界で最も多く生産され消費されている野菜です。トマトの成分は90%程度が水分ですが、クエン酸、グルタミン酸、アミノ酸、ビタミン類、ミネラルを豊富に含むため健康食品としての価値が高いです。特にリコピンという色素には抗がん作用等があることが広く知られています。

トマトの栽培環境で重要な要素とは

トマトは強い光を好みます。野菜の中ではスイカとサトイモに続いて強い光を必要とする植物で、光補償点*は1.5キロルクス、光飽和点**は70キロルクスとされています。そのため日照が不足すると、徒長したり、生育不良や収量低下を招くことから注意が必要です。トマトを栽培する場所や環境を事前に調査しておき、日当たりが良い場所で栽培するようにしましょう。

*光の強度が弱くなると光合成速度が呼吸速度を下回り乾物生産を維持できなくなります。この光強度を光補償点と言います。

**植物が光合成する際、光の強度が上がると光合成速度も速くなりますが、ある強度以上になると飽和状態になり、それ以上速くはなりません。その光の強度のことを光飽和点と言います。

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トマトは多湿を嫌います。湿度は65%~85%が適しているとされ、多湿だと葉の気孔が閉じて光合成が阻害されてしまいます。また多湿は病気の発生を助長する原因となるので注意が必要です。従って可能な限り風通しをよくしながら育てましょう。

トマトに最適な土づくり

露地栽培の場合

定植する2~3週間前に石灰をまき、しっかりと耕うんします。石灰の量は1㎡あたり150g程度が目安です。石灰をまくことでカルシウム不足による尻腐れ病が予防できます。定植する1週間前に溝施肥*をした後、畝立てをします。堆肥を1㎡あたり4kg程度、化成肥料を1㎡あたり100g程度、ヨウリンを1㎡あたり50g程度を混和することが目安です。なお土づくりの後は防草と地温を上昇させるためにマルチシートをかけましょう。

*畝の中央に深さ20cm程度の溝を掘って肥料を入れ込んで埋め戻す作業のこと。

プランター栽培の場合

ベランダ等で簡易的にミニトマト等を栽培する場合はプランター栽培がおすすめです。ホームセンター等の園芸コーナーには、野菜用やトマト用の袋入り培養土が販売されているので利用されるととても便利です。最近では培養土の袋の片方の口を開いてトマト苗を植えるだけで簡単にトマトが育てられる、栽培キットも販売されているようです。

トマトを定植する時期

施設栽培の場合

促成栽培は11月上旬~12月中旬、促成長期栽培は9月上旬~11月中旬に定植することが多いようです。

普通栽培*の場合

温暖地は4月下旬~5月上旬、冷涼地は5月下旬~6月下旬が定植に最適な時期とされています。ホームセンター等ではゴールデンウイークの大型連休中が最も野菜苗が売れる時期のようです。

*遅霜がなくなった後に植え付けること

関連コラム:トマトの根っこを元気に育てる|定植時に注意すべきポイントとは?

トマトの水やりの頻度

「水を少なめに与えるとトマトは甘くなる・・・」というお話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。確かに品種によっては絶大な効果が出る方法です。ただし、収穫量が減ってしまいますので上級者の方向けの方法です。初心者の方はたっぷりと水を与えましょう。水やりのタイミングですが、朝にたっぷり行います。夕方~夜の水やりや、曇りや雨の日の水やりは、トマトは必要としていないので控えます。

トマトの手入れ方法

誘引

土中に支柱を差し込み、主枝を誘引して固定します。誘引の間隔は20~30cmを目安にします。誘引ひもは8の字になるようにすることがポイントです。

脇芽かき

花が咲き始める頃になると葉の付け根に脇芽が出てきます。主枝に栄養がいくようにするために、脇芽かきをします。脇芽の生長はとても速いので定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。

摘芯

トマトは1段、2段、3段・・・というように段ごとに実をつけます。収穫目標とする段の花房が咲き始めたら主枝を摘み取りましょう。摘芯することで主枝がこれ以上伸びなくなり、実に必要な栄養を集中させることができます。

追肥

土づくりの際に施用した元肥はトマトが生長するにつれて吸収されて失われていきます。そのため、定期的に追肥をすることはとても大切です。追肥をするタイミングは3段、5段、7段・・・というように奇数段の花の開いた時を目安とします。

トマトのコンパニオンプランツ

マリーゴールド

トマトによく発生するアブラムシはマリーゴールドの香りを嫌がるとされています。忌避効果があるので株間などの隙間に植えておいてもよいでしょう。

ニラ

トマトの病害に萎黄病がありますが、ニラの根には萎黄病の拮抗菌が存在するため、拮抗菌の効果により萎黄病対策が期待できます。この時、トマトとニラの根を可能な限り近づけて植えることがポイントです。

トマト栽培におすすめの資材

トマト用LED電球

トマトの生育に必要な波長を含んだLEDチップが搭載されたLED電球です。圃場環境やご予算にあわせて20Wと40Wをご用意しております。夕方から夜間にかけて点灯すること(推奨は一晩中点灯)で太陽光の補光となりトマトが光合成をしやすい環境を作り出します。梅雨時期や天候不順等による曇天時の日照不足を改善する効果が期待できます。

 

 

『トマト用LED電球20W』の設置イメージ

トマトの草丈が地表から2m未満の場合 各通路に対して設置間隔1.0m~2.0mに1球を設置することを推奨
トマトの草丈が地表から2m以上の場合 各通路に対して設置間隔1.0mに1球を斜めから照射するように設置することを推奨

モーターフォグ

ビニールハウス内でご使用いただく噴霧器です。モーターの力を利用し細かい霧状の薬液を空気中に噴霧することで、トマトの葉へ葉面散布剤といった液体肥料を供給することができます。栃木県のトマト生産者様では2,000㎡のビニールハウスにて循環扇の位置を工夫しながら100Vタイプをご利用いただいています。作物の基礎体力を向上させ、曇天続きでもリカバリー力がアップし、農薬に依存しすぎない病害虫に強い作物になることが期待できると嬉しい声をいただいています。

トマト栽培を楽しみましょう

夏野菜であるトマトは様々な品種が存在するので、栽培にトライするには楽しみな野菜ではないでしょうか。育て方をマスターして美味しいトマトを収穫しましょう。本コラムがお役に立てたならば幸いです。

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コラム著者

満岡 雄

農学部出身。セイコーエコロジアの技術営業。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。趣味は食べ歩きとビカクシダの栽培。定期的にTwitterとyoutubeを更新していますのでぜひご覧ください。

 

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