コラム
ビニールハウス栽培におすすめの換気扇「空動扇」の特徴とメリット
2020.07.21

ビニールハウス栽培におすすめの換気扇「空動扇」の特徴とメリット

農業用のビニールハウスの換気方法には主に天窓換気装置・側窓(サイド)巻上換気装置・妻面換気装置の3つがあり、それら複数を導入して効率よく換気をされている方が多いのではないでしょうか。今回はそれら3つの換気扇に匹敵する4つ目の換気扇「空動扇&空動扇SOLAR」の特徴とメリットに関して詳しく記載していきたいと思います。

ビニールハウス栽培のメリットと換気における課題

農業においてビニールハウスは雨や風から作物を守り、天候に左右されず外気と温度差のある空間を作り出せることから長期間にわたり作物を栽培できる便利な施設です。その一方で日差しの影響を受けやすく空気も循環しにくくなり、季節や時間によって変化しやすい環境に対応をする必要があります。ハウス内は空気の抜け道が少なく、換気循環がスムーズに行われないと病害虫が発生し収穫量が減少してしまいます。特に夏場はビニールハウス内の温度が上昇することにより、作物に高温障害が発生し、作業者には熱中症がおきる可能性もあります。農家さんにとってビニールハウス栽培の温度および湿気の管理は大変重要です。

ビニールハウス栽培での換気方法

ビニールハウスは気温が低い時に太陽エネルギーを蓄えて作物が健全に育成する温度環境を整えることが基本です。夏場に太陽エネルギーが強くなるとどうしても熱気がたまり湿度も上昇するため、換気がとても重要となります。換気方法はいくつかの方法があり、植物の育成範囲周辺の気温を下げる目的で行われます。換気の種類をご説明いたします。

●側窓(サイド)巻上換気装置

ビニールハウス栽培で最も導入されている方法です。コスト的にも安価で仕組みもシンプルなため故障が少なくメンテナンスも容易に行うことが出来ます。ハウス側面にビニールを巻き上げたり、引き下げたりする装置を設置し、手動でビニールの上げ下げを行うことで空気の通り道を作り、換気を行います。最近では電動で駆動するタイプもあり、時間を指定すると毎日同じ時間に動いて換気をしてくれます。サイド巻上換気の弱点は、開口部より上の空気が抜けにくく、ビニールハウス上部に熱だまりが出来て上部と下部の温度ムラが発生することです。肩部まで開口部を広くとって換気効率を重視した装置もありますが、天井部分の熱気を完全に取り去ることは難しいといわれています。

●天窓換気装置

熱だまりを作りたくない方はぜひ検討してください。ビニールハウスの妻面上部や、天井部分に換気用の窓を設けるもので、効率よくハウス外へ熱気を逃がすことができます。サイド巻上換気と併用することでさらに換気効率は良くなります。

●換気扇

ビニールハウスの妻面などに換気扇を取り付けて換気を行います。電動で動くものや、無動力(自然の空気の流れを利用して、換気扇を動かす)のものがあります。奥行きが長いビニールハウスの場合、循環扇で空気の流れを作り妻面の換気扇で強制排気する方法もあります。換気窓・天窓と組み合わせ、温湿度センサーで制御を行う自動換気システムも構築可能です。コストはかかりますが、高付加価値な施設栽培を目指す時はご検討ください。

ビニールハウス栽培に有用な無動力全自動換気扇「空動扇

単棟のビニールハウスを低コストで建設しようとする場合、サイド巻上換気のみ採用することが多いのではないでしょうか。その場合、冬場は特に気にならなくても、夏場になって換気が必要になることがあります。しかし、換気を強化するために機能を追加するには、コストがかかり農業経営の負担となります。比較的低コストで導入でき簡単に設置可能な無動力全自動換気扇空動扇をご紹介致します。

●空動扇とは

韓国で開発され生産されている農事用の換気扇です(ソーラー部分は日本製です)。

●空動扇のしくみ

自然の風とハウス内対流現象で上部のファンが回転し(ソーラータイプは太陽光でも稼働)ハウス内部の空気を外に排出してくれます。電源が必要ないため、新たに電気配線を引く必要もありません。ファンの軸部分にベアリングが内蔵されていて弱い風でも滑らかにくるくると回り排熱します。モーターがなく音も大変静かです。

しくみはとてもシンプルでローテク。温度に応じて温度調節機に内蔵された形状記憶スプリングが膨張または収縮して内部の換気弁が自動で開閉し開閉の程度により換気する空気量が決まるように開発されています。

●空動扇設置のメリット

ビニールハウスの換気には天窓換気装置・側窓(サイド)巻上換気装置・妻面換気装置・電動換気扇・送風機などがありますが、高額なものが多く、電気配線を新たに引き込む場合はコストが余計にかかってしまいます。空動扇は無電源で既存のハウスにも簡単に設置ができ設置後のメンテナンスもほぼ不要でランニングコストもかかりません。お値段は空動扇が1機18,000円、空動扇SOLARが1機46,000円です。一般的な農業資材よりも比較的安いことが分かるかと思います。

シンプルな構造で故障しにくく耐久性は抜群(10年前後壊れずに使用している農家さんもいるとのこと)というのは農家さんにとって嬉しいですよね。換気を円滑に行うことで樹勢が良くなり、急激な気候変化にも全自動で換気をしてくれて病害虫の発生防止効果が期待できます。

ハウス内の環境改善以外にも優れた機能があります。台風や強風によるビニールハウスの被害は農家さんにとって大きな痛手ですが、空動扇はハウスの浮き立ちを防ぎ裂傷・倒壊・破損といったリスクも軽減してくれます。上部のファンが最大で毎分1300回転しハウス内の空気を素早く外へ放出。ハウス内の気圧がさがりビニールとパイプが強く密着することで風の影響を受けにくくなります。無電源で動くため停電時に機能しなくなる心配もありません。

●空動扇 実際の使い心地は?

空動扇をネギの育苗でご利用いただいている農家さん(埼玉県深谷市)で通常のハウスと空動扇を設置したハウスとの温度比較をおこないました。温度が上がり始める11時から16時の間は特に差が大きく(最大で4℃)環境の改善が見られました。ネギの発芽適温は18~22℃で高温(30℃以上)だと発芽不良になりやすいという特徴があります。以前は夏場に育苗をする際はハウス内が高温になってしまう為、対策として苗をパイプハウスから露地に移動し潅水していましたが、導入後はパイプハウス内の温度上昇を抑えることが出来たので移動が不要になり作業が効率化。また作業員がハウス内で快適に作業ができるという熱中症対策としてのメリットもあります。農家さんからは「空動扇のおかげで大変助かっている」との嬉しいお声をいただきました。

>>インタビュー記事はこちらからご覧いただけます

●空動扇の取り付け方法

空動扇の設置はとても簡単です。まずは組み立て説明書をご参考に一体形に組み立ててください。続いて写真の通り、コンパスカッターでビニールハウスに15cmの穴を開けて空動扇本体を差し込み、屋根方向に突き上げ、クロス金具と補助パイプで固定するだけです(せっかく貼ったビニールに穴を開けることは勇気がいりますが、開けた部分から雨水が侵入することはほぼありませんので、思い切って開けてしまって大丈夫です)。設置時間は1機あたり30分以内です。10~15坪に1台を目安にご設置ください。

<取付にあたっての注意点>
※1 ビニールハウスに使用されているビニールの材質は一般的なPO(ポリオレフィン)であることが原則です。ポリ塩化ビニールなどの素材を適用しますと収縮性や強度的な問題によりビニールを破損・損傷するおそれがあります。
※2 既存のビニールハウスに設置の場合は、ビニール設置後およそ2年以上経過したビニールへの適用はお避け下さい。
※3 ガラスハウスへの設置はできません。またエフクリーンなどのフィルムへの設置はおすすめしておりません。

●空動扇と空動扇SOLARの違い

目安として空動扇は10坪あたり1機、空動扇SOLARは15坪あたり1機の設置をおすすめしております。なお設置を検討されている場所が「風が吹かない時間帯がある場合」や「より温湿度の低下を期待したい場合」は空動扇SOLARの設置をしていただくことでより換気がアップし効果が発揮されます。

●冬場の空動扇の管理

空動扇は冬場も取り外さずにそのままにします。温度調節機のネジを回して換気弁を閉じた状態にすることで暖房した熱を外に逃がさないようにします。より暖房効率を気にされる方は空動扇の開口部にビニールのカバーをかけて熱の漏れをガードすると良いでしょう。

空動扇&空動扇SOLARで農業環境の快適化を

空動扇は最先端技術ではありませんが省コスト&ローテク(Low Technology)を活用した環境負荷の少ない農業資材です。最近では農業の垣根を越えて園芸やガーデニングなどの小型ハウスに導入されるケースも増えてきました。空動扇を導入して作物の生育環境を整えてみてはいかがでしょうか。ご不明点ありましたらお気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせくださいますようお願い致します。

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