『ナノバブル』はその名前の通り、ナノサイズの気泡のことです。あまり馴染みの少ない単語かもしれませんが、近年この気泡が様々な業界で注目されています。工業分野では機械の洗浄、水産業界では水の水質浄化、農業分野では作物の生育促進といった効果が報告されており、各業界で研究が進んでいます。今回はそんなナノバブルを農業に取り入れるメリットに関して、導入事例を交えながら記載していきたいと思います。
農業でナノバブルを利用するメリット
●ナノバブルとは?
通常のバブル(泡)は直径50μm以上、マイクロバブルは直径0.5μm~50μmです。直径0.1μm~100nm以下の気泡を“ナノバブル”または“ウルトラファインバブル”と呼びます。ナノバブルは数カ月もの間、水中で弾けない(長期残存)という性質や、表面はマイナス電荷を帯びるという性質を持ちます。
●ナノバブルを農業に利用するメリット
1.栄養素の集積
農業では作物の生育促進にとても大切な元肥や液肥といった肥料を使用します。その中に含まれる「Mg」「Na」「Fe」「Ca」といった肥料(栄養素)はプラスの電荷を帯びる性質があり、ナノバブルの表面はマイナスの電荷を帯びていますので、それらの栄養素を集積します。
2.植物細胞への浸透
ナノバブルは直径0.1μm~100nm以下で植物細胞の直径10.000
100.000 nmよりも非常に小さいので、植物細胞へ浸透(吸収)されます。
3.栄養素の運搬
ナノバブルの表面はマイナスに電荷を帯びています。そのため、プラスに電荷を帯びている栄養素を引き付けます。その結果により多くの栄養素を植物細胞へ届けることで細胞が活性化されて丈夫で元気な植物が育つと考えられています。
4.気体の運搬
農業における灌水は、ポンプを使用して地下からくみ上げる井戸水を使用していることが多く、含まれる酸素量が低いことがほとんどです。そのためナノバブルの中に気体である「空気」や「酸素」入れることによって植物細胞へ届けることができます。まだ研究段階ではありますが、ナノバブルの中に入れる気体を変えることにより、その気体が持つ効果を植物へ還元できる可能性があります。うどんこ病の対策としてオゾンをナノバブルの中に入れて利用している例もあるようです。
5.植物の健全な育成
1~4のはたらきにより、植物の根や樹勢が元気になります。その結果、病害虫に強くなり、収穫量や品質が向上します。植物の健全な育成に効果を発揮します。
関連するコラムはこちら
ナノバブルを農業に利用した事例
茨城県鉾田市周辺でハウス栽培を行われている多数のイチゴ農家様にナノバブル植物活性水根活をご使用いただきご好評をいただいております。給水と製造を完全自動化で省力化できるナノバブル水製造装置が人気です。
●鎌田充貴様(イチゴ農家:茨城県鉾田市)
*導入後の印象
最初2年間は根活段ボール(K-20L)を使用していました。1年目は「こんな水みたいなものが効くのだろうか・・・」という不安があり、また効果もあまり感じられなかったのですが、2年目くらいから「以前より良くなっているかもしれない」と効果を感じ始めました。ナノバブルを使用している生産者の中には「収量は増加するが食味が悪くなる」という人もいますが、食味が悪くなったとの印象は全くなく、収量の面でも使用前に比べて全体的に良くなっています。根活をいちごに与えれば与えるほど効果が出るイメージがあります。極端な話、毎日1反に10L使っていますが、使えば使うほど効果は出ると実感しています。3年間根活を使用してきて「誰に勧めても間違いない」「損はさせない」という自信を持てるくらいになっています。
*導入によって得られた効果と感想
・収量増加
・チップバーンの減少
・農薬コストの減少
・育苗時の苗が強い
・定植後の初期成育が良い
・機械(ナノバブル水製造装置)が壊れない
・肥料の吸いが良くなるので葉面散布におすすめ
●池田博則様(イチゴ農家:茨城県鉾田市)
*導入によって得られた効果
・花なりや肥料の吸収が良い
・なり疲れが減少
・ランナーの出が良い
●鎌田悟志様(イチゴ農家:茨城県鉾田市)
*導入によって得られた効果
・枯れる株が今年は一本も出ない
・ダニの発生の減少
・ランナーの出が良い
関連するコラムはこちら
農業の生産性を高めるナノバブル植物活性水「根活」&「ナノバブル水製造装置」
ナノバブル植物活性水「根活」は、空気ナノバブルを混用させた植物活性水です。私たちが普段なにげなく取り込んでいる“空気”を使用しているので安心・安全です。施設栽培・露地栽培・水耕栽培・土耕栽培・家庭菜園に至るまであらゆるシーンでお使いいただけます。灌水や液肥に希釈してご使用いただくことで植物の健全な育成に効果を発揮します。葉面散布にもおすすめです。イチゴ・トマト・キュウリ・オリーブ・レタス等の多くの作物で使用されている実績があります。
ナノバブル水製造装置は製造可能容量に応じて50L・100L・200L・300Lの4種類を用意しております。機械を12時間稼働させることで高濃度のナノバブル水を製造できます。毎日たっぷりと使用できるのでとても経済的です。特にイチゴ農家様には大変ご好評をいただいております。
*商品特徴
・安心安全な空気ナノバブル
ナノサイズの気泡の中に空気を閉じ込めたナノバブルなので安心・安全です。
・高濃度のナノバブル水
二相流高速旋回方式にてタンク内の水を循環し、12時間製造機を稼働させることによって高濃度のナノバブル水が製造できます。希釈してご使用ください。
・気軽にトライ
作付面積の少ない方やお試しで使ってみたいという生産者様に20Lの箱入りタイプをご用意しております。
*実績
・イチゴに多数の実績あり
イチゴ農家様には育苗期~収穫期までのシーズンを通して常時使うことができるので、ご好評をいただいております。特に神奈川県平塚市周辺や茨城県鉾田市周辺では部会や仲間内の口コミで話題となっており、これらの地域で20機のナノバブル水製造装置を納品いたしました。
実際のお客様の声はこちら▶
・本当に良いいちごの苗ができます!ナノバブル水製造装置の効果を実感|すぎやまいちご園
・チップバーンが1/3程度まで減りました!ナノバブル水製造装置の効果を実感|鎌田充貴さん
*使用方法(イチゴ栽培)
20リットル箱入りタイプ
■養液栽培:3L/毎日 もしくは 20L/7日毎
■土耕栽培:20L/7~10日毎
ナノバブル水製造装置
■養液栽培:10~30L/毎日
■土耕栽培:20~50L/3~7日毎
ナノバブルを有効活用し安定した作物の生産をしていきましょう
ナノバブルを農業に利用することで、大切な作物をより健全に育成することができます。農業は加温機・二酸化炭素施用機・環境制御・耕耘機など、さまざまな設備が必要となりますが、新たな設備投資の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。農業用にナノバブルの発生装置を開発し販売している会社はたくさんありますが、実績のある会社を選ぶことが大切です。
コラム著者
満岡 雄
2012年に玉川大学農学部生物資源学科を卒業。種苗会社を経てセイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。好きなことは食べること、植物栽培、アコースティックギター。Xを更新していますのでぜひご覧ください。