コラム
センチュウ(線虫)とは?作物への被害の特徴と予防・駆除方法
2020.04.04

センチュウ(線虫)とは?作物への被害の特徴と予防・駆除方法

センチュウは線形動物の仲間で、多くの種類は土の中や海の中に存在し他の生物に寄生しない生活を送っている物が大半だといわれています。一部に動植物に寄生する種類がいて、回虫や鞭虫などがよく知られています。植物寄生性線虫は肉眼で観察することが難しいほど小さく、植物では根に寄生し成長を妨げます。他の有害な虫に比べて目に見えないため注意しにくいのですが、作物に寄生されてしまうと加害する範囲は広くダメージは大きくなってしまいます。

センチュウの基礎知識

センチュウの研究は、動植物に被害を及ぼすものを中心に研究が進み、今では土中から海洋までの様々な場所から発見されています。センチュウの仲間は50万種とも1億種類以上ともいわれます。もしかしたら生態系の重要な一角を担っているのかもしれません。

●センチュウ(線虫)とは?

植物につくセンチュウは、細長い糸状の体で体節構造がありません。ミミズに似た体をしていますが、ミミズの体にある節の繰り返し構造のようなものはセンチュウには確認できません。体の大きさは、体長0.3㎜~1㎜程度と小さく、基本的に無色透明で(動物に寄生する回虫は数十センチと大きいものもいます)発見されにくいです。さまざまな場所で仲間の生息が報告されていますので、環境に対応する適応能力が強く一度その土壌に定着すると、次々に子孫を繁栄させ、被害が容易に拡大していくことが予想されます。

農業で被害を及ぼすセンチュウはネグサレセンチュウ・ネコブセンチュウ・シストセンチュウなどがあり、これ以外にも弱った松に取りつくマツノザイセンチュウや、桜根こぶを発生させるセンチュウなど、日本国内では11種類ぐらいに分類され報告されています。

センチュウの多くは、さまざまな植物に寄生できる性質が報告されています。例えばネグサレセンチュウは、根の組織内で産卵を行い、幼虫は孵化後根の中で養分を吸いながら移動し、根が弱ったり枯れたりして生息環境が悪化すると、その根からいったん出て次の寄生先を見つけ移動します。移動先の植物は同じ種類である必要は無く野菜から花卉へ、又はモモヤサクラへの移動もできるようです。多湿な土壌を好み、地温が10度以上になると活動を活発化させ卵は15度以上で孵化します。

●センチュウによる主な被害

被害の症状はセンチュウの種類により異なり特徴があります。センチュウはさまざまな種類がいますが、作物へ被害が大きいセンチュウとしてはネグサレセンチュウ・ネコブセンチュウ・シストセンチュウが有名です。センチュウの被害にあった植物はセンチュウが口から出した汁液の影響で、咬まれたところが刺激され変形する症状が出ることが多いようです。

・ネグサレセンチュウ
ほとんどを土中で生活をしていて、土壌温度と湿度により活動条件が左右されます。高温多湿になると活発になり、地温15度ぐらいから活動を始め1世代25~35日とされています。産卵は根の組織内で行い、孵化した幼虫が養分を求め根の中を移動することにより、根が弱ったり腐ったりしていきます。生育条件が悪くなると、次の寄生主を求め出ていきます。圃場内で起こると同一作物が密集していますから次々と広がっていきます。

・ネコブセンチュウ
卵や成虫・幼虫いずれでも越冬することができ、地温10度くらいになると活動を開始します。1世代の長さはネグサレセンチュウより若干短く夏で25~30日といわれています。卵は15度以上で孵化が始まり、孵化した幼虫は土中を移動し根の生長点付近から侵入定着し、口からある種の汁液を出しこぶを作ります。

・シストセンチュウ
卵や幼生が、厚い膜を覆って休眠状態になった時を指します。センチュウは雌が卵を持って死に、自身の体表が硬くなって卵を包む膜となります(この状態をシストと呼ぶ)。このような状態で土中に潜み越冬し、孵化した幼虫は土中を移動し根に到達すると根の中に入り成長します。3回の脱皮を経て成虫になった雌は頭部を根に入れてぶら下がり、雄は土壌中を自由に行動します。シストは厚い殻に覆われているため環境変化に強く薬剤が届きにくいようです。そのため農薬を施しても効果が出にくいといわれています。

センチュウ被害の予防・駆除方法

センチュウは動植物に被害を与えないものが大半で、圃場の中では良いセンチュウと悪いセンチュウのせめぎあいがあり、このバランスを保っておくことが重要だと思います。

センチュウの種類は約50万種ともいわれ、生息域は土中から海底まで広範に存在しています。悪い影響を植物に与えるセンチュウは詳しく研究され、加害するセンチュウが増える原因は、研究が進むにつれてだんだんとわかってきました。害をなさない有用なセンチュウはまだまだ分からないことの方が多いといわれています。

予防方法

・連作をやめる
連作することは「子孫を増やすことが出来る環境」をセンチュウに提供していることになります。特定のセンチュウがなわばりを確保しやすくなり繁殖に拍車がかかってしまうようです。この環境で連作を続けるとセンチュウの繁栄をさらに助けるだけになり、被害は拡大し生産量が激減し収益が落ちてしまいます。

センチュウによっては幅広い作物に適応するものもいますが、特定のセンチュウを増やさないために、色々な作物を作ることが大切です。被害を起こしているセンチュウの種類は、圃場の土壌を検査することでわかる場合があります。ベルマン法や最近では新型コロナウイルス検査で有名になったPCR法で検査をしているところもあるようです。センチュウの種類を確認し、被害状況を踏まえて育てる作物を変えましょう。圃場の改善検討を行い、特定のセンチュウ密度を下げることが大事です。

・天敵(抵抗性植物)を活用する
植物の中にはセンチュウに対抗するため繁殖を抑制する化学的物質を持っている種があり、これを栽培することで繁殖を抑制することができるといわれています。マリーゴールド・落花生・麦・クロタラリア・ギニアグラスなどです。マリーゴールドは特にフレンチマリーゴールドが有効で、育てるだけでも効果が期待できますが、花が咲き終わったら花ごと刻んで緑肥にすると良いといわれています。

●駆除方法

・土壌消毒を行う
熱消毒は有効な手段だといわれています。圃場を灌水し水田化するとさらに死滅が早まるとの報告もあります。気温が高い夏に行うと効果がでやすいようですので、透明なマルチシートを土にかぶせて20~30日程度放置するのが良いでしょう。

・農薬(殺線虫剤)を使用する
薬剤を土壌に混ぜる方法です。センチュウ専用の薬剤もありますが、センチュウは土中深くても存在できるため薬剤の効果が及ばないことがあります。熱消毒・及び薬剤処理は対処療法で根本的に駆除は難しいといわれています。センチュウの行動には硝酸カリウムの影響が見られ、濃度勾配の変化が影響を与えているらしいと報告されています。さらに研究が進み新しい防除方法が発見されるかもしれません。興味のある方は以下のサイトをご覧ください。

平成27年8月4日付 科学技術振興機構(JST)及び 名古屋大学名で発表の論文記事
土壌を模したミクロな人工空間でセンチュウの生態を解明~小さな虫が食糧・環境問題の解決に貢献~

センチュウ対策に効果的な土壌改良資材地力の素

そこで皆様へおすすめしたいものが地力の素です。カナディアンロッキー山脈の東麓に位置するアルバータ州から発見された天然鉱物「カナディアンフミン」を原料としており、フミン酸・フルボ酸などの腐食物質が高度に濃縮されています。この地力の素を土づくりに使うことでセンチュウが発生しにくい環境をつくります。地力の素に多く含まれるフルボ酸は、土壌を本来の生息環境に近づける効果があり、微生物が増えてセンチュウを退治するといわれています。

音がほとんどせず煙と臭いが出ないくん炭装置スミちゃん

スミちゃんは籾殻を24時間自動で連続炭化することができる装置です。お米の脱穀によって生じたもみ殻を450~550℃程度の高温で燃焼して炭化させます。音がほとんどせず煙と臭いが出ないので近隣に住宅があっても気にせず運転ができ、火災の心配もありません。できた籾殻くん炭は露地栽培やハウス栽培の土壌環境を改善したり、畜産におけるニオイや虫の発生を抑止したりする資材として活用できます。センチュウの発生しづらい健康的な土壌環境をつくることができます。

有効な予防でセンチュウ被害を減らしましょう

センチュウは一度発生してしまうと駆除が難しい害虫ですから、事前の予防がとても大事です。病害虫防除のためには連作を避け土壌改良を行い、良いバランスで土の環境を整えておく必要があります。センチュウの被害を減らし大切に育てた農作物を守ることが収量の減少を防ぐことにつながります。

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