コラム
土壌微生物を増やすには?作物が育ちやすい環境づくりで収穫量向上
公開日2020.04.30
更新日2021.03.11

土壌微生物を増やすには?作物が育ちやすい環境づくりで収穫量向上を

作物を育てる際に圃場へ施肥をして栄養を与えますが、人が施肥をしない森林でも植物はすくすくと育っています。これは土壌にはさまざまな生物や微生物が生息していることが大きく関係し、植物にとって必要な栄養素が自然の循環の仕組み(生態系)によって供給されているからです。植物は光合成により二酸化炭素を炭素と酸素に分解し、酸素は吐き出し残った炭素を自らの栄養として使います。動物は自ら光合成をして炭素を取り込めない為、植物の実や葉を食べることによって炭素を取り込み栄養にしています。やがて、それらの栄養素を使って生きた動植物は死骸となり、その死骸は土壌生物や土壌微生物が分解し栄養素として土に戻っていきます。

日本の農業は、規制の厳しいヨーロッパ諸国に比べて、化学肥料や農薬を使いすぎているとのデータもあります。これらを使いすぎると土壌微生物が生活できる環境が少なくなり土壌の力が落ちてしまうといわれています。土壌微生物が増殖し活躍することで、土は生きた土となり作物にも良い影響を与えると考えられています。今回のコラムは土壌微生物の役割をお伝えしていきたいと思います。

土壌微生物の基礎知識

土壌微生物はお互いに作用しあいながら土中に存在しています。場所や餌を取り合いながら拮抗する微生物や、共存体制で増減を繰り返しながらバランスを取っている微生物など、多様性豊かに生存しています。何らか要因でこの最適な体制が崩れてしまうと、土の栄養に偏りが出て作物が上手く育たないことがあるようです。多様性がなくなりバランスを失った土壌は病害が発生したり、生育不良をおこしやすくなったりしてしまいます。

●土壌微生物とは

土壌に住む微細な生物の総称です。土壌約1グラムあたりに約100~1000万もの土壌微生物が生息しているといわれています。大きさは2~3マイクロメートルから数ミリメートルまでさまざまです。バクテリアのような細菌・放線菌・糸状菌・藻類・原生動物などは土壌微生物に含まれます。ミミズやセンチュウといった比較的大きい生物は土壌生物というようにわけて考えられています。

●土壌微生物の役割

土壌微生物と土壌生物はお互いを利用または共生しながら動植物の死骸を有機物へ分解することで自然のサイクルを維持しています。例えばミミズは落葉などの有機物を食べ、そのミミズの糞などを土壌微生物が分解し、植物が吸収できる形である無機物に変えています。土壌微生物の生息する土壌では、養分を吸収している植物の根には大量の微生物が活動しているため、病原菌が入り込む場所がなく抵抗力を持ち病気にかかりにくい状態といえます。

●土壌微生物の増やし方

・堆肥を使用する
堆肥を使い土壌生物のエサになる有機物を増やせば、土壌微生物の食べ物も増えるため土壌微生物を増加させやすい環境になります。堆肥自体にも微生物が生息しているため、多様性のある土壌となり生態系のバランスがとれて病害が起りにくくなるといわれています。

・雑草と土を一緒に耕す
雑草の根にも土壌微生物が存在するため、雑草を刈り取ってしまうと、微生物ごと取り除くことになります。雑草を土と一緒に耕すと雑草を土壌生物が食べ、無機物が土中に増えれば土壌微生物も増加しやすくなります。

・輪作を行う
輪作は同じ圃場にさまざまな作物を栽培するため、根や残渣も多様的となり、それらを好む微生物の種類も多様化します。そのため病原菌との競合が生じやすく、病害の発症を抑えることができると考えられています。

近年では土壌専用のセンサーなどを用いて土の情報を定量的に見える化するという研究やビジネスも進んでおり、将来的にはこのようなデータや知見を活かしながら有用な微生物をコントロールして、良い土壌を維持することが当たり前になるかもしれません。このような技術を活かせば、経験や勘に頼ってきた部分を数値化でき、農業の経験や土地勘のない新規就農者にとってリスクを軽減しながら農業に従事することができるようになります。また土壌の状態から発生しやすい病害を事前に把握し、被害を予防することにもつながります。

土壌微生物を増やすことで得られるメリット

土壌微生物を増やすと作物の栽培にとっては色々なメリットがあります。野菜が病害にかかりにくくなったり、連作障害が起りにくくなるうえに、消費者のニーズに応えた作物作りができるといわれています。

●安全な作物の栽培を実現できる

日本では有機農作物の市場やニーズが拡大しています。日本における有機食品の市場規模は2009年度推定1,300億に対して、2017年度は推定1,850億に伸びています。食の安全のために化学肥料や農薬の含有率の低い安全な野菜の需要があることを示しており、有機農作物の安心感や安全性の付加価値は今後の農業で重要になると考えられています。微生物を利用した農法は、農薬に頼らずに土壌の改善を期待できます。土壌中の微生物を増やすと有機物の分解効率が上がり、化学肥料だけに頼らずに栄養分が不足しない豊富な土壌を作れます。微生物を利用した有機栽培の作物は色艶や味が違うという人もいるようです。

参考:http://www.maff.go.jp/primaff/koho/seminar/2019/attach/pdf/190726_01.pdf

●連作障害から植物を守れる

連作障害は土壌中の生物多様性の乱れが原因と考えられています。連作障害は同一の作物を同じ場所で繰り返し栽培することで起こりやすくなります。健康な土壌では植物の根の周り(根圏)を覆うように土壌微生物が生息しています。連作によって、その根や残渣を好む病原菌や微生物が増加することで、土壌微生物のバランスが崩れ、病原菌が植物を攻撃します。収穫後に残った根に付着した病原性微生物の休眠胞子が連作するたびに蓄積されていきます。土壌微生物を増やすことで病原菌と根の間に拮抗作用が生じ、病原菌の働きを抑えられます。土壌微生物が好む成分を投与すれば、微生物が増えて連作障害を抑える効果が期待できます。

土壌微生物を増やすためにおすすめな土壌改良資材「地力の素

地力の素は痩せた土壌を回復させる土壌改良資材です。地力の素に含まれるフルボ酸が供給されると、作物にとって有用な微生物が活性化します。微生物のバランスが良くなることで健全な土を取り戻します。病原菌の発生を抑えやすくなるといわれています。高純度な腐植質で肥料やミネラルの吸収を高め、なり疲れが起こりにくくなります。地力の素は水分を吸収し保持することができるため、土の粒をくっつける糊のような役割を担います。それにより空気が入る隙間を作り、保水性と排水性を兼ね備えたやわらかい土を作り出します。

フルボ酸は植物などの堆積有機物から生成される天然有機酸です。植物に必要なミネラルや微量要素をキレート化(吸収されにくい養分を吸収しやすくする)し、細胞内に届けるはたらきをします。また光合成を活性化し、窒素成分を効果的に葉や茎の組織に変えたり、根に働きかけて根量を増やします。一般的に農業において落ち葉や家畜の糞(馬糞・牛糞・豚糞・鶏糞)を混用し黒色になってできた堆肥を使用している場合が多いですが、その堆肥には腐植酸の含有量が少ないといわれています。

JAS規格の有機JASに登録されている資材ですので、有機栽培をして有機農産物を生産する生産者や法人の方もご利用できます(袋の表面に有機JASマークが表示されています)。

地力の素【細粒】20kg

地力の素【細粒】20kgだけで堆肥1トン分と同等の腐植質を含有しています。その為、堆肥と併用することで堆肥の投入量を削減しますので土づくりを省力化します。施用方法は基肥として作付前の圃場1000㎡あたりの土壌に2~4袋(40kg~80kg)を混和するだけです。フルボ酸と腐植質が土壌環境を長期間改善しますので、連作障害の防止や植物の生育環境の改善が期待できます。また育苗では培養土1Lに対して3~5gの混合がおすすめです。

地力の素【ペレット 】15kg

ペレットタイプの地力の素です。2~3袋でたい肥1トン分の効果があります。ペレットなので機械散布ができ、堆肥成分(有機炭素)も入っているオールインワン土壌改良材です。元肥一発肥料の土壌改良材版という位置づけですので大面積、露地向けの資材です。野菜・花き・果樹は10aあたり5~1o袋(75~150kg)、水稲は10aあたり3~5袋(45~75kg)、豆・麦類は10aあたり2~4袋(30~60kg)の使用をおすすめしています。

地力の素【 リキッド12 】1L,5L,20L

濃縮された腐植酸が入っている地力の素の液体タイプです。希釈して土壌へ流し込むことで、作中に衰えた地力を補うことができます。土壌潅注の場合は1,000倍で10~15日間隔での使用、点滴潅水・養液土耕の場合は3,000~5,000倍で随時での使用をおすすめします。葉面散布にも使うことができます。

phがアルカリ性ですので、酸性の資材と混ぜると沈殿が生じます。他の資材と混用する場合は本製品を1,000倍以上に希釈してから混ぜてください。

土壌微生物を増やし栄養たっぷりの土で作物を育てましょう

同じ地域の圃場でも作物の出来不出来がはっきりしているのは、土質や土壌環境が異なっていることが大きな要因と考えることもできます。土壌微生物の土壌中における拮抗と共存のバランスを適切に保つことが良い土壌の条件です。バランス良く土壌微生物が生息できる環境を整えることが大切ですね。土の管理をしっかりと行い作物が元気に育つ土壌を作っていくことが、品質の良い作物を生育することへ繋がっていきます。土壌微生物の力を上手く利用できれば、病害を防ぎながら肥料を削減することもできます。今回のコラムをお役立ていただけると幸いです。

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