コラム
トマト栽培で起こり得る高温障害とは? 収穫量を安定させるための対策
2019.04.16

トマト栽培で起こり得る高温障害とは? 収穫量を安定させるための対策

近年、様々な自然現象の影響を受け、夏場は35℃を超える猛暑日が多いようです。夏の高温期に日中の温度が高すぎる状況では、人間も熱中症や日射病といった症状を引き起こすように植物も高温が続くと障害を引き起こします。農家にとっては日照不足も困りますが、高温障害も収量を減らすことになる大きな問題です。植物は自ら移動ができないため、障害の起きない快適な環境を整えてあげることがトマトを順調に生長させるために重要です。今回は育苗から定植後にかけて起こりやすいトマトの高温障害と対策について考えていきたいと思います。

トマト栽培で起こり得る高温障害とは

●高温障害とは

成長中の作物が高温の環境に置かれた場合に起こる症状です。植物も人の体と一緒で一定以上の高温が続くと疲れてしまい生理障害が発生します。継続的な高温環境では、給水が蒸散に追いつかず乾燥し枯れやすなります。また蒸散を防ぐために気孔が閉じて、その影響で光合成が停止してしまいます。高温障害はトマトやイネのような品種の栽培時によく見られるといわれており、作物の種類によってさまざまな症状が現れます。一般的には夏に強いイメージがあるトマトやミニトマトも高温障害を受ける可能性が高く、落花(蕾、花が落ちる)・裂果(果実が割れる)・空洞果(果実の中に空洞ができる)・着色不良(色味が悪くなる)などの異常が発生した場合には高温障害の可能性が高いといえます。しかし生理障害は温度以外の要因で発生している可能性もありますので、株全体の他の要素も注意深く丁寧に確認するようにしましょう。例えば空洞果のような症状は低温や肥料過多の場合にも発症します。

トマトが高温障害になりやすい環境の一つに平均気温が25度以上の日が続くことが上げられます。トマトの成長に適した環境は20~30℃といわれていますが、適度な温度内でもやや高温の日が連日続くとトマトは疲れてしまいます。またトマトの苗は常に日光が当たる環境は適していませんので育苗中の日光にも注意が必要です。育苗中から高温にさらされていると、生長する過程で高温障害が出やすいといわれています。育苗中は茎枝が健康に育つことも大事ですが花芽の形成も同様に大切です。トマトは花房がつかなければ開花につながらず実もつかないためです(花がなければ受粉さえできません)。最初の着果がうまくできないと、生殖生長と栄養生長のバランスが悪くなり、その後の実付きが悪くなり収穫量が落ち減収につながります。

光合成に太陽の光は必要ですが、光の当たり方にも注意を払う必要があります。一部分に日光量が集中すると、部分的に高温障害が起こる場合もあります。太陽が昇り始める朝から昼にかけては、気候の変化が大きく、急激にビニールハウス内の温度が上昇すると葉が萎えてしまうことも。特に梅雨の時季は雨の日と晴れの日とでの温度変化が激しいため、障害が発生する可能性が高いといわれています。

●トマトに現れる高温障害の主な症状

成長が止まります。特に気温が40度以上になると生育が止まるおそれがあります。真夏日が続いてトマトの元気が急になくなり(樹勢が弱まる)着果率が低下する現象は、高温障害が出ている可能性が高いです。苗が枯れる・着果率や花粉の粘性が下がる・奇形果になる・裂果になるといった様々な症状が表れます。高温だけでなく、湿度の急激な変化も裂果の原因になるといわれています。

トマトの高温障害の対策方法

●ビニールハウス内を換気する

密閉状態のビニールハウスは、日射により高温多湿になりやすいので適度に換気して温度・湿度を下げる ことが重要です。天窓換気装置・妻面換気装置・循環扇を設置するのも効果的です。換気を行いビニールハウス内の温度を調節することで農作業者が熱中症になるリスクを下げる効果もあります。

●日光量を調整する

作物に降り注ぐ日光量に偏りがないかチェックして、日光量が部分的に多い場合は遮光カーテン・遮光ネット・遮熱シートなどの資材で調整するようにしましょう。ただし、成長に必要な日光量を下回らないように注意してください。

●樹勢をコントロールする

枝葉の状態や根の伸長が良好な状態になるよう手入れを行いましょう。栄養の吸収のためにもトマトの樹勢が常に良好になるように状態を整えることが大切です。トマトの脇芽を放置してしまうと脇芽を伸ばすことに栄養を使ってしまいます。また葉が茂りすぎて日当たりや風通しが悪くなり、病害虫発生の原因にもなりますので定期的に脇芽かきを行うことが大切です。小さいうちに手で摘み取ると良いでしょう。
適度に水やりを行ったり液肥で追肥をするのも効果が見込めます。快晴前には徐々に潅水量を増やし急激な温度変化を避けることで樹勢が良くなります。樹勢が良くなれば水分や養分を苗全体に促進しやすくなり高温障害の発生を抑えることができます。

トマトの高温障害対策に役立つ空動扇

高温障害対策として有効なのが無動力全自動換気扇「空動扇」です。設定温度に応じてオートマチックに換気しますので、手動による窓の開閉作業から解放され、節約できた時間を他の作業に充てることができます。急な温度上昇にも自動でゆるやかに作動するためトマトを温度障害から守ります。

ビニールハウス内の温度に応じて、空動扇の温度調節器に内蔵された形状記憶スプリングが膨張または収縮するしくみにより、内部の換気弁が自動で開閉します。弁の開閉の程度により換気する空気量が決まり、弁が閉じた状態では換気は停止します。温度調節は0℃から40℃の範囲で設定ができますので、トマトの栽培に適切な温度に設定してお使いいただけます。さらに空動扇は無電源で動作するのでエコなうえランニングコストはゼロです。

ビニールハウスの換気を行うものは、天窓換気装置・妻面換気装置・循環扇などがありますが、高額なものが多く、電気配線を新たに引き込む場合はコストが余計にかかってしまいます。空動扇は無動力で既存のハウスにも簡単に設置ができ、導入後のメンテナンスもほとんど必要がありません。

換気を円滑に行い温度や湿度を適切に保つことでトマトの樹勢が良くなります。急激な気候の変化や人手不足により、適切な環境を保持するのは大変な作業ですが空動扇は設定温度に応じて自動で換気をしてくれますので、天候の変化に対応が遅れ作物を傷めてしまう可能性が少なくなります。ビニールハウスのサイド巻上部分から新しい空気が入り、天頂部から排出されるルートができるためハウス全体を換気することができます。温度および湿度の上昇を抑えることから、夏場に問題となる農作業中の熱中症の予防にもつながります。

空動扇を使用してトマトに快適な環境を整える

トマトを高温から守るためには温度管理は欠かせません。こまめな換気を行い温度や湿度のケアをしてあげることが高温対策の非常に重要な要素の一つです。密閉状態で管理をしていると晴れた日には一瞬でビニールハウス内の温度が上昇してしまいます。ハウスの数が多ければ多いほど手動での対応は難しくなってしまいますので、手間暇をかけず早めに自動で換気してくれる空動扇を利用して、トマトが快適に育つ環境を整えてあげましょう。

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