コラム
ビニールハウス栽培における害虫とは| 駆除のポイント
2020.08.24

ビニールハウス栽培における害虫とは| 駆除のポイント

ビニールハウス栽培においてやっかいなものといえば「害虫」ではないでしょうか。丹精こめて作った農作物にとりつき、根・茎・葉・実に被害を与えることでウイルス病を媒介したり、植物体を弱らせ、収穫量を減少させ、商品価値を低下させてしまう原因となります。今回のコラムではビニールハウス栽培で発生する害虫にスポットを当てて、駆除のポイントを詳しく記載していきたいと思います。

ビニールハウス栽培における害虫の種類

ビニールハウス栽培で主に被害をもたらす害虫に関して以下に記載していきます。

●アブラムシ

植物に取り付き師管液を吸う害虫です。植物を弱らせることもそうですがウイルス病を媒介することがやっかいな点です。単為生殖でも増えるのが特徴です。

●ヨトウムシ

ヨトウガの幼虫で植物の葉・茎・花を食害する害虫です。ヨトウムシは夜行性のため「夜盗虫」と呼ばれています。

●ハダニ

主にいちごなどの葉裏に取り付き葉の汁を吸う害虫です。繁殖力が強く、大発生しやすいのが特徴です。

●アザミウマ

葉・花・果実を吸汁する害虫です。世界で5,000種ほども確認されているようです。雑草や残渣が発生源となり繁殖・発生します。

●センチュウ(線虫)

主に植物の根に寄生して養分を吸う害虫です。寄生された根は無数のコブができます。連作障害の一つといわれています。

●キノコバエ

幼虫は朽木の腐った部分を食べるので椎茸等の菌床栽培における害虫です。近年では愛知県の一部で大量発生しているようです。

●コナジラミ

主にトマトやキュウリなどの葉裏に取り付いて吸汁する害虫です。吸汁によって葉を枯死させたりウイルス病を媒介します。

●コガネムシ

植物の根や葉を食害する害虫です。特に幼虫は根を食い荒らし、気づいた時には枯死する原因となることもあります。

ビニールハウス栽培における害虫の侵入経路

●天窓・側窓・妻窓

主に温湿度を調整する為に開放しますが、その開口部から侵入したり、開放時に風で流されてきた害虫が侵入します。

●ビニールハウスの出入り口

農作業等で出入りする際に侵入するほか、人の靴や服に付着して侵入します。

●換気扇

外部の空気を取り入れる換気扇を設置している場合、換気扇から侵入することがあります。

●苗の移植時(定植時)

種苗店等で購入した苗を使用する場合、害虫が育苗時にとりついたまま本圃へ持ち込んでしまうことがあります。

害虫の駆除方法

●蒸し込み処理をする

夏の暑さを利用して、ハウス内にいる害虫を駆除する方法です。太陽熱消毒や熱処理ともいわれています。アザミウマ、ハモグリバエ、コナジラミなどが駆除できますがハダニ類は高温に強いためあまり効果が得られないようです。ハウスを完全に閉めきって40℃以上にし、10日間前後連続で蒸し込みましょう。蒸し込み処理中はハウス内が高温になるので、農業機械等が変形したり故障したりすることがあります。なるべく外に避難させましょう。

蒸し込み処理は土壌の表面や空気中にいる病原菌にも殺菌効果があることがメリットです。ただし土中の病原菌に対する効果は期待できませんのでご注意ください。

●殺虫剤を散布する

大量に発生してしまった場合はこの方法が最も効果的です。葉裏などの害虫の住処にしっかりとかかるように殺虫剤を散布することが大切です。なお根や葉から吸収された成分が植物内を移行することによって、植物全体が殺虫効果を持つ浸透移行性の殺虫剤もあります。同じ薬剤を連続して使用してしまうと害虫の抵抗性が発現しやすくなるのでご注意ください。

●天敵昆虫を導入する

害虫の天敵になる昆虫を導入することです。最近ではIPMという言葉が浸透し、さまざまな種類の天敵昆虫が販売されるようになりました。比較的金額が高いですが、うまく使用すれば農作物の被害をかなり抑えることができます。圃場の広さや温度や導入するタイミングによって効果が大きく変わるようです。また使用する農薬によって天敵昆虫が死んでしまうこともありますので、ご使用の際は各製造元へご確認をおすすめします。

●手で補殺する

手で捕る(通称:テデトール)ことです。大量発生してしまうと手に負えませんが、小規模の家庭菜園や初期発生の時には有効な手段です。アブラムシは粘着テープを使用したり、蛾の幼虫はピンセット等で捕獲します。素手で触ると危険な害虫もいますので手袋などをして作業しましょう。

●開口部に防虫ネットをつける

側窓や出入口の開口部に防虫ネットをつけることで害虫の侵入を抑制します。網目が細かければ細かいほど害虫の侵入を抑えることができます。網目を細かくすればするほど通風しづらくなりますのでご注意ください。

ビニールハウス栽培における害虫に役立つ資材

スマートキャッチャー

スマートキャッチャーは吸引式LED捕虫器です。LEDの光でコナジラミ類・アザミウマ類・キノコバエ類・ハモグリバエ類・ヤガ類などの飛翔害虫を誘引し、強力吸引ファンで専用捕虫袋に捕獲します。栽培初期に設置することでコナジラミ類の増殖を抑制。吸汁被害を減少させるのはもちろんのこと、農薬の散布回数の減少効果も期待できます。推奨設置数は500㎡に1台です。価格は1台あたり¥25,000ですので低コストで害虫対策ができます。

コナジラミキャッチャー&アザミウマキャッチャー

・コナジラミキャッチャー
活性式予察捕虫器コナジラミキャッチャーはビニールハウス向けの予察捕虫器です。特殊誘引剤の匂いと粘着シートの色によってコナジラミを誘引し捕虫します。付着した害虫の種類や数を農薬散布の目安とすることで害虫被害の早期発見と早期防除に役立ちます。

電源不要のため電気が完備していない圃場にもおすすめです。約1a(100㎡)あたりに1台設置することで、食品由来の原料を使用した誘引剤「コナジー」と粘着シートの色でコナジラミを誘引し捕虫します。誘引剤の効果はおよそ3か月間持続します。1台あたり2,400円と低価格なので手軽に導入できます。3か月以降も誘引剤(1本あたり750円)を交換すれば継続的に使用することが可能です。

・アザミウマキャッチャー
活性式予察捕虫器アザミウマキャッチャーはビニールハウス向けの予察捕虫器です。特殊誘引剤の匂いと粘着シートの色によってアザミウマを誘引し捕虫します。付着した害虫の種類や数を農薬散布の目安とすることで害虫被害の早期発見と早期防除に役立ちます。

電源が不要のため電気が完備していない圃場にもおすすめです。約1a(100㎡)あたりに1台設置することで、食品由来の原料を使用した誘引剤「アザミン」と粘着シートの色でアザミウマを誘引し捕虫します。誘引剤の効果はおよそ3か月間持続します。1台あたり2,200円と低価格なので手軽に導入できます。3か月以降も誘引剤(1本あたり550円)を交換すれば継続的に使用することが可能です。

地力の素

地力の素はカナディアンロッキー山脈の東麓に位置するアルバータ州から発見された天然鉱物「カナディアンフミン」を原料としており、フミン酸・フルボ酸などの腐食物質が高度に濃縮されています。この地力の素を土づくりに使うことでセンチュウが発生しにくい環境をつくります。地力の素に多く含まれるフルボ酸は、土壌を本来の生息環境に近づける効果があり、微生物が増えてセンチュウを退治するといわれています。

モスバリアジュニアⅡレッド

モスバリアはLED照射を利用してアザミウマの活動を抑えます。モスバリアの赤色LED(波長500~600nm)は半径15mに光が届き、日中に約12時間程度(日の出1時間前~日の入り1時間後までの照射が望ましい)照射するとアザミウマ類の成虫は方向感覚が麻痺し飛べなくなります。植物体の緑色を識別することが困難になり植物体への誘引や定着が妨げられ、雌成虫の産卵機会が減少し、次世代の幼虫数が減少しますので1世代で繁殖をストップさせる効果があります。

ニューウインズパック

ニューウインズパックはコガネムシ類発生予察(モニタリング)用資材です。畑・果樹園・園芸などに設置することで特殊なルアーがコガネムシ類を誘引し捕獲します。ルアーには性フェロモンまたは植物誘因物質が練り込まれており、設置場所から50~100mの距離のコガネムシ類を誘因します。発生数・発生範囲・発生源といった駆除の指標となる情報が得られます。

設置はとっても簡単です。ルアーを装着し地表より1m前後またはできるだけ地表近くに設置するだけです。ルアーの交換周期は2~3カ月です。

※使用するルアーや設置場所は、コガネムシの種類によって変わりますのでご注意ください。捕獲できるコガネムシの種類はマメコガネ・ヒメコガネ・ドウガネブイブイ・セマダラコガネ・ヒラタアオコガネ・チビサクラコガネ・アシナガコガネ・オオサカスジコガネ・アオドウガネ・ナガチャコガネ・スジコガネ・ツヤコガネ・シロテンハナムグリです。

静電噴口

静電噴口は静電気の力で薬液を対象物に付着させる静電機能付噴霧口です。通常では付着しにくい葉裏への薬液付着率が向上し、約30%の農薬使用量削減が期待できる静電式のノズルです。ハダニの生息場所である葉裏にも農薬が届きやすいので、駆除に役立ちます。

害虫を駆除して安定した農作物の生産を

今回はビニールハウス栽培における害虫と駆除のポイントを記載してきました。正しい知識で害虫対策を行い、安定した農作物を生産する際の一助となれば幸いです。

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