コラム
落ち葉ブロワーの使い方|効率の良い清掃を目指して
公開日2020.08.27
更新日2021.07.01

落ち葉ブロワーの使い方|効率の良い清掃を目指して

農作物を栽培した後には落ち葉や枯葉といった残渣が地面に残ります。残渣は見た目の印象も良くない上に、放置するとアザミウマなどの害虫の生息場所や病気の苗床になってしまいます。みなさんはどのように落ち葉掃除をしていますか。一般的には手で集めたり、竹箒などのホウキ類を使用して一か所に集じんさせてからちり取りで集めていることが多いようですが、意外に作業に時間と労力がかかってしまうと思います。今回は落ち葉の清掃を効率良く行う「落ち葉ブロワー」(ブロアー・ブロワバキューム・送風機とも呼ばれる)に関して解説していきたいと思います。

落ち葉ブロワーとは?その種類と選び方

落ち葉ブロワーと聞いて、皆さんも一度は工事現場や公園で清掃員が使用しているのを見たことがあるのではないでしょうか。ブロワーとはドライヤーのようなもので、先端のノズルから強力な風を放出することで落ち葉や小枝などを飛ばし集めることができます。土・アスファルト・コンクリート・砂利など、様々な環境で使用することができるとても優れた機械です。まずは種類と選び方のポイントを記載していきたいと思います。

●落ち葉ブロワーの種類(動力)

・エンジン式
エンジン式のためパワーが強力であるのが最大のメリットです。デメリットは比較的動作音が大きくガソリンの匂いがすること、そして重さがあることです。また慣れていない人だとスムーズにエンジンをかけられなかったり、古くなったエンジンオイルの処分が手間だと感じてしまったりすることもあるようです。

・電源式(コードタイプ)
コンセントに繋いで電力を供給します。電源がある環境でしか使用できませんが、ドラム式の延長コードや発電機を使用すれば作業範囲が広がります。デメリットは作業中にコードが邪魔になる可能性があることです。

・電源式(バッテリータイプ)
コードレスなので電源がない環境でも使用ができます。予備のバッテリーさえ持っていれば長時間の作業も可能となります。コードがないため取り回しが良く自由に動くことができます。コードタイプに比べてパワーが小さく、バッテリーの影響で重量が重くなるというデメリットがあります。充電には時間がかかりますので、作業途中でバッテリーの電池がなくならないように一回の充電でどのくらいの時間稼働するかを把握しておきましょう。

●落ち葉ブロワーの種類(本体)

・小型タイプ(ハンディタイプ)
本体が軽量のタイプです。操作も比較的簡単なので手軽に利用ができます。短時間の作業や小規模の作業に向いています。ただし大量の落ち葉を吹き飛ばすことは困難ですので注意しましょう。

・背負いタイプ
パワーが強力なのが特徴です。大型で重量があるので背負うことで動きまわることができます。広い場所を清掃したい時や長時間の作業に向いています。

・吸込み機能付きタイプ
掃除機のように落ち葉を吸いこめる吸引(バキューム)機能がついているタイプもあります。一か所に集めた落ち葉を一気に吸引することができるので、残渣を回収する際にとても便利です。

●落ち葉ブロワーの選び方のポイント

・風速と風量
選び方でとても重要なのが風力です。風力は風速(風圧)と風量で確認ができます。風速が速いほど風圧も強くなり重いものも吹き飛ばし、風量が多くなるほど広範囲に渡って吹き飛ばすことができます。落ち葉や木の枝など重量があるものを飛ばすには風速が必要で、一度に残渣を吹き飛ばし作業効率を上げたい場合は風量が必要です。どのようなシーンで使うこと想定しているか確認し、購入前に必ずチェックするようにしましょう。特に濡れた落ち葉は思っているよりも吹き飛ばしづらいですので注意してください。

・ノズル
商品によってノズルの長さや先端の形状が違います。複数のアタッチメントが付属している製品もあります。目的に見合ったノズルが付属しているか確認しましょう。オールマイティに使えるのは丸形のラウンドノズルです。風量のロスが少なく、ブロワーが持っている性能を発揮しやすいという特長があります。一方、先端部分が平らになっているのがフラットノズルです。ノズル内で抵抗が増えるため風量は減りますが、風速(風圧)はアップし風を扇状に噴出する特長がありますので、濡れて地面に張り付いた残渣を集塵するときに適しています。

落ち葉ブロワーの使い方

まず落ち葉を集めるにあたって・・・。落ち葉の掃除は終わりがありません。落葉樹があると、掃除をしてもすぐにまた葉が落ちてくるからです。7割くらいを清掃するイメージで掃除の目標を設定してもいいかと思います。

落ち葉や木の枝といった残渣が湿っていると地面にくっついてしまい飛ばすことが困難ですので、掃除をするタイミングは残渣や地面が乾燥している日がベストです。またブロワーで吹き飛ばす前に掃除する場所に置いてある物を、あらかじめ一か所に集めておくことをおすすめします。障害物があるとせっかく飛ばした落ち葉が障害物の下に挟まり、溜まってしまい二度手間になります。

ブロワーのエンジン(またはスイッチ)を入れたら、本体を扇状に振りながら落ち葉を一か所に集めていきます。落ち葉があつまったら、ホウキとチリトリなどでゴミ袋に回収しましょう。バキューム付の製品であれば、吸い込み用のアタッチメントに切り替えて、落ち葉を吸い込んでいきます。バキューム時に落ち葉が粉砕される機能があるものはゴミとして処分する際にかさばりませんので便利です。

~番外編~ 集めた落ち葉の活用方法

集めた落ち葉は捨てることが一般的な処理方法かもしれません。しかし、この落ち葉をもっと活用することもできます。より良い活用法は「腐葉土」にすることです。腐葉土とは土と落ち葉を定期的に新鮮な空気を混ぜながら発酵させ、数か月で出来上がる土のことです。腐葉土にすることで、ゴミであった落ち葉を農作物に使える有用な“肥料”に変えることができます。ただし、針葉樹の落ち葉は腐葉土にできないのでご注意ください。腐葉土のつくり方はインターネット上にも多数掲載されていますので下記のリンクをご参考にぜひ調べてみてください。

参考:落ち葉の腐葉土の作り方 | 北見市

落ち葉を効率よく集めるのに役立つ製品「ブロワクリーナー」

ブロワクリーナーはビニールハウス向けの掃除機です。圃場に残った作物の残渣を強力な風圧で吹き飛ばして掃除します。機体の高さや風向の角度が調節できるため、いろいろなサイズのハウスに合わせてゴミを吹き飛ばすことができます。ホウキなどで掃除をする手作業ではガーター下に取り残しがちなゴミを隣のレーンに吹き飛ばし作業者の負担を軽減すると同時に農作業時間を短縮します。

※栽培期間中に使用すると病気の菌や害虫が空気中に蔓延し、ハウス内に拡散させ他の株への罹患を広げてしまうことがありますのでご注意ください。

効率よく掃除をして気持ちのよい環境を

うまく使用すれば農作業の省力化になる落ち葉ブロワー。この機会に導入してみてはいかがでしょうか。ぜひ本コラムを機械の導入の検討の際にお役立てください。

落ち葉ブロワーの使い方|効率の良い清掃を目指して

コラム著者

満岡 雄

2012年に玉川大学農学部生物資源学科を卒業。種苗会社を経てセイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。好きなことは食べること、植物栽培、アコースティックギター。Twitterを更新していますのでぜひご覧ください。

 

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