コラム
クロバネキノコバエの予防・駆除方法│大量発生前に適切な対策を
2020.05.19

クロバネキノコバエの予防・駆除方法│大量発生前に適切な対策を

若葉がまぶしい時期になり虫たちの活動も活発になってきました。虫たちは何を頼りに餌となる植物や有機物を探しているのでしょうか。生態系制御の研究者は、虫は植物が発する臭いや光(色)で会話をしていると論じています。ハエの中には、圃場で繁殖し農作物に被害を与えるものもいます。今回のコラムではキノコバエの特性と予防方法や対処法のポイントについてお伝えいたします。

クロバネキノコバエの農業への被害

人は虫を見たときになぜ不潔なものと、そうでないものを区分けするのでしょうか。掃除を怠ると、台所(キッチン)やゴミ箱などで発生するゴキブリやイエバエ・ショウジョウバエなどは、不愉快な腐敗臭に集まりやすい不潔な虫と認識され嫌われています。

ハエの中で、農業被害を発生させるハエとして知られているのが、クロバネキノコバエです。通称キノコバエと呼ばれています。有機物(草木や堆肥他)が熟成発酵する過程の湿り気があり、適度に温かい環境を好みます。体長は約1~6mmですが、まれに10mm位になることもあるようです。観葉植物の植木鉢に使用する腐葉土に産卵するので、気がついたら部屋の中で飛んでいて「網戸をしているのにどこから来たのだろうか?」と疑問を持ったご経験のある方もいるかもしれません。農業で最も困るのは菌床シイタケ栽培で発生することです。今回はクロバネキノコバエに関して詳しく見ていきたいと思います。

●クロバネキノコバエとは

クロバネキノコバエとは体長1~6mm程度のキノコバエの一種です。キノコバエは世界で150種類が確認されているようです。植物や菌類を好んで餌とすることが知られ、キノコ(菌)が発生した場所で多く見かけられたためキノコバエと呼ばれるようになったという説が有力です。

体長が小さい為、小さな隙間から室内に入り込むことがあります。薄暗く暖かい湿度の高い環境を好むので、梅雨~夏の時季に大量発生しやすいといわれています。観葉植物に使用する腐葉土に発生したり、カブトムシやクワガタムシを飼育する際に使用する飼育マットや菌糸ビンが発生源になります。

人に直接害を及ぼしませんが、衛生面で抵抗を感じる方は多いと思います。キノコバエからすると増殖をした菌を処理しているだけなのにと思っているかもしれません。学校でクロバネキノコバエが大量発生した時は、配膳した給食に取りつき不衛生だということで、給食がストップした事例があるそうです。

●クロバネキノコバエがもたらす農業への被害

クロバネキノコバエの幼虫は農作物を食害します。土中に産み付けられた卵は気温や湿度にもよるようですが4~7日で孵化し、幼虫は8~20日で4齢となり蛹になります。蛹の期間は通常3~5日続き、その後羽化します。幼虫期に農作物の根を食害し茎の内部まで入り込みます。食害が拡大すると株が枯れてしまうケースもあるようです。ネギ・ニンジン・シイタケ・ショウガ・ユリ・スイセンなどの農作物は食害の発生が報告されています。

クロバネキノコバエの防除方法

クロバネキノコバエは臭いに反応する習性があります。また特定の光に集まる習性があるという報告もあるようです。ここではクロバネキノコバエの防除方法をお伝えいたします。

●木酢液をスプレーする

木酢液には防虫効果を期待できます。木酢液は、木炭を作る過程で発生する気体を高温の状態で集め、この気体を冷却することにより生じた液体を集めた物です。最初に発生した液体には不純物が多くタールなどが含まれていますが、徐々に澄んだ液体に変わっていきますので、上澄みを使われるのが良いと思います。木酢液は昔、酢酸の原料に使われていたくらいですから強酸性を示しますので、散布する場合は、水で希釈し散布しましょう。木炭にする原木によって木酢液の成分が変わるようです。広葉樹・針葉樹・竹など里山が近い方は、手入れを兼ね木酢液作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

●有機肥料の使用を避ける

クロバネキノコバエは有機物が発生する臭いに誘引される傾向があります、有機物が菌により分解されるとき、人にとって有用な物質に変えてくれる菌を乳酸菌・発酵菌といいます。一方、食中毒の元となり人に害を与える物質を作るものを腐敗菌といいます。例えば糠床の管理を間違えると「すえた臭い」になりショウジョウバエが発生します。有機肥料も乳酸菌や発酵菌が多い状態で発酵が進めば良いのですが、糠床のように頻繁に切り返しをするわけではないので、腐敗菌が勝っている状態となり発酵が進むと腐敗菌が増え悪臭が勝つのではないでしょうか。

発酵が進み切っていない有機肥料や腐葉土・有機培養土などといった有機用土には様々な菌が含まれ、この菌の活動によって臭いが発生しクロバネキノコバエを誘引するのではないかと考えられています。しかも有機物や菌はクロバネキノコバエの餌も兼ねるのでさらに集まりやすくなります。有機肥料は十分に熟成したものを使うようにしましょう。クロバネキノコバエは表面から2~3cm程度の深さに卵を生むため、有機肥料の気配を消す臭い対策として、表面に無機質の赤玉土を敷いて防除すると良いかもしれません。

●殺虫剤・農薬を使用する

成虫が大量に発生している場合、クロバネキノコバエに有用な薬剤による駆除を考える必要があります。どの薬を使うかは、作物の種類や育成時期、圃場の形態(露地か施設か)、近隣圃場との関係などを考慮し、薬害などを発生させない配慮が必要です。成虫は、飛び回っているので薬剤散布が有効ですが、地中生活をしている幼虫には効き目が薄いといわれています。

●灯火採集で捕殺・駆除する

クロバネキノコバエが光に誘引されるという習性を利用する、灯火採集(ライトトラップ)という防除法です。害虫が好む光を使って誘引し、その近くに粘着テープやハエ取り紙を設置したり、ファンで捕虫袋に吸引したりすることによって駆除します。灯火採集(ライトトラップ)には、灯りを点灯させる必要があるため、設置場所には電源があることが条件となります。

クロバネキノコバエの誘引に役立つスマートキャッチャー

そこで防除方法としておすすめしたいのがクロバネキノコバエの捕虫に役立つスマートキャッチャーです。紫外線と可視光線のLED灯を利用した害虫用の補虫機です。クロバネキノコバエをLED光で誘引し、強力な吸引ファンで捕虫袋に捕獲します。専用ACアダプター付属で電源が取れる場所でしたらS字フックなどで簡単に設置することができます。独自のフレームレスモーターは害虫の死骸が固着して回転不能を起こすことがなく、LED灯を採用しているためメンテナンスにあまり時間を取られず長くお使いいただけます。専用補虫袋は使い捨てタイプですから衛生面でも心配がありません。

ナガマドキノコバエ・クロバネキノコバエ類などのキノコバエ類やアシグロハモグリバエ・マメハモグリバエなどハモグリバエ類にもお使いいただけます。

クロバネキノコバエを大量発生させないように予防・捕虫しましょう

害虫はあっというまに大量発生しますので、そうなるまえに予防・捕虫をこまめに行うことが大切ですね。クロバネキノコバエの習性を良く理解し、清潔な環境が守れるように適切に予防と補虫を行っていきましょう。クロバネキノコバエを退治して大切な作物を守りましょう。

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