コラム
野菜の栽培に欠かせない追肥とは? 成長に合わせて適切な肥料の選択を
公開日2019.04.16
更新日2021.04.06

野菜の栽培に欠かせない追肥とは? 成長に合わせて適切な肥料の選択を

農作物の栽培にとって肥料は必要不可欠なものです。肥料を与えなくても野菜は生長しますが適切な時期に追肥を行うことで収穫量や作物の質を上げる効果が期待できます。元肥はもちろん重要ですが、その時々で必要になる栄養を追加で与える追肥も収量アップには不可欠な要素です。市民農園や大きなプランターを使い家庭菜園を行っている方は、農家と同じような本格的に追肥をすることもあります。今回は追肥を中心に肥料の役割を見ていきましょう。

追肥の基礎知識

追肥とは

追肥(ついひ)とは種をまいたり移植したりした後に、野菜の生長に必要な肥料を追加で与えることを言います。不足しがちな栄養分を補い作物の生長をサポートします。肥料には大きく分けて元肥(もとごえ)と追肥があります。元肥は苗などを植え付け前に与える肥料を指します。即効性は期待せずに、植物が長期にわたって順調に育つために栄養をあたえることです。追肥は生育途中で補う肥料で植物の生長にあわせて不足している栄養を補います。植物の種類や状態によって必要な栄養素が異なるので、肥料の使い分けが必要です。

元肥(もとごえ) 苗を植える前に土壌へ施す肥料、暖効性肥料が中心
追肥(ついひ) 生育途中で補う肥料、即効性肥料が中心

追肥の方法

追肥する場所

土壌に肥料を追肥する場合は根から少し離れた場所に撒くようにしましょう。植物が根を伸ばす過程で肥料を探し当て植物が根を広く深く伸ばせるためです。葉っぱやツルの先端で株元からもっとも離れた場所が追肥する場所の目安です。2回目以降は徐々に株元から離して施肥していきます。

根から進化したといわれる葉にも肥料を吸収する機能が備わっています。この葉っぱに液体の肥料を施肥する方法(葉面散布)もあります。湿害などで根から栄養を吸収できないときに有効な方法です。

追肥する方法

固形肥料を穴や溝を掘って施す方法と、液体肥料を希釈して灌水時に施肥する方法があります。葉から吸収させる場合は希釈液をスプレーなどで葉面に散布します。

追肥する際の注意点

肥料を株元に与えると根を痛める原因となります。また肥料の与えすぎは、作物が軟弱化する可能性があるので注意しましょう。液体肥料(液肥)には葉面散布しても良いものと葉面散布を行うと葉や花にシミが出たり傷んだりしてしまうものがありますので、パッケージに書かれている説明をよく読むなど十分に注意して使用しましょう。雨の日や雨上がりには、液肥を与えても成分が流れてしまって効果が出にくいのでタイミングに気を付けて施肥を行いましょう。

追肥で与える肥料の種類と含まれる成分

有機肥料

有機肥料とは?

天然の養分で作られた有機質の肥料のことです。一般的に植物質の油粕・腐葉土・米ぬか・大豆・菜種・草木灰や、動物質の堆肥(牛糞・豚糞・馬糞・鶏糞など)・魚粉・鶏糞・骨粉などがあります。土の中で微生物が有機肥料を発酵させ植物が吸収できる無機物に分解し、その分解された栄養素を植物が吸収することによって作用します。微生物の働きで分解されてから植物が吸収できる養分に変わるため、即効性はありませんが効果は緩やかに持続します。さらに微生物が活性化して土が適度にやわらかくなることで保湿性や浸透性が良くなり土壌が改良されることもあります。性質上、元肥に使用することが多いですが、無機肥料と組み合わせて追肥に用いる場合もあります。効き目がゆるやかなことから緩効性肥料と呼ばれることもあります。

有機肥料を使用する際の注意点

やり方を誤り過剰に与えると微生物が増殖する際に窒素を消費しすぎてしまい、農作物に必要な窒素が不足する「窒素欠乏」が発生して生長不良が起こることがあります。また有機物の分解によって生じたアンモニアが土の中にたまり、温度上昇や土壌乾燥によってガス化し、作物の葉などへ障害が生じてしまう「ガス障害」が発生することもあります。畑や作物の状態を見て施肥の頻度に注意してください。

 

無機肥料

無機肥料(化成肥料・化学肥料)とは?

化学的合成や鉱物から生まれた肥料です。作物に必要な成分を人工的に配合したもので栄養の成分量が多く、素早く植物に栄養が届き速効性が高いというメリットがあります。市場で安定的に供給されているため簡単に入手できます。植物の生長に必要な栄養素を1種類または数種類含んでいてそれぞれ単肥、複合肥料と呼ばれています。含まれている栄養素が明確なため植物の生長具合を見ながら与える量をコントロールして使用することができます。効き目が早い液体肥料(液肥)も無機肥料の一つです。

無機肥料を使用する際の注意点

無機肥料は土の中の微生物に分解されることなく植物に吸収されるため、無機肥料に頼りすぎると微生物は死滅してしまいます。微生物のいない土壌では土が硬くなり(団粒構造が失われる)病原菌や病害虫が発生しやすく、中長期的にはマイナスとなることもあります。 無機肥料は株元にあたると根を傷める原因にもなりますので注意しましょう。

有機肥料 暖効性肥料 天然の養分で作られた有機質の肥料、肥料を微生物が分解することにより植物に栄養を届ける
無機肥料 速効性肥料 化学的合成や鉱物から生まれた肥料、ダイレクトに作用し素早く植物に栄養を届ける

肥料に含まれる主な成分

肥料の三大栄養素と言われている窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)は植物が多く必要とする栄養素で重要です。自然の環境では、落葉・動物の糞尿・死骸といった有機物を土の中の微生物が食べて無機物に分解します。その無機物を栄養素として植物が吸収しますが、圃場では自然のサイクルがないため栄養素を定期的に与える必要があります。 (※酸素(O)・炭素(C)・水素(H)は自然界にある二酸化炭素(CO2)・水(H2O)から吸収ができる)

それでは最も重要とされる三大栄養素について少し詳しく見ていきましょう。

窒素(N)

葉や茎の生育に必要不可欠な成分で植物を大きく生長させる役割があります。植物の細胞をつくるタンパク質や光合成に欠かせない葉緑素の元になる元素です。不足すると葉に含まれているタンパク質や葉緑素が旺盛に成長している株先に送られるため、葉の色が薄く生育不良となります。その影響は葉が小さい、分枝しないといった症状に出ることがあります。 反対に窒素が過剰になると栄養が行き過ぎてしまい、葉や茎ばかりが成長して花や実が付きにくくなり、肥満化の影響で植物が軟弱になるため、病害虫の被害を受けやすくになってしまいます。有機肥料では魚粉や油粕などに多く含まれます。

リン酸(P)

ナス・きゅうり・トマトのような果菜類の生長に必要な栄養素と言われ、花や実の生育を活性化させる機能を持っています。エネルギー代謝や細胞分裂に影響を及ぼす重要な元素であるため、不足すると花の数が減り、開花や結実が遅れるなどの生長不良が発生することがあります。過剰に与えても影響は出にくいと考えられていますが、極端な場合には草丈が伸びないといった生育不良や土壌病害を招くおそれがあります。有機肥料では米ぬかや骨分に多く含まれます。

カリウム(K)

カリウムは植物体内の様々な化学反応を促進します。葉で作られた炭水化物を根に送り、根の張りを良くして発育を促す効果があると言われています。植物を丈夫にして、害虫や病気と気候の変化への抵抗力を高める作用もあります。カリウムが不足すると、下葉の先端や縁から葉が黄色くなって葉が枯れ始め、果実の品質も低下します。リン酸と同様に過剰摂取による影響はほとんどないと考えられていますが、カルシウムやマグネシウムが欠乏しやすくなる場合があります。有機肥料では草木灰に多く含まれています。

窒素 植物を大きく生長させる 魚粉や油粕などに多く含まれる
リン酸 花や実の生育を活性化させる 米ぬかや骨分に多く含まれる
カリウム 根の張りを良くして発育を促す 草木灰に多く含まれる

追肥に役立つおすすめの製品

1.オルガミン

オルガミンは天然アミノ酸葉面散布肥料(液体肥料)です。最近話題のバイオスティミュラント資材にも登録されています。魚をまるごと糖蜜と一緒に発酵させて作っています。化学処理をせずに天然発酵によって分解された約18種類のアミノ酸が含まれた液肥です。

葉面散布が基本的な使用方法ですが灌水での使用もおすすめです。トマトやキュウリでは初期生育が悪い時や、もうひと踏ん張り欲しい時に10a当たりオルガミンの原液300mlが流れるように灌水します。また、ぶどうや桃などの果樹関係では定植後に500倍希釈のオルガミンを5L程灌水すると根の活着が良くなり生育促進につながります。野菜の苗でも苗作りの際の散水に1000倍希釈液を散水するとズングリした良い苗になります。

2.モーターフォグ

追肥を行う際にお勧めなのが、風力で葉面散布剤を細霧状に噴霧する農業用噴霧器モーターフォグです。サイズがコンパクトで重さも軽量(100Vタイプ:6~7kg程度)で手軽に使えます。細かい霧をつくりだして作物の葉面に養液を均一に噴霧することができます。循環扇で作る気流に乗せる場所に設置をして、スイッチを入れたら後はお任せで時間が来たら止めるだけの簡単操作のため手間がかかりません。機械を担いでビニールハウス内を歩き回ることなく、空いた時間にほかの作業をして全体の効率があがります。

モーターフォグの特殊なノズルは雲粒と同程度のサイズである平均35μm(マイクロメートル)ほどの微粒子を作りだします。細霧状に噴霧するため養液を無駄にすることも少なくなり、粒子が大変細かいため空気中に拡散しやすく作物の葉面にうっすらと少なめに養液を散布することができます。霧がビニールハウスのすみずみまで広がり、ゆっくりと落下し作物の葉にまんべんなく付着します。ハウス内の飽差を適正にコントロールし作物が養分の吸収しやすい状態に整えることで、作物のうぶ毛(トライコーム※)は多くなり、枝葉が起ち、葉・茎を固く引き締めます。

※トライコーム(毛状突起)とは葉面に生えている細かい毛のことで表皮細胞が伸びたものです。植物の種類によって違いますが、強い光に対する防御、強風時に気孔から過度に水分を失う事を防止する、小さな害虫を近づきにくくするといったストレス応答や防御機構に関して重要な役割を担っていると言われています。

3.モーターフォグと一緒に使うとより効果的「リフレッシュ」

葉面散布剤には天然のモンモリロナイト粘土を乾燥・粉砕したリフレッシュがおすすめです。秋田県八沢木のみで産出する粘土で、16種類の水溶性ミネラルとケイ酸が植物生理を順調にします。化学的な処理を行っていないので安心してお使いいただけます。未消化窒素・アンモニア・カビのような生育に悪影響を及ぼす物質を吸着する性質があり、葉面散布に加えて潅水にも使用することができます。

ケイ酸は主に、植物細胞の表面に蓄積されます。ケイ酸でコーティングされた作物は光合成をしやすくなり、また物理的に細胞が固くなることで病原菌の侵入や拡大を防ぐと言われています。

追肥で野菜を元気に育てる

高品質の作物の生育や収量を増加させるためには肥料は大変重要な要素の一つです。元肥・追肥・有機肥料・無機肥料を上手く組み合わせて使うことで、良い成果につなげていくことができます。今回の内容を肥料を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

おすすめ記事
Tweets by SEIKO_ECOLOGIA
セイコーエコロジアのソリューション
お電話でのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ