 
    籾殻とは?~構造と機能~

1.籾殻の構造
稲を収穫すると「玄米」「稲わら」「籾殻」の3点が排出されます。籾殻は普段私たちが食べているお米の外側を包んでいる“殻”のことです。舟の形をした殻が2枚連なって玄米を包んでいます。軽くてかたく、分解されにくいのが特徴です。かたくて分解されにくいのは食物繊維(リグニンやセルロースなど)が多いためです。
2.籾殻の機能
籾殻に含まれる窒素はわずか0.5%程度ですので、肥料としての効果は期待できませんが、土壌環境を向上させる資材として活用することが可能です。籾殻は土に鋤き込まれると、土の粒子との間に隙間をつくります。籾殻自体にも小さな穴や隙間が多くあいているので、それらが空気や水の通路となり「水はけ(排水性)が良い」「水もち(保水性)が良い」という土をつくることができます。作物が成長に必要な栄養を吸収しやすい理想的な土の状態を団粒構造といいますが、籾殻を使用することによって、それに近づけることが可能です。
籾殻の処分先(活用先)

1.家畜生産者及び肥料業者
牛や豚や鶏の敷料として使用されます。家畜のニオイや病害虫の予防になりますし、地面がフカフカになるため家畜が快適に過ごすことができます。また使用後は糞と混ぜ合わせて発酵させることで堆肥として使用することができるというメリットもあります。
2.畑や田んぼに撒くまたは鋤き込む
畑に土壌改良を目的として鋤き込む場合は、1㎡あたり2~3L(200~300g)を目安にしましょう。深さ10~20cmに籾殻がまんべんなく混合されるようにします。それでも土壌が改善されない場合は次の土づくりの際に追加をします。
籾殻は農作物の株元や畝に撒くことでマルチとしても活用できます。雑草を生やしづらくする効果、保温効果、急な温度上昇や乾燥を防ぐことができます。また分解が進むと植物の樹勢を整える「ケイ酸」を供給する効果もあります。
関連コラム:もみ殻堆肥とは?作物が育ちやすい土壌を実現する肥料の作り方
関連コラム:籾殻を使った土壌改良|見直される自給肥料
3.家庭菜園に使用する
家庭菜園は栽培面積が小さいため、籾殻をたくさん処理したい方向けではありませんが、家庭菜園にも上記と同様の方法で使用することができます。
籾殻を燻炭化して優秀な土壌改良材へ

籾殻を燻炭にすることで、生の場合と比較してさらに優秀な土壌改良材や育苗資材に変化します。籾殻が持つ効果がパワーアップするのと同時に使い道の幅も広がります。
籾殻を有効活用して効率的な農業を

 
			コラム著者
満岡 雄
玉川大学農学部を卒業。セイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。好きなことは植物栽培。Xで業界情報をpostしておりますのでぜひご覧ください。


 
								 
							 
						 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 
											
																							 

