コラム
コガネムシの駆除・予防方法とは?生態を理解して大量発生前に対策
2020.06.12

コガネムシの駆除・予防方法とは?生態を理解して大量発生前に対策

コガネムシ(黄金虫)類は世界で約3万種類が確認されている昆虫です。私たちの身近に生息している虫なので春頃になると目にする機会も増えてくるのではないでしょうか。見た目はコロっとしたかわいらしいフォルムですが、植物全般に被害を与える害虫として知られています。農業においては成虫が果樹のブドウ、花卉のバラ、野菜のダイズ・ラッカセイなどの葉を、幼虫が根を食害するやっかいな害虫です。そんなコガネムシの特徴と駆除方法に関して詳しく記載していきたいと思います。

コガネムシの生態と作物への被害

コガネムシ類が所属するコガネムシ科は、全世界で約3万種、日本にも約360種が分布しています。体長は数センチ以内の種類が多く、春~秋にかけて成虫が発生し冬に幼虫で越冬する生活サイクルです。

●コガネムシの生態

甲虫類の一種で、光沢感のある体が特徴です。体色はさまざまで緑色・黒色・茶色など色彩変異がとても多いです。漢字では「黄金虫」と書きます。成虫は春の終わりから夏にかけて活動が活発化します。幼虫は一年を通して土中に生息しています。幼虫・成虫ともに作物に食害を起こすやっかいな害虫です。代表的なコガネムシにはドウガネブイブイ・アオドウガネ・ヒメコガネ・マメコガネなどの種類がおり、種類によって好む植物が異なります。

●コガネムシに似た昆虫と見分け方

コガネムシに似た昆虫には、カナブンやハナムグリなどがいます。それぞれそっくりな見た目ですが、頭部と羽の付け根の形状で種類を見分けることができます。なおカナブンは広葉樹の樹液を、ハナムグリは花の蜜や花粉を餌としているので、植物の葉や根などを食害しません。

≪見分け方(羽の付け根)≫
コガネムシ:楕円形
カナブン:二等辺三角形
ハナムグリ:二等辺三角形で羽に白い模様がある

●コガネムシによる被害の特徴

・幼虫の被害
地中の有機物(主に植物の根)を食害します。食害されると栄養の供給ができなくなり、植物が元気をなくして最悪の場合は枯死してしまいます。鉢植えの場合、気づいた時には植物本体がグラついて土からスポッと引き抜けるほどダメージを受けていることもあります。大量発生すると樹木まで枯らすこともあるので注意が必要です。サツマイモなどの根菜は実を食害されることもあります。

・成虫の被害
主に植物の葉を網目状に食害します。家庭菜園やガーデニングなどの少数栽培では、大量発生によって葉を食い荒らし、葉脈だけ残して丸坊主にされてしまうこともあります。葉がなくなると光合成ができなくなるので植物は枯死してしまいます。また葉についた糞がフェロモンを発し、別のコガネムシを誘引します。

・作物別の被害①|ブドウ
マメコガネ・ヒメコガネ・ドウガネブイブイ・アオドウガネなどによる被害があります。6~8月頃に発生し、成虫が葉を食害します。堆肥置き場が近くにある場合はコガネムシの好む繁殖場所になっている可能性が高いのでご注意ください。

・作物別の被害②|バラ
マメコガネなどの被害があります。成虫は葉や花を食害します。花は食害されると食害箇所が茶色くなったり、食い散らかしてボロボロになったりするので観賞価値が低下してしまいます。また幼虫は地中で根を齧ります。重度の場合は枯死してしまうこともありますので、早期発見が大切です。元気だったバラの樹が突然調子を落とした場合はコガネムシの被害を疑いましょう。

・作物別の被害③|ダイズ
マメコガネ・ヒメコガネ・ドウガネブイブイなどによる被害があります。成虫は葉を食害するため、生育が悪くなり実の収穫量が減ってしまいます。ハスモンヨトウに次いで被害が大きくやっかいです。

コガネムシの駆除・予防方法

●コガネムシの駆除方法

・手で捕殺する
成虫が葉に付いていれば、手などで取って駆除しましょう。足に小さなトゲがある場合があるので軍手や手袋を使用することをおすすめします。葉についた糞がフェロモンとなり他のコガネムシを誘引するので糞は取り除きます。また土を耕す際に幼虫がいれば退治しましょう。

・農薬を使用する
コガネムシの幼虫や成虫に効果のある薬剤(農薬・殺虫剤)、例えばオルトランやダイアジノンなどの粒剤やスミチオン乳剤を希釈したものを株元に散布します。大量発生している場合は、薬剤によって一斉駆除するのが一番有効です。成虫の活動が活発化している時期に散布すると産卵を防げる効果もあります。また毎年発生している場合は作付前にあらかじめ土壌混和しておくことで予防効果を発揮できおすすめです。

・フェロモントラップを仕掛ける
成虫の駆除に効果的です。性フェロモンや食物由来フェロモン(コガネムシの食べる葉の成分が含まれた誘引剤)があります。主に予察用(モニタリング用)での利用が主目的です。

●コガネムシの発生を予防する方法

・コンパニオンプランツを植える
害虫が嫌う植物を周辺で育てることです。コガネムシが嫌う植物にはスイセンやニンニク、マリーゴールドなどがあります。効果のほどは10の被害があったものが8前後に減る程度ですのであまり期待はできないようです。

・防虫ネットをかける
物理的に侵入を防ぐ方法です。作物に防虫ネットをかけてコガネムシの成虫が葉に飛来するのを防ぎます。

・地表にマルチシートを敷く
地面をマルチシートで覆うことで、コガネムシの成虫が土の中に潜れなくなり産卵できない環境に整備します。

・木酢液を散布する
木酢液は木炭を作るときに発生する煙や水蒸気を冷やして液体にしたものです。コガネムシ以外でもアブラムシやセンチュウといった害虫の忌避効果を期待できます。原液はニオイが強い場合があるので注意してください。水で希釈して使用します。

コガネムシの駆除に役立つ製品

そこでおすすめしたいのがコガネムシ類発生予察(モニタリング)用資材ニューウインズパックです。畑・果樹園・園芸などに設置することで特殊なルアーがコガネムシ類を誘引し捕獲します。ルアーには性フェロモンまたは植物誘因物質が練り込まれており、設置場所から50~100mの距離のコガネムシ類を誘因します。発生数・発生範囲・発生源といった駆除の指標となる情報が得られます。

設置はとっても簡単です。ルアーを装着し地表より1m前後またはできるだけ地表近くに設置するだけです。ルアーの交換周期は2~3カ月です。
※使用するルアーや設置場所は、コガネムシの種類によって変わりますのでご注意ください。

・捕獲できるコガネムシの種類
マメコガネ・ヒメコガネ・ドウガネブイブイ・セマダラコガネ・ヒラタアオコガネ・チビサクラコガネ・アシナガコガネ・オオサカスジコガネ・アオドウガネ・ナガチャコガネ・スジコガネ・ツヤコガネ・シロテンハナムグリ

コガネムシ被害の対策をして作物の品質・収量を守る

コガネムシは見た目はかわいらしい昆虫ですが、大量発生すると作物に大きな被害を与えてしまいます。作物の状態を定期的に確認し、初期の頃から抑えることが有効です。大切な作物を守るために今回のコラムのポイントをしっかりおさえて対策をしていきましょう。

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