コラム
LEDが光合成を促す理由は?メリット・デメリットと導入時のポイント
2020.03.26

LEDが光合成を促す理由は?メリット・デメリットと導入時のポイント

LED( Light Emitting Diode:発光ダイオード)は「低消費電力」「長寿命」「紫外線や赤外線の放出が少ない」というメリットを持ち、白熱球や蛍光灯に代わるライトとして急速に社会に浸透してきました。私たちの住環境では照明として白色LEDが普及していますし、植物育成の分野では青色LEDと赤色LEDが植物工場の野菜・観葉植物・アクアリウムの水草などの育成に使われています。今回はLEDを導入するにあたってポイントとメリット・デメリットを詳しく記載していきたいと思います。

LEDの光で作物が光合成する理由

●LEDで作物が光合成する仕組み

作物が光合成を行うためには水・二酸化炭素・光が必要で、その光の中でも『可視光線』を使用します。可視光線とは人間の目が光として認識できる波長範囲の電磁波のことで、七色(紫・青・水色・緑・黄・橙・赤)に分かれています。単位はnm(ナノートル)で表され、波長範囲は400nm~800nmです。その内訳は紫色が380~430 nm、青色が430~490 nm、緑色が490~550 nm、黄色が550~590 nm、橙色が590~640 nm、赤色が640~770 nmと分けられます。植物はクロロフィル(葉緑素)という器官で光を吸収し光合成をしていますが、その可視光線の中でも青色と赤色の波長を効果的に吸収しています。私たちが植物の葉が緑色に見える理由は、クロロフィルが緑色を吸収せず反射されたものが私たちの目に入るためです。

参考:第2章 豊かなくらしに寄与する光 2 光と植物-植物工場

●LEDで作物を育てるメリット・デメリット

メリット
①低消費電力・長寿命
LEDは白色電球や蛍光灯などに比べて、消費電力が少なく長持ちしやすいためコストパフォーマンスに優れています。寿命は「約40,000時間」とされており、一日のうち半日を点灯させたとしても約9年間使用することができます。
LEDの寿命 ⇒ (12時間×365日)÷40,000時間=約9年

②安定した生産量の確保と栄養価のコントロールができる
LEDを使用することで、曇りや雨などの天候や季節性に生産量が左右されにくくなります。室内の植物工場であれば害虫の発生も抑えられますし、照明のムラや温度といった育成環境を管理することで安定した品質と生産量が確保できます。また当てる色によって品質に変化が生じるため、品質をコントロールすることもできます。特定の波長を照射するLEDを用いることで、ポリフェノールやビタミンの含有量が倍増した例もありその結果、太陽光よりも栄養価の高い作物の栽培が可能になります。

③紫外線放出が少ない
LEDは放出する紫外線が少ないため、虫類を誘因することがほとんどありません。したがって虫類の発生がある露地栽培や施設栽培でも安心して使用することができます。

④発熱が少ない・赤外線放出が少ない
LEDの光自体には熱が少ないです。また赤外線放出が少ないので照射した箇所が熱くなることもありません。したがって夏場に使用しても使用環境を温める心配がありません。

デメリット
LEDは温度や湿度の管理に手間がかかることがあります。従来使用されてきた白熱電球や蛍光球は本体が発熱するため、冬場のハウス内の保温効果に一役かっている面がありました。しかしLED自体は発熱しにくいため、温度と湿度は別で調整が必要になります。また、想定より導入費用がかかることもあります。LEDを使って栽培するには、一定数の光源が必要になります。さらに農業用として防水・防塵性能を高めたLEDや適切な波長の光を出すよう開発されたものは高額な場合が多く、導入初期にコストがかかりがちです。

農業用LEDを導入するときのポイント

●成長に必要な光量を確保する

作物が育つには、1,000~1,500ルクス程度の光量を確保する必要があります。ルクス(lx)とは「照度」のことで単位時間、単位面積当たりの光のエネルギーを表しています。一般的に明るめのオフィス内で 400 ルクス程度、部屋の窓際付近で2,000 ルクス程度、直射日光で約100,000ルクス程度の照度があるとされています。LEDは基本的に作物全般を育てることができますが根菜類は向いていません。導入にあたっては施設内の光量が作物の成長に必要な条件を満たしているか確認しましょう。またどの作物にも等しくLEDの光が当たるように光源の数や位置を調整しましょう。そのLEDの光の開度(℃)を知ることで光を照射できる範囲が分かりますので購入を検討する際にご参考にしてください。

●成長段階によって適したLEDを用意する

可視光線は色によって植物に与える影響が異なります。赤色の色素は「光合成」を促進させるので成長の速度を加速させます。青色の色素は葉や茎を太くする「形態形成」に必要になります。それぞれの色のバランスを考えながら照射することで作物の生育を促進することができます。一般的には赤色の方が植物は欲しがる光です。青色1個のLEDに対して赤色4~10個を使用する“光のレシピ”が適していると考えられています。また作物の成長段階によってLEDを変えると効率的に育てやすいため、光の波長を調整できるLEDも販売されているので必要に応じて選ぶとよいでしょう。

●ランニングコストを把握する

LED栽培は長い時間光を照射する必要もあります。LED単体の消費電力は低くコストパフォーマンスに優れていて、従来の照明設備よりも電気代が低くなると考えがちですが、導入数が多いとそれなりに電気代もかかってきます。規模や育てる作物の種類によっては、多額のランニングコストが発生することもありますので注意しましょう。かけるコストに対して、収益が見合っているか導入前にしっかりと確認しシミュレーションすることが大切です。

作物の栽培におすすめの農業用LED

セイコーエコロジアで扱っているLED電球は消費電力が少なく、長時間照射できランニングコストを抑えられます。放熱が多く農作物の生育を阻害することがある蛍光灯やナトリウムランプと違い、発光側にはほとんど発熱をしないためビニールハウス内が温まりすぎないというメリットもあります。寿命も長いため交換の手間もかからず理想的な電照が可能となります。低消費電力でありながら照度が高く、明け方や夕暮れ時にも適度な明るさを確保するため、農作業の作業効率維持を支援いたします。ほとんど紫外線も出さず害虫の行動が抑制されるという効果も期待できます。

LED電球の中でもいちご用LED電球は大阪・東京・栃木・福島などのいちご生産者様に導入していただいており「生育促進」「休眠防止」「収量確保」という点でご好評いただいております。また最近では40Wの補光用LED電球も人気があります。各種LED電球の詳しい使い方等ぜひお気軽にお問い合わせください。

使用方法
・いちご用LED電球の場合

高設栽培の場合・・・高設台から高さ1.4m前後(1.2~1.6m)、間隔2.5m~3.0m(2.5推奨)
土耕栽培の場合・・・地面から高さ1.8m前後(1.6~2.0m)、間隔2.5m~3.0m(2.5推奨)

LEDを導入し品質の高い作物を育ててきましょう

気象変化や天候不順による光量不足への備えをするために農業分野での白熱電球からのLEDへの切替導入が進んでいます。様々な製品がある中、どれを選ぶべきか迷うこともあると思いますので、今回のコラムが選定の一つの情報としてお役に立てれば幸いです。LEDを導入し生育を促進させ品質の高い作物を育ててきましょう。

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