コラム
農業補助金とは?就農者の自立・事業拡大を後押しする支援制度の特徴
2019.07.04

農業補助金とは?就農者の自立・事業拡大を後押しする支援制度の特徴

「農業はなにかとお金がかかる」と皆さんも感じていらっしゃるのではないでしょうか。特に新しく農業を始める新規就農者にとっては、土地・ハウス・各種農機具などの高額な設備や施設を一からそろえる必要があり、金銭面で不安になる場面が多いと思います。今回は農業に使える補助金(助成金)に関して、就農者の自立および事業拡大をサポートする支援制度の仕組みと特徴をご紹介していきたいと思います。

農業補助金の基礎知識

●農業補助金とは

農業補助金とは農業に関わる個人・法人・団体が活用できる補助金制度(補助事業の一つ)です。受給対象者はすでに農家として働く人から新規に農業を始めたい人まで補助金によって様々で、主に農林水産省や都道府県・市町村などの自治体や金融機関から支給されます。補助率は二分の一や三分の二など様々ですが、補助金を利用すればお得に設備投資ができますのでぜひ利用されることをおすすめします。補助金の情報は農林水産省や都道府県・市町村などの自治体、金融機関の関係機関のホームページ等に詳細が掲載されていることが多いので、定期的にチェックすることをおすすめします。またFacebook・Instagram等のSNS、お友達や生産部会のメンバーからの紹介で知ることもありますので同業者と密に情報交換をしておくと良いでしょう。

●農業補助金の探し方

農林水産省は「補助金等の逆引き事典」をホームページ上で公開しています。画面の案内に従ってチェックマークをつけていくだけで農業従事者が必要な補助金を知ることができる便利なツールとなっていますので、ぜひ一度ご活用ください。

●補助金を利用してできること

補助金を利用することで、就農に関する準備金、農業に使用する設備費・経費・農地購入費、また人件費や法人化にかかる費用など様々な用途に活用し課題を解決することができます。まずは補助金申請に向けた準備として、現状の課題を整理すると良いでしょう。ただし、補助金の種類によっては使い方が制限されている場合もあるので注意しましょう。

農業補助金の主な種類

農林水産省のホームページでは農業補助金の主な種類について紹介しています。
※本記載事項は2019年度版の情報です
※年によって要件が変わる可能性があるので、補助金の公式サイトを確認してください

●農業次世代人材投資資金(旧・青年就農給付金)

新規に就農を目指す人を対象に支給される農業補助金で準備型と経営開始型の2種類があります。

準備型
条件を満たした就農希望者に最長2年間、150万円(年間)を交付する制度です。都道府県が認定した農業大学や農業法人などで1年以上研修を受ける必要があります。

経営開始型
新規に就農する人が利用できる補助金制度です。農業を開始してから経営が安定するまで、最長5年間最大150万円の補助金を受け取ることができます。就農に強い意欲を持っていて、独立または自営就農であること、原則45歳未満の就農者であることなどの認定基準があります。

経営体育成支援事業
地域の中心経営体に対し、農業用機械等の導入を支援しています。一経営体が支援を受ける「融資主体補助型」は補助率が事業費の三分の一以内で、融資額は一経営体あたり上限300万円までとなっています。小規模農家や零細農家が運営する共同経営体に対しては「条件不利地域補助型」の支援があり、こちらは補助率が二分の一以内で、融資額は一共同体あたり上限4,000万円までとなっています。

返還義務のない補助金ではありませんが、以下のような融資制度もありますので、自己資金では経営改善が難しい場合に活用することができます。

青年等就農資金
日本政策金融公庫農林水産事業が行っている新規就農経営を開始する方へ向けた融資制度です。市町村から青年等就農計画の認定を受けた個人・法人が利用することができ、全期間無利子で融資を受けることができます。経営開始に伴って必要となるハウスの新設・増設や直売所の設置といった資材費などが対象となっています。融資額は上限3700万円、償還期限は12年以内です。

農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)
農業経営改善計画の達成に必要なための経営資金を融資する制度です。借入限度額は個人で3億円、法人で10億円となっています。金利が0.20%~0.30%(平成30年4月18日現在)と低金利で借入することができます。

農業近代化資金
JA(農協)が行っている融資制度です。農業者または新規農業者で、農業所得が総所得の過半を占めているか、農業粗利収益が200万以上あることなどの条件を満たした認定者が利用することができます。施設・農地の改良や規模の拡大などさまざまな用途に使用することができます。ただし都道府県ごとに認定条件が異なる場合がありますので注意してください。融資率は総事業費の80%または100%で、借入限度額は個人で1,800万円、法人で2億円となっています(例外有)。

農業補助金を利用するときのポイント

●将来の農業プランをイメージする

農業補助金は就農者が経済的に自立し、事業を拡大させていくための支援制度で、補助金の交付が終わった後に、農業で生計を成り立たせることを前提としています。受け取った補助金をどのように活かし農業経営を行うか具体的なプランと目的をイメージしておくことが大切です。

●制度の応募要項をチェックする

補助金を受けるためには原則設けられたすべての要件を満たす必要があります。利用する制度によって年齢や特定の研修の受講の有無、他に受給している補助金がないかなど、補助金により条件が異なりますので注意しましょう。受給後に規定の要件を満たしていないと発覚した場合は、補助金の返還を求められるケースがありますので、応募要項をくまなくチェックし不明点は担当窓口で確認すると良いでしょう。

補助金を上手く活用しステップアップ

農業経営をステップアップして行うためには先行投資が必要な場合があります。補助金や融資は種類が多くて調べるのが面倒ですが、返還義務のない補助金(助成金)や低金利の融資など条件の良い制度を上手く利用し後押ししてもらうことも大切です。補助事業制度を上手く活用し農業経営に役立てましょう。

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