コラム
農業補助金とは?就農者の自立・事業拡大を後押しする支援制度の特徴
公開日2019.07.04
更新日2021.01.31

農業補助金とは?就農者の自立・事業拡大を後押しする支援制度の特徴

「農業はなにかとお金がかかる」と皆さんも感じていらっしゃるのではないでしょうか。特に新しく農業を始める新規就農者にとっては、土地・ビニールハウス・各種農機具などの高額な設備や施設を一からそろえる必要があり、「資金が少なく経営が安定するだろうか?」「収入減少したら事業継続できるだろうか?」といった金銭面で不安になる場面が多いと思います。今回は農業に使える補助金(助成金)に関して、就農者の自立および農業経営者の事業拡大をサポートする支援制度の仕組みと特徴をご紹介していきたいと思います。

農業補助金の基礎知識

農業補助金とは

農業補助金とは農業に関わる個人や農業法人等の団体が活用できる補助金制度(補助事業の一つ)です。受給対象者はすでに農家として働く人から新規に農業を始めたい人まで導入補助金によって様々で、主に農林水産省や都道府県・市町村などの自治体や金融機関から該当する支援対象経費の一部が支給(補助)されます。補助率は二分の一や三分の二など様々ですが、返済不要の補助金を利用すればお得に設備投資ができますのでぜひ利用されることをおすすめします。

補助金の情報は農林水産省や都道府県・市町村などの自治体、金融機関の関係機関のホームページ等に実施要項の詳細が掲載されていることが多いので、定期的にチェックすることをおすすめします。またFacebook・Instagram等のSNS、お友達や生産部会のメンバーからの紹介で知ることもありますので、いざというときに相談ができるように同業者と密に情報交換をしておくと良いでしょう。

農業補助金の探し方

農林水産省は補助金等の逆引き事典をホームページ上で公開しています。画面の案内に従ってチェックマークをつけていくだけで農業従事者が必要な支援内容や補助額を知ることができる便利なツールとなっていますので、ぜひ一度ご活用ください。

補助金を利用してできること

補助金を利用することで、就農に関する準備金、農業に使用する設備費・経費・農地購入費、また人件費や法人化にかかる費用など様々な用途に活用し課題を解決することができます。まずは補助金申請に向けた準備として、現状の課題を整理し対象経費が何かを検討すると良いでしょう。ただし、補助金の種類によっては使い方が制限されている場合もあるので注意しましょう。

農業補助金の主な種類

農林水産省などのホームページでは農業補助金や融資制度の主な種類について紹介しています。

本記載事項は2020年度版の情報であり、年によって審査および交付要件が変わる可能性があるので、補助金の公式サイトを確認してください。

農業次世代人材投資資金(旧・青年就農給付金)

農業を始めよう!という方に向けた補助金です。新規に就農を目指す人(次世代の農業を担う人材)を対象に支給される農業補助金で準備型経営開始型の2種類があります。農業従事者の急速な高齢化により次世代を担う若手の人材が不足してます。このような課題を解決することを目的とした助成金です。

  1. 準備型
    条件を満たした就農希望者に最長2年間、150万円(年間)を交付する制度です。都道府県が認定した農業大学や農業法人などで1年以上研修を受ける必要があります。研修期間は1年につき概ね1,200時間以上です。
  2. 経営開始型
    新規に就農する人が利用できる補助金制度です。農業を開始してから経営が安定するまで、最長5年間最大150万円の補助金を受け取ることができます。就農に強い意欲を持っていて、独立または自営就農であること、原則49歳以下の認定就農者であることなどの基準があります。

参考:農林水産省ホームページ

経営体育成支援

設備に投資したい!という農家さんに向けた補助金です。地域の農業の担い手対し、経営発展に取り組む際に必要となる農業用機械や施設等の導入を支援します。

  1. 強い農業・担い手づくり総合支援交付金
    農産地の生産性向上や収益性向上など農経営発展のため、発展の状況に応じて必要となる農業機械や施設等の導入を支援します。以下の5つのタイプがあります。

    内容 上限金額 交付
    産地基幹施設等支援タイプ 20億円等 地方自治体が交付
    先進的農業経営確立支援タイプ 個人1,000万円、法人1,500万円等
    地域担い手育成支援タイプ 300万円等
    生産事業モデル支援タイプ 推進事業5,000万円 国が直接交付
    農業支援サービス事業支援タイプ 1,500万円
  2. 担い手確保・経営強化支援事業
    農産物の輸出といった販路開拓や、その準備に向けた取組をするなど、意欲的な農業経営体の発展を図ろうとする担い手に対し、農業用機械や施設の導入を支援します。ロボット・AI・Iotのスマート農業などの導入には重点的に支援する優先枠が設けられています。配分上限額は、個人1,500万円、法人3,000万円となっています。

参考:農林水産省ホームページ

農業融資制度も上手に活用

補助金や助成金とは違い返済義務はありますが、金乳機関からの通常の融資に比べて金利や担保面において優遇されている融資制度がありますので、上手に活用することで資金調達しやすくなり、安定した農業経営を行うことができます。未だ収入額の少ない小規模事業者が営農をパワーアップさせるためにも有効な制度です。

青年等就農資金

日本政策金融公庫農林水産事業が行っている新規就農経営を開始する方へ向けた融資制度です。市町村から青年等就農計画の認定を受けた個人・法人が利用することができ、実質無担保・無保証人、全期間無利子で融資を受けることができます。経営開始に伴って必要となるハウスの新設・増設や直売所の設置といった資材費などが対象となっています。融資額は上限3,700万円(特定限度額1億円)、償還期限は17年以内(借入れ元金の返済が発生しない据置期間は5年以内)です。

参考:農林水産省ホームページ

農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)

農業経営改善計画の達成に必要なための経営資金を融資する制度です。借入限度額は個人で3億円(複数部門経営等は6億円)、法人で10億円(民間金融機関との協調融資の状況に応じ30億円)となっています。金利が0.16%~0.20%(令和元年12月18日現在)と低金利で借入することができます。償還期限は25年以内(借入れ元金の返済が発生しない据置期間は10年以内)です。

参考:農林水産省ホームページ

農業近代化資金

JA(農協)が行っている融資制度です。農業者または新規農業者で、農業所得が総所得の過半を占めているか、農業粗利収益が200万以上あることなどの条件を満たした認定者が利用することができます。施設・農地改良や規模拡大などさまざまな用途に使用することができます。ただし都道府県ごとに認定条件が異なる場合がありますので注意してください。融資率は総事業費の80%(認定農業者)または100%(その他の担い手)で、借入限度額は個人で1,800万円(知事特認2億円)、法人で2億円となっています。

建構築物等造成資金、果樹等植栽育成資金、家畜購入育成資金、小土地改良資金、長期運転資金、大臣特認資金など資金使途によりそれぞれの資金が用意されています。

参考:JAバンクホームページ

農業補助金を利用するときのポイント

将来の農業プランをイメージする

農業補助金は就農者が経済的に自立し、事業を拡大させていくための支援制度で、補助金の交付が終わった後に、農業で生計を成り立たせることを前提としています。事業者が受け取った補助金をどのように活かし農業経営を行うか具体的なプランと目的を自分自身でイメージしておくことが大切です。

制度の応募要項をチェックする

補助金を受けるためには原則設けられたすべての要件を満たす必要があります。利用する制度によって年齢や特定の研修の受講の有無、他に受給している補助金がないかなど、補助金により条件が異なりますので注意しましょう。受給後に規定の要件を満たしていないと発覚した場合は、補助金の返還を求められるケースがありますので、応募要項をくまなくチェックし不明点は担当窓口で確認すると良いでしょう。

補助金を上手く活用しステップアップ

農業経営をステップアップして行うためには先行投資が必要な場合があります。補助金や融資は種類が多くて調べるのが面倒ですが、返還義務のない補助金(助成金)や低金利の融資など条件の良い制度を上手く利用し後押ししてもらうことも大切です。補助事業制度を上手く活用し農業経営に役立てましょう。

おすすめ記事
Tweets by SEIKO_ECOLOGIA
セイコーエコロジアのソリューション
お電話でのお問い合わせ
メールでのお問い合わせ