コラム
ブルーベリーの育て方│環境を整えて効率的な栽培を
公開日2021.01.09
更新日2021.07.13

ブルーベリーの育て方│環境を整えて効率的な栽培を

ブルーベリーは低樹高で防除回数も少なく比較的栽培のしやすい果樹です。鉢植えや自宅のお庭で気軽に栽培できるため家庭栽培でも人気のある樹種です。消費者の健康志向の高まりからブルーベリーに含まれるアントシアニンの機能性(目に良いと言われている)にも注目が集まっており、今後も需要が増える可能性があります。今回はブルーベリー栽培における基本的な知識とお手入れ方法をご紹介いたします。

ブルーベリー栽培の基礎知識

ブルーベリーとは

ブルーベリーとは北アメリカ原産のツツジ科スノキ属に分類される落葉低木果樹の総称です。栽培種は、野生種から苗木を選抜し改良したもの(ハイブッシュ系)と古くからネイティブアメリカンが食料として大切にしてきたもの(ローブッシュ系)に大別されます。日本では1950年ごろに農林省がハイブッシュ系ブルーベリーを導入し試験を行ったのが始まりといわれています。1980年代から果実として急速に普及しましたが、害虫が付きにくく、春から初夏には美しい花を咲かせ秋には紅葉も楽しめるため、食用だけでなく観葉植物としても人気があります。近年ではヨーロッパやアジアなどでも品質の良いブルーベリーの栽培が行われており、世界中に拡大しています。

ブルーベリーの栽培に適した環境とは

日当たりの良い場所
ブルーベリーは耐陰性があり半日陰でも枯れることはありません。しかし日光に対する感受性は強いようで午前中の日射量が不足すると花付が悪くなります。花付が悪くなれば必然的に実もなりにくくなります。日光が十分にあたる日当たりが良い場所を選びましょう。ただし、夏の午後の強い西からの日光はストレスと感じますので遮光してください。

風通しの良い場所
ブルーベリーは同一個体のなかで受粉ができるハイブッシュ系もありますが、ラビットアイ系は自家受粉性ではないため違う種類を混ぜ栽培することで、異なる株のめしべに受粉する他家受粉をしやすくなります。風通しが良い場所に植えてあげることにより結実確率も上がります。寒さに強く寒冷地でも育ちやすい性質ですが雪の重さで枝が折れることが多いため積雪には注意が必要です。

酸性土壌
多くの植物が中性〜弱酸性の土を好みますが、ブルーベリーは酸性の土壌でないと、栄養素がうまく吸収できず徐々に弱って枯れてしまいます。pHでいうと5.0程度の土でよく育つと言われています。土壌の酸性度をこまめに調べブルーベリーの栽培に適していない場合は酸度調整されていないピートモス(水苔やシダ類が堆積、炭化し固まったものを洗浄し、乾燥させ細かく砕いた有機質用土)などを土に混ぜて、pHを調整すると良いでしょう。

ブルーベリーの主な品種

原産国の南アメリカからカリブ海諸島をへて北アメリカに渡り進化して現在のブルーベリーになったといわれています。いくつもの系統に分化し食用として流通している品種は栽培種2つと野生種1つの3系統があります。日本で主に栽培されているブルーベリーは2系統の栽培種(ハイブッシュ系、ラビットアイ系)です。

1.ハイブッシュ系統
自家受粉性(花粉が同じ花の柱頭につくことができる)があるといわれています。この系統はさらにノーザンハイブッシュ系とサザンハイブッシュ系に分かれます。

1-A.ノーザンハイブッシュ系
寒さに強いが乾燥に弱い特性があります。ノーザンハイブッシュ系の主な品種はスパルタン・ブルークロップ・ハーバード・ノースランドなどです。果実は大きめで甘さと酸味のバランスが良い系統です。最も長く品種改良を続けてきた種類です。

1-B.サザンハイブッシュ系
暖かい気候を好むが過湿に弱い。サザンハイブッシュ系の主な品種はオニール・レガシー・シャープブルーなどです。温暖な地域でも栽培することができるように品種改良された種類のブルーベリーです。

2.ラビットアイ系統
他家受粉性があり異なる品種を混在させると生育に良いそうです。乾燥や高温に強く他の品種よりも果実にポリフェノールを多く含み、味は甘みが強い傾向があります。ラビットアイ系統の主な品種はブライトウェル・ピンクレモネード・ノビリス・ティフブルーなどです。実が熟す前に果実がウサギの目(Rabbit Eye)のように赤くなることから名づけられています。

3.ローブッシュ系
野生種のブルーベリーで樹齢を重ねても生育が遅いという特徴があります。20~40cmと背丈が低く、実も小さめです。小さな実には栄養が多く含まれており味も凝縮されています。

ハイブッシュ系 ノーザンハイブッシュ系 寒さに強いが乾燥に弱い。果実は大きめ。甘味と酸味のバランスが良い。
サザンハイブッシュ系 暖かい気候を好むが過湿に弱い。小さめの実が多くつく。
ラビットアイ系 乾燥や高温に強く他の品種よりもポリフェノールを多く含む。甘味が強い。
ローブッシュ系 樹齢を重ねても生育が遅い。実は小さいが味や栄養が凝縮されている。

ブルーベリーの収穫時期

ブルーベリーの収穫時期は品種によって異なります。露地栽培の場合、収穫時期は寒冷気候で育てやすいハイブッシュ系統については6月上旬~7月下旬、温暖気候で育てやすいラビットアイ系統については7月上旬~9月上旬、ローブッシュ系は7月上旬~7月下旬が目安といわれています。ブルーベリーは落葉樹のため、落葉期である冬場は葉を落として休眠期に入ります。

ブルーベリーの育て方とポイント

ブルーベリーの育て方

酸性の土壌を好む
ブルーベリーはpH5.0前後の酸性土壌を好むのでまずは土壌の酸度を調べることが必要です。中性や弱酸性の土壌では栽培が難しく枯れてしまうことがあります。酸性濃度を調べるにはpH測定器を使用します。測定場所が数メートル移動しただけでも数値が変わることがありますのでこまめに測定を行うと良いでしょう。

測定の結果、土壌が中性や弱酸性であった場合は、ブルーベリーの栽培に適した土づくりが必要です。土を酸性寄りにするためにピートモスを使用します(市販されているブルーベリー専用の土はピートモスを主原料として作られています)。ピートモスは繊維分が多く軽いため水持ちを良くするほかに土をやわらかくする効果もあり通気性・排水性・保湿性に優れています。現在使用している土にピートモスを混ぜて土のpH値をさげましょう。ピートモスを混ぜたあとは酸性度が強くなりすぎていないか測定器でチェックをすることをおすすめします。酸性が強くなりすぎると生長を阻害することがあることや水持ちが良くなりすぎて根腐れをおこしやすくなることがありますので注意してください。

もともと酸性の強い「鹿沼土」という土もありブルーベリーとの相性が良いといわれています。ほぼ無菌状態で盆栽や挿し木に使われることもありお店やインターネットなどで購入することができます。

植え付けの時期は?
地植えする苗は2年目以降のものが良いと言われています。ブルーベリーは太陽の光を好みますので日当たりを確保できる場所に植えましょう(ただし強すぎる西日は注意が必要です)。植え付けに適している時期は早春または秋と言われています。休眠期と言われる1~2月は避けて芽や根の生長が止まり始める休眠期の初期や後期に苗を植えると良いでしょう。ブルーベリーの根は地表近くを横に広がる性質があるので、根が横に伸びる場所を確保できるように穴の位置を決めて植えてください。植え替えは厳冬期を避け休眠期に入った11月頃、または暖かくにあり始めた3月頃が目安です。

水やりは頻繁に
ブルーベリーの根はとても細い繊維根です。根は浅く横に広がっていき下へ伸びず上にあがってくる性質があります。上部に上がってきた根が日にさらされると樹が弱ってしまいます。根が浅い場所にあり乾燥しやすいため頻繁に水を与える必要があります。水やりの際、泥が跳ねて茎や葉に飛び散るとカビや病害虫の発生する原因になりますので注意しましょう。水を与えすぎると根腐れの発生や根の生長を阻害する可能性がありますのでバランスを見ながら行ってください。水はけ・水切れのよい土壌も必要です。冬は休眠期にあたり葉を落しているため葉から水分を蒸発する蒸散がありません。そのため水を必要とせず根からの吸収も少なくなります。水やりは控えめにしましょう。

施肥はタイミングが大切
ブルーベリーは暖かい季節になると発育が促進されます。そのため寒い時期に施肥をしておくと春先に新しい根がたくさん出てきて樹の生長が活発になります。休眠期である時期に肥料を与えることで肥料が土の中で分解され春の成長期に効果が出始めます。夏の暑さが過ぎた初秋から紅葉の時期も生長が活発になりますのでこの成長期にあわせて追肥を行うと良いでしょう。樹に十分な栄養を与えることで収穫量や味に良い影響を与えます。春先に与える肥料を芽出し肥、秋口に与える肥料をお礼肥と言います。

日当たりや風通しを良くする剪定方法(摘心方法)
枯れた枝や病害虫の被害を受けた枝は取り除きましょう。樹の中の日当たり、風通しを良くすることで病気や病害虫の発生を予防します。枝の若返りを促し、開花・着果を促進します。ブルーベリーのような落葉樹は葉のある時期に太陽の光を浴びて養分を作り出していますのでその時期にはあまり剪定を行わずに葉を落す休眠期を中心に剪定を行うと良いでしょう。ブルーベリーの芽は花が付く花芽と葉だけがつく葉芽がありますので、剪定のときに枝先全てを切り詰めてしまうと花が咲かず果実もできません。花芽は大きく膨らんでいて20cm未満の長すぎない枝の先端付近につきやすいといわれています。状態を確認しながら剪定を行いましょう。株の根元から生えてくる若芽、枝同士が重なっている枝、横に伸びている枝、生長していない弱い枝を中心に剪定を行い管理しましょう。

マルチングで乾燥を防ぐ
ブルーベリーの根は浅く表土付近に広く分布し乾燥に弱いため、株元を覆い蒸発をふせぐマルチングをおこないます。マルチングの種類は木材チップ・バークチップ・腐葉土・籾殻などがあります。根の乾燥防止の他に凍結、雑草発生、地温上昇などを予防します。また水分を含んで湿りますので水やりの回数を減らすことができます。ただし日が当たらない場所でマルチングを行うと虫が集まってきやすくなりますので注意してください。

ブルーベリー栽培のポイント(注意点)

  1. pH5.0前後の酸性の土壌を用意する
  2. 昼間の日射量多く風通しの良い場所に地植え(苗は2年目以降のもの)する
  3. 根が乾燥しやすいため水やりはこまめに行う
  4. 春先と秋口に施肥を行う
  5. 休眠期を中心に剪定を行う
  6. マルチングを行い根の乾燥を防ぐ

ブルーベリー栽培で注意したい病害虫と対策

ブルーベリーは栽培環境が適していれば手がかからず、木を弱らせなければ病害虫が近づきにくい植物です。土壌の酸性度管理と排水性に気を配りつつ、根を乾燥させないようにしましょう。

ブルーベリーに発生する病気

灰色カビ病(糸状菌)
樹勢が落ち免疫系が弱ってきたり、葉が密生して風通しが悪い場所を放置したりすると、灰色カビ病などのカビ菌に感染してしまうことがあります。花がらや未熟果に暗褐色で水浸状の病斑ができ、ほかの未成熟果に感染し、腐敗させ収量がおちてしまいます。

斑点病(細菌)
果実・茎・葉に赤色のリング状の病徴があらわれます。症状が発生する時期は、茎(春~初夏)、葉(秋)、実(成熟期)と場所により異なります。発病すると商品価値が低下し25%減収したとの報告もあるようです。ブルーベリーだけでなく多くの植物が斑点病にかかります。

葉枯病(糸状菌)
葉に輪紋状(同心円状)の葉枯が生じ、早期に落葉してしまう病気です。

菌核病(ウイルス)
葉や新梢(樹木の先端)が腐敗・枯死して茶褐色になります。発病部の新梢に菌核が形成され、胞子が飛散し伝染します。

日本のブルーベリーの病気は原因があまり解明されていません。特にウイルス性の病気は薬剤による防除が難しいといわれていますので早期発見が大切です。

ブルーベリーに発生する害虫

コガネムシ
幼虫は根を食害します。根をくいつくすため放置すると枯死するおそれがありブルーベリー栽培の天敵といわれています。食害を受けた株は成長期に新芽が展開しなかったり、葉が黄色くなったりします。成虫も葉を食害し、それ自体は深刻なダメージにつながることは少ないようですが、成虫がいるということは幼虫が増える要因になっていますので、丁寧に駆除することが大切です。

イラガ
葉を葉脈を残してレース状に食害します。緑のトゲがたくさん生えていて、刺されると電気が走るほどの痛みになります。6月~9月ごろに発生します。

カメムシ
新芽が加害されると茎が変形し新しい葉が奇形となり、枝全体が生育不良となります。成虫は果実を吸汁し腐敗させます。

ハマキムシ
新芽を好んで食害し、葉が巻いてしまうため光合成が行われなくなり枯れてしまいます。

ヨトウムシ
ヨトウガの幼虫です。昼間はマルチの下や土の中に隠れています。夜に活動し始め、葉や花芽を急速に食害します。成虫になると薬剤耐性が強くなるため、初夏~秋にかけて発生する幼虫期の駆除が大切です。

その他にもアブラムシ・カイガラムシなどが発生する可能性があります。害虫以外にも野鳥が果実を食べることもあるため、対策が必要です。

病害虫への対策方法

病気への対策
病気にかかっている部分を切除すると同時に、殺菌剤を活用し菌を取り除きましょう。樹勢が弱っているのが確認されたら、環境改善に取り組むと良いでしょう。

ウイルス病は、現在の研究では感染経路が特定されていません。挿し木用の穂木や接ぎ木でも感染しますので注意してください。接触感染するという情報もありますので、株ごと樹を切除し焼却処分するほうが良いでしょう。

害虫や鳥への対策
取りついている害虫の数が少ない場合は手やテープなどでこまめに取り除きましょう(通称「テデトール」)。イラガは手ではとらず割りばしなどで除去してください。大量発生した場合は、殺虫剤を散布し駆除しなければなりません。害虫によって薬剤を選択し、効果が高いものを散布しましょう。

ヒヨドリなど鳥はエサがある場所を覚えると頻繁にやってきます。対策には防鳥ネットをかけるのが効果的です。

ブルーベリー栽培に役立つ製品

1.モスバリア
モスバリアジュニアⅡグリーンは、夜間点灯することによりハマキムシの成虫(ハマキガ)が昼間と勘違いをして活動をしなくなります。日中は自然の中に溶け込み天敵の捕食から逃れようとするガの習性を利用し行動が抑制されるため交尾・産卵が抑えられ世代交代を防ぎます。ハマキムシを死滅させる農薬とは違いますので、薬剤散布のコストや作業労力を軽減します。上手に活用すれば農薬の削減につながるので、無農薬や減農薬を目指している農家さんにもおすすめです。また薬剤耐性により効果がうすれるという心配もなく、LED電球のためランニングコストも抑えられ長期間にわたり利用することができます。電源があれば設置するだけなので、設置後はほとんど手がかかりません。余った時間を他の作業にあてることができ効率的です。電源が取れればつるすだけですぐに設置ができ1台で半径15mの範囲に1ルクスを照射します。日の入り1時間前から日の出1時間後までのおよそ12時間程度照射することでハマキガが昼間と認識し行動が抑制されます。

▶モスバリアジュニアⅡクリーンの説明動画はこちら

導入事例:Blueberry Park(ブルーベリーパーク)様

千葉県成田市のブルーベリーパーク様ではモスバリアジュニアⅡグリーンを8機導入していただいております。モスバリアを設置する前はハマキムシが大量発生し、当初は手作業で取り除いていたそうです。モスバリアを設置すると発生数が10分の1程度に抑えられ非常に喜んでいただいております。

2.補光用・日長延長用LED電球
施設栽培でブルーベリーを育てていて日射量が足りない場合はLEDで光を補うと良いでしょう。LED電球は消費電力が少なく長時間照射できランニングコストを抑えられます。放熱が多く農作物の生育を阻害することがある蛍光灯やナトリウムランプと違い発光側にはほとんど発熱をしないためビニールハウス内が温まりすぎないというメリットもあります。寿命も長いため交換の手間もかからず理想的な電照が可能となります。低消費電力でありながら照度が高く、明け方や夕暮れ時にも適度な明るさを確保するため、農作業の効率が落ちることもありません。ほとんど紫外線も出さず害虫の行動が抑制される効果も期待できます。

3.根活
ブルーベリーの根は横に広がって地表近くにあるため、他の植物に比べて根がダメージを受けやすい傾向があります。そこでご紹介したい製品は、根っこ自体を元気にするナノバブル植物活性水「根活」です。根活は栄養を吸収しやすくするための手助けをする水です。水の中に含まれた微細の泡はマイナス電荷を帯びていてプラスイオンの栄養を引き寄せます。泡のサイズは細胞より小さいため栄養素を吸収した泡が植物の細胞内に浸透しやすくなり植物を元気にすると考えられています。継続的に利用すると根っこ自体が元気になり太く丈夫に生育します。また土壌の微生物が増えるという研究結果もありますので土壌改良につながる可能性もあります。

LED電球と根活を活用してポイントを抑えたブルーベリー栽培


ブルーベリーは比較的丈夫で育てやすい果樹です。LED電球根活を活用してポイントを抑えて栽培することで、収量を増やすことができますので今回ご紹介した内容をお役立ていただけましたら幸いです。

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