芝生のメンテナンスは種類に合わせるのが鉄則!
日本で主に使われている芝生は3種類あり、それぞれに特性が異なるため管理方法も変わってきます。まずは、それぞれの芝生の特徴と簡単にメンテナンスのポイントを知っておきましょう。
3種類の天然芝
日本の天然芝で良く見られるのは、「日本芝」と「寒地型西洋芝」、「暖地型西洋芝」の3種類です。それぞれ次のような特徴があります。
暖地型 | 寒地型 | ||
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日本芝 | 西洋芝 | ||
生育適温 | 24~35°C | 10~24°C | |
特徴 | ・耐乾性が高い ・日陰でも育つ ・生長が遅い (すり切れの回復が遅い) ・台風による塩害に強い |
・葉が細く繊細で柔らかい ・生長が速い |
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・耐暑性が高い (寒さに弱くおよそ10℃以下で生育停止) ・耐踏圧性が高い ・冬に冬眠に入り、地上部が枯れる (春になると新しい葉が伸びてくる) |
・冬も常緑 ・高温多湿に弱い (暑さで枯死することがある) |
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代表例 | ・コウライシバ(高麗芝) ・ノシバ(野芝) ・ビロードシバ(キヌシバ) |
・ティフトン (バミューダグラス系) |
・ケンタッキーブルーグラス ・ベントグラス ・ペンクロス ・ペレニアルライグラス |
使用場所 | 主に本州以南 | 主に関東以北 ※北海道ではほとんどが寒地型 |
それぞれの芝生で適切な管理方法が異なります。日本芝は比較的管理が容易で日本の気候に適しています。また西洋芝は生長が速いため日本芝に比べて頻繁な手入れが必要です。芝生を選択する際には、こういった特徴を考慮することが重要です。
芝生のメンテナンス方法一覧
芝生を健康的に美しく保つためのメンテナンス方法には、次のようなものがあります。
芝刈り | 芝生の高さを適当な高さ(一般に2〜3cm程度)に保つために定期的に刈り込みます。成長が早い時期には頻繁に行う必要があります。 |
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目土入れ | 芝生の根元に目土(や目砂)を入れて凹凸をなくします。葉を細く直立させ芝生の生育を均一にします。根付きや初芽を促進する効果が期待できます。エアレーション後の根の乾燥を防ぐという役割もあります。 |
施肥 | 適期に粒状肥料や液状肥料を与えて、芝生の生育に必要な栄養を補給します。 |
水やり | 土壌が乾燥した際に十分な水を与えます。特に夏場はこまめな水やりが必要です。 |
雑草対策 | 雑草は見つけ次第手作業で除去し、必要に応じて除草剤を使用します。特に成長期には注意が必要です。選択制除草剤は、雑草だけを枯らすことができます。 |
病害虫対策 | 病気や害虫の早期発見が重要です。症状が見られた場合は、適切な薬剤で対処します。主要な害虫としてスジキリヨトウ・シバツトガ・タマナヤガ・シバオサゾウムシ・ヒメコガネ・ドウガネブイブイ・ケラなど。 |
エアレーション | 土壌の通気性や排水性を高めるために芝生に穴を開けます。密集した根がほぐされたり、空気が土の中に供給されたりすることで、根の成長を促進する土壌環境を整える効果が期待できます。スパイクの底のような先端がとがったエアレーターという道具で作業します。 |
サッチ除去 | サッチ(枯葉や草の残骸)の蓄積は、芝生の生育阻害や病害虫の温床に繋がるため除去します。 |
除雪 | 雪の重みで芝生が傷まないよう、積雪時にはこまめな除雪が必要です。寒地型芝のように冬期に枯れない状態で積雪にさらされると雪腐病(ゆきぐされびょう)を発症するリスクがあります。 |
凍結対策 | 凍結前には凍結防止剤を散布し、凍結による芝生の損傷を防ぎます。 |
これらの作業は、芝生の種類や生育状況、季節によって適切な頻度や方法が異なります。後述する章で詳しい作業内容も併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。
芝生の年間メンテナンスカレンダー
環境や品種によって異なりますが芝生は、暖地型であれば11月~2月頃から(寒地型の休眠期は1月~2月頃から)冬季の休眠期に入り、3月頃から生育期を迎えます。高温多湿の夏は芝生にとっては過酷な環境のため生長が衰えますが、夏を乗り切ると休眠期前の10月頃再び生育期を迎えることになります。その時期にあわせたメンテナンスを適切に行うことが、美しい芝生を保つ秘訣です。具体的には、それぞれの芝生は次のようなスケジュールでメンテナンスしていくことになります。
芝の手入れのポイント
芝生の種類によって、どの時期にどのような手入れが必要になるのかが変わります。それぞれの芝生ごとの手入れのポイントについてもう少し詳しく見ていきましょう。
日本芝の手入れのポイント
日本芝は、夏は青々と茂りますが、秋から成長が衰え次第に枯れていきます。しかし、表面は枯れていても土の中では根は生きているため、休眠前の9〜11月ごろに肥料をしっかり与えておけば、翌年の春の成長が良くなります。
春 (2月〜5月) |
2月末〜3月初めに、土の表面の凹みをなくすことと発芽や発根を促進させる2つの目的のために目土を入れます。目土を入れたら窒素中心の肥料を散布し、春の施肥を行いましょう。また、根の密集しすぎを防ぐため、地面に穴を開けてエアレーションも行ってください。害虫などにも注意してください。 |
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夏 (6月〜8月) |
夏場の日本芝は成長が旺盛なため、こまめな刈り込みが必要です。2〜3cmの高さを保つようにしてください。6月と8月頃にはそれぞれ施肥を行います。また、長期間雨が降らない場合は水やりも必要です。常に湿った状態では病気になってしまうこともあるため、適度な水やりを心がけてください。 |
秋 (9月〜10月) |
秋は、引き続き適切な高さを保つような刈り込みを行います。特に雑草が多く虫の被害も起こりやすい時期なので注意しましょう。 |
冬 (11月〜2月) |
日本芝は、この時期は休眠期となります。刈り込みや水やりは基本的に不要です。落ち葉等は拾うようにしてください。 |
暖地型西洋芝の手入れのポイント
暖地型西洋芝のメンテナンスは、日本芝のメンテナンスと似ています。暑さに強く夏場はぐんぐん伸びますが、冬季は枯れるためほとんどの手入れが不要になります。
春 (3月〜5月) |
3月から芽出しが始まるため、早めに施肥(窒素を多く含むもの)を行い、栄養を補給させましょう。4月からは病原菌や害虫の活動が活発になるため、定期的にチェックし、必要に応じて対策を講じるようにしてください。 |
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夏 (6月〜8月) |
夏場は水不足に注意しながらこまめな水やりが必要になります。特に真夏は蒸散量が多くなるため、早朝や夕方に水やりを行うようにしましょう。また、この時期の芝生は成長が旺盛なため、週1回程度での刈り込みが必要になります。 |
秋 (9月〜11月) |
9月には芝生の成長は少し鈍化しますが、まだ刈り込み等のお手入れは必要です。10月には冬支度として施肥(カリウムを多く含むもの)を行い、芝生の健康を保つようにしましょう。秋も雑草が生えやすい時期です。除草作業を怠らないようにしましょう。 |
冬 (12月〜2月) |
芝生はほぼ休眠状態となるため、ほとんどの手入れは不要です。ただ、虫の温床にならないためにも落ち葉等は拾ってください。 |
寒地型西洋芝の手入れのポイント
寒地型西洋芝は、冬場も常緑で美しい庭を保てる天然芝です。芝生の伸びが早く、こまめな刈り込みが必要になります。また、夏場の乾燥に弱いので、水切れには特に注意するようにしてください。
春 (3月〜5月) |
3月から成長が始まるため、窒素を中心とした施肥を行います。エアレーションで土壌を耕し、根の成長を促しましょう。成長期に入るため、週1回程度の頻度で刈り込みを行います。刈り高は3〜5cm程度が理想的です。 |
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夏 (6月〜8月) |
寒地型芝生は暑さに弱いため、こまめな水やりが必要です。毎日または2日に1回程度行うようにしてください。また、夏場は高温多湿の環境なため、病害虫が発生しやすくなります。定期的な点検と対策を行いましょう。 |
秋 (9月〜11月) |
秋は2回目の成長期となるため、再び施肥が必要になります。カリウムを含む肥料を使用し、冬への耐性を高めます。夏の踏圧で固くなった土壌を改善するため、エアレーションと目土入れも行いましょう。 |
冬 (12月〜2月) |
常緑ではありますが、休眠期のため、手入れはほとんど冬雑草の除草や落ち葉拾いだけになります。ブルーグラスやフェスク類などは特に寒さに強く、雪に覆われる環境でも適応できますが、長期間雪に埋もれていると光合成できずに弱ってしまうこともあります。また、長期間積雪にさらされると雪腐病(ゆきぐされびょう)を発症するリスクが高く、雪解けとともに腐った芝が現れます。9月以降に窒素や有機質の肥料を多用したり、芝刈後の残渣を放置したりすると、発生を助長する傾向があるようです。 |
芝生の具体的なメンテナンス方法
ここからは、それぞれの芝生のメンテナンス方法について具体的に解説していきます。
芝刈り
芝刈りは、芝の種類や時期にあわせて定期的に行いましょう。芝が予定の刈高の2倍程の長さになったら刈り始めの合図です。一般的に美しく見える芝の刈高は2~4cm程度とされています。
芝刈りに必要なもの |
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芝刈り機 |
庭などの広い場所で使用する芝刈り機には手動で操作する手押し式や自走式(いわゆるロボット芝刈機)等があります。手押し式には、ガソリンや電気(バッテリー)で駆動するタイプと、人力で芝刈機を前に動かすと刃が回転するタイプのものがあります。芝刈の範囲が10~30㎡程度で作業時に騒音を発生させたくない方は人力のものがおすすめです。手押し式は小回りがきくため思い通りの仕上がりになりやすく、自走式は自動で刈り取れるため手間や時間を省力化することができます。 |
刈り込み道具 |
長く伸びてしまった芝や細かい場所の芝を刈る時には、鎌や両手バサミを使用すると便利です。力作業が苦手な方は、バリカン式の草刈り機もおすすめです。 |
掃除道具 |
刈った後のゴミは、残っていると病気の原因や害虫の温床になってしまうため、竹ぼうきやレーキ(熊手)で集めます。ローラーレーキのように、簡単にサッチが取れるアイテムもあります。 |
保護具 |
芝刈りの時には芝や小石が飛び散ることもあります。長袖長ズボンで軍手などをつけておけば、作業中の怪我や日焼けを予防できます。 |
芝刈り方法をステップごとに解説!
1.芝刈りの前の準備
芝刈り前に、芝生の中に石や枝などの異物がないか確認し、取り除いておきましょう。芝刈り機に損傷を与えたり、怪我の原因になったりする可能性があります。また、雨が降った後や朝露などで芝生が濡れている場合は、乾いてから刈るようにしましょう。濡れた芝生は刈りにくく、芝刈り機の目詰まりの原因にもなるためです。
2. 刈り高さの調整
芝の種類や季節によって適切な刈り高さが異なります。一般的に、夏場は短めに、冬場は長めに刈り込むのがおすすめです。刈り高さの目安は、芝生の高さの半分程度を刈り取るようにします。芝刈り機に刈り高さ調整機能が付いている場合は、適切な高さに設定しましょう。
3. 芝刈り開始
広い平らな場所からスタートし、直線を意識して芝刈り機をゆっくりと動かします。芝の葉の向きは一定ではないため複数の方向から刈ることが重要です。また、刈りすぎないために数日かけて少しずつ刈り進めるのがポイントです。5cmから2.5cmにしたい場合、まず3.5cmに刈って、数日後に2.5cmに刈るというように調整してみましょう。芝刈り機が届きにくい芝生の端は、ハサミやバリカン式の芝刈り機などを用いると簡単に刈り揃えられます。
4. 刈り残しに注意
芝刈り機は、往復させて刈ると、刈り残しが発生しやすくなります。同じ場所を何度も往復させるのではなく、少しずつずらして刈るようにしましょう。また、斜面などを刈る場合は、特に刈り残しに注意が必要です。斜面に沿って、ゆっくりと丁寧に刈り進めましょう。
5. 後片付け
芝刈りが終わったら、集草バッグに溜まった刈り草を捨てます。刈った後のゴミは、病気や害虫の発生を防ぐためにも必ず取り除きましょう。芝刈り機に付着した芝や泥も、キレイに掃除してください。
施肥
春先に芝生の生育を促進するためや冬前に芝生に栄養を与えるために行う施肥ですが、芝生の種類や環境によって、適当な施肥の時期や回数は異なります。上記のカレンダーを参考にして適切な時期に行うようにしましょう。栄養の三大栄養素としては窒素・リン酸・カリがあり、バランスの良い施肥が必要です。ただし、芝はいわゆる耕作作物とは異なり、葉や根の成長による収穫が目的ではないため、肥料が多ければ良いというわけではありません。もっとも重要なことは、芝の密度や緑色保持ですから、土壌が肥沃だと過剰に生長し、かえって管理が難しくなる可能性があります。また過剰施肥による弊害もあり、例えば窒素を過剰に施肥すると、地上部が過度に繁茂し根の発達不良を招きやすく、根が未成熟な状態で刈込すれば、再生不良を引き起こし耐乾性や耐寒性が低下すると考えられています。
施肥に必要なもの |
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芝生用肥料 |
粒状肥料(固形肥料)をベースに使用し、液体肥料を補助的に使用します。肥料には有機肥料と化成肥料があり、有機肥料は遅効性、化学肥料は即効性といった差異があります。基本の肥料は有機肥料、すぐに肥効を与えたい場合には化学肥料と考えると良いでしょう。窒素には葉や茎を成長促進する作用が、リン酸には根や枝分かれを促進する作用が、カリウムには病気や環境変化への抵抗力向上作用があります。春には窒素を中心に、冬前にはカリウム中心の肥料を散布してあげましょう。 |
肥料散布器 |
肥料の散布器は、手持ちタイプや背負うタイプ、手押しタイプや自走タイプなど様々です。庭くらいの大きさなら手持ちタイプが使いやすいでしょう。また、手押しタイプは腰の負担がかかりにくいです。自走タイプならエンジンなどの駆動により重たい肥料を人力で押す必要がないため、大きな面積の芝生の管理も楽になります。 |
肥料量の測定用品 |
肥料の量を測るために計量カップ等を用意しましょう。肥料の量は芝生の面積でも変わるため、必要ならメジャーも用意してください。 |
保護具 |
軍手やマスク等の保護具を用意してください。 |
施肥方法をステップごとに解説!
1.肥料の量
芝生の種類や状態、使用する肥料によって、適切な施肥量が異なります。肥料の説明書をよく読み、適切な量を施肥するようにしましょう。過剰な施肥は、芝生の肥料焼けや過多症を引き起こす原因となってしまうため避けてください。
2. 肥料の散布方法
肥料は均一に散布することが大切です。肥料散布器を使用すると、簡単に均一に散布することができます。肥料散布器がない場合は、手でも撒けますが、均一に撒くのは難しいので、少量ずつ、数回に分けて撒いてください。近隣に住宅がある場合などは、風向きにも注意し、肥料が飛散しないように気をつけましょう。
3. 施肥後の水やり
施肥後はたっぷりと水やりをしましょう。水やりをすることで、肥料が芝生の根に浸透しやすくなります。
目土入れ
目土入れをすると、芝生の根張りがよくなり、乾燥や寒さに強い芝生を手に入れることができます。また、芝生の凸凹をなくして排水性を上げることにも繋がるため、健全で美しい芝生にするためにはマストのお手入れとなります。目土入れは年に1~2回程度の頻度が推奨されているので、年間メンテナンスカレンダーを参考に適切な時期に挑戦してみてください。
目土入れに必要なもの |
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芝生専用の目土 |
芝生専用の目土には、砂状、粒状、黒目土などがあります。水はけは、砂状・粒状・黒目土の順番で優れています。肥料入りの目土もありますが均一に散布しないと芝の生長にばらつきがでる可能性があります。それぞれの芝生の状態や目的に合わせて選ぶようにしましょう。以前は黒ボク土が主流でしたが、現在はバランス型の粒状タイプや、水はけに優れた川砂や山砂などの砂状タイプも用いられているようです。海砂は塩分が含まれおり根が傷む原因となりますので避けてください。 |
掃除道具 |
目土入れをする前には、雑草の処理や芝刈り、エアレーションを行うことが望ましいです。その際に出たサッチを掃除する必要がありますので、熊手や竹ボウキ、トンボ、サッチ取りなどを用意しておきましょう。 |
目土を均す道具 |
撒いた目土を均すための道具も必要です。上記の熊手やトンボ、竹ボウキは目土を均す作業にも使えておすすめです。 |
目土散布機 |
広い庭を手入れする場合、散布機を使用するのがおすすめです。散布機を利用すれば、均一に目土を撒くことができます。種まきや融雪剤、肥料や農薬散布など幅広い用途で使うことができておすすめです。 |
水やり道具 |
芝生の目土入れをした後は、芝生に水を与えます。散水用のホースや水やり用のスプリンクラー、ジョウロなども用意しておきましょう。 |
目土入れの方法をステップごとに解説!
1. 芝の刈り込み
目土入れ前に芝刈りをしましょう。大体3cm程度の高さになるようにしてください。
2. 清掃
刈り取った芝や芝生上の落ち葉やゴミを取り除いてください。サッチ(枯れた芝生の茎や根)を除去することも重要です。また、エアレーションも行う場合は、このタイミングで行ってください。
3. 目土の散布
芝生の上に、目土を厚さ3mm程度薄く均一に撒いてください。手で撒くよりも、目土散布器を使用するほうが均一に撒けるのでおすすめです。
4. 均し作業
熊手やトンボを使って目土を均一に広げてください。芝生の葉が見える程度に調整するのがポイントです。
5. 隙間への充填
芝生の隙間や凹んだ部分に、部分的に目土を入れてください。凹んでいる部分を他の地面と同じ高さになるよう調整しましょう。
6. 水やり
目土入れをした後は、たっぷりと水やりを行ってください。せっかく撒いた目土が流されないよう、ホースの水圧を弱めてシャワーなどにし、優しく散水するようにしてください。目土入れをした後は、必要に応じて水やりを行いながら、1〜2週間ほど様子を見るようにしましょう。
エアレーション
土壌に穴を開けるエアレーションを行えば、土の中へ空気を送り込むことができます。畑のように土壌を耕すことが難しいため、空気を送り込んで定期的に土壌をリフレッシュさせる必要があります。根は土の中で酸素を利用して呼吸をしているので、エアレーションを怠ると土が固くなり酸素が不足します。すると芝の根が不健康になり養水分を吸収できなくなります。エアレーションでは、あけた穴をふさぐために目土を施しますが、この目土に腐植物質を含んだ土壌改良材や、籾殻燻炭などを用いると土壌の微生物が活発になり土質が良くなる効果が期待できます。作業後は芝生の見た目が一時的に悪くなりますが、長期的にはふかふかで健康的な芝生が密に生えるようになるため、ぜひ行いましょう!
エアレーションに必要なもの |
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エアレーション専用器具 |
エアレーションは、タインエアレーター(穴あけ器)やローンスパイク(足で踏み込んで使用)、エアレーター(ローラータイプ)などの専用器具があります。「年に1、2回しか行わない作業のために買うのも…」という方は、マイナスドライバーやフォークでも代替することが可能ですが、穴を大きくあけるコアリングのほうがより多くの空気を取り込めることができ、土壌改善には効果的とする意見もあるようです。 |
保護道具 |
エアレーション作業は、鋭利な器具を用いることになります。ケガをしないように、軍手はしておきましょう。 |
目土 |
エアレーションで空いた穴を埋めるために目土も必要になります。エアレーションと目土入れは、セットで行うとより効果が高まるため、ぜひまとめて行うようにしましょう。 |
目土を均す道具 |
エアレーションで空いた芝には目土を入れることになるため、レーキ(熊手)やスコップなどの目土を均すための道具を用意しましょう。 |
水やり道具 |
エアレーションの後は水やりを行うため、ホースや水やり用のスプリンクラーも用意しておきましょう。 |
エアレーションの方法を解説!
1.エアレーションの方法
芝生に穴を開ける道具で、芝生全体に均一に穴を開けていきます。エアレーションの間隔は7cm以下が推奨されており、より細かい間隔の方が効果的です。深さは通常5~10cm程度が適していますが、時々より深く(15cm程度)エアレーションを行うことで、より深い土壌層にも効果を与えられます。
2.エアレーション後の処理
エアレーションを行った後は、目土を入れると、土壌の表面が平らになり、芝生の生育が促進されます。目土は、芝生の種類に合ったものを選びましょう。また、エアレーション後は、たっぷりと水やりをしてください。水やりをすることで、土壌に空気が入り込みやすくなります。
水やり
芝生は適切な量の水を与えるのが重要で、水の与えすぎで根腐れ等の病気に、与えなさすぎでも黄色くなったり葉が縮れたりと脱水症状になってしまいます。少量で頻繁にするよりも、週2回程度のたっぷりとした水やりを行うようにしましょう。
水やりに必要なもの |
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散水ホースと |
庭やマンションの規模での水やりでおすすめなのが、ホースでの水やりです。散水ノズルをホースに取り付ければ、散水の幅や圧力を調整できるので水やりの効率も上げられます。 |
スプリンクラー |
広い芝生の場合は、スプリンクラーがあると便利です。暑い時期や蚊が多い時期には特に活躍するでしょう。選ぶ際には水が届く範囲を確認することを忘れないようにしてください。 |
ジョウロ |
小規模なエリアや特定の場所への水やりなら、ジョウロでも対応可能です。ただし、重労働になる可能性がありますので、無理をしないようにしてください。 |
水やり方法を解説!
1.水やりのタイミング
芝生は、土の表面が乾いたら水やりをするのが基本です。夏場は、朝夕の涼しい時間帯に、冬場は日中の暖かい時間帯に水やりをするのがおすすめです。土壌の表面が乾きやすい場合は、回数を増やして水やりをするようにしましょう。
2. 水やりの量
芝生は一度にたっぷりと水やりをするのが効果的です。ただし、水はけの悪い土壌の場合は、根腐れの原因となりますので、注意が必要です。水はけが悪い場合は、水やりの量を減らすか、水はけの良い土壌に改良する必要があります。
3. 水やりの方法
散水ホースで水やりする場合は、芝生全体に均一に水をまくようにしましょう。スプリンクラーを使用する場合は、設置場所や散水範囲を調整して、効率を考慮してください。ジョウロで水やりをする場合は、根元に水を注ぐようにします。
雑草対策
定期的な芝刈りとエアレーション、目土入れ、サッチング等で芝生の密度を上げることで、雑草が映えづらい庭にすることが可能です。ここでは、生えてきた雑草についての対策方法について解説します。雑草対策は年間を通じて重要ですが、特に成長期である夏場と、雑草が発生しやすい春先から梅雨時期にかけては、より頻繁かつ丁寧な管理するようにしましょう。
雑草対策で必要なもの |
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除草剤 |
芝生用の選択性除草剤を使用すれば、芝生を傷めずに雑草のみを枯らすことができます。散布時期と方法を適切に選び散布するようにしましょう。部分的に除草剤を使いたい場合は、スプレーボトルで噴射するのもおすすめです。 |
雑草抜き |
雑草を抜くのが簡単になる道具に草抜き器があります。また、深い根を切って抜く雑草用根切りスコップもあるので、適宜利用すると良いでしょう。 |
掃除道具 |
抜いた雑草を集めるためのバケツや、芝生にゴミを残さないためのレーキ(熊手)やほうきも必要です。 |
目土 |
深い根の雑草を抜いた場合、芝生の凸凹が気になることもあります。芝生の凸凹を埋めるための目土も用意しておきましょう。 |
雑草対策方法を解説!
1.除草剤による対策
芝生に影響を与えずに雑草だけに効くタイプの除草剤を使うと、簡単に雑草を枯らすことができます。使用する除草剤の種類や使用方法をよく確認し、適切に使用しましょう。後日枯れた雑草の掃除も忘れず行うことが重要です。また、除草剤は、風で飛散しやすいため、周りの植物に影響を与える可能性があります。なるべく風のない日に使用し、マスクや手袋を着用して皮膚に直接触れないように注意しましょう。
2.手作業による対策
雑草が少ない場合は、手作業で抜き取るのも効果的です。雑草は根が残っているとそこから再び雑草が生えてきてしまうため、根から完全に抜き取ることが重要です。土が湿っているときに抜き取ると、根が切れにくく、抜き取りやすくなります。また、雑草抜きのような便利グッズを使えば、根から簡単に引き抜くことができます。
3.予防対策
雑草を生えにくくする予防対策も重要です。上記でお話したように芝生を密に生育させるほか、防草シートを敷いた上で芝生の種を巻いておくのも効果的です。
こんな芝生に要注意!健康な芝生の診断方法
美しい緑の芝生を維持するためのメンテナンスをしていても、時には「なんだか元気がない…」と感じることもあるでしょう。もしかしたら、それは病気や虫害、栄養不足等のサインかもしれません。
そこで、芝生の健康状態を見極めるポイントと具体的な診断方法と対処法についてを簡単にまとめた表を作成しました。
状態 | 考えられる原因 | 対処法 |
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芝生が黄色くなっている、湿度が高く、風の少ない日が続くと悪化している | ラージパッチ(葉腐病) | 殺菌剤を複数用意し、ローテーションで散布。排水性の悪い土壌や窒素過多により発生するリスクが上がるとされている。適切な施肥と水管理を行う。エアレーションやサッチングで通気性を上げたり、有機物や腐植を含んだ資材の投入で土壌改善を行う。 |
芝生が茶色く変色し、葉に金属のさびのような斑点がある(初期は葉の裏側に黄白色の斑点) | さび病 | 殺菌剤を使い、適切な施肥と水管理を行う。肥料不足や窒素過多により発生リスクが高くなる。エアレーションやサッチングで通気性を上げる。 |
7月上旬から9月中旬にかけて、芝生に赤みがかった変色がある | 赤焼病 ※寒地型の西洋芝のみに発生 |
主に7月上旬から9月中旬にかけての高温多湿の環境下で発生。発生から拡大のスピードが早いので早期発見が重要。即効性の高い殺菌剤を散布し、エアレーションやサッチングなどで排水性や通気性を改善する。 |
芝生に円形状のくぼみ(パッチ)があり、茶色・黄色・淡褐色・灰褐色に変色している | ダラースポット | 4〜11月の朝露が付きやすい時期に発生しやすい。複数の抗菌剤をローテーションして使用する。窒素不足や根の乾燥などが発生原因と考えられるため、場合によっては窒素を多く含む肥料を施肥する。夕~夜間の水やりを控え、芝生の丈を短めにカットし、朝露がつかないようにする。 |
芝生に不定形の黄色や褐色のパッチがあり、パッチの周縁部に灰緑色帯や黄色帯がある。水の流れに沿って帯状になっていたり、芝生が黒褐色に変色していることもある | ピシウム病 | 排水不良や過湿状態で発生しやすいため、排水性を改善し、適切な水管理が必要。発生初期の殺菌剤散布も効果的。 |
芝生の葉の先端部分に白い卵がある(白く変色している) | スジキリヨトウ(害虫)による食害 | 7~9月にかけて頻繁に刈り込みを行い、卵ごと除去する。点滴のカマキリや鳥を呼び込む。米ぬかや唐辛子、草木灰を撒く。大量発生の場合は殺虫剤を検討する。夜蛾の活動を抑制する黄色の防蛾灯も効果が期待できるかも。 |
芝生の一部が黄緑色や黄色に変色し、密度が部分的に薄い。軽く引っ張ると芝生がめくれる、芝生に小さな穴が空いている | コガネムシ類(害虫)による食害 | フルスイングやスミチオンなどの殺虫剤を、5月と9月の産卵期に合わせて散布。芝生の穴は産卵跡なので、見つけたら早急に対処する。落ち葉やサッチを除去し、コガネムシが発生しにくい環境を作る。 |
芝生が黄変や茶色化していて、日中の暑い時間帯に萎える、周囲より成長が遅い | 刈り込みや害虫、土壌の圧縮、除草剤の過剰使用による根の損傷 | 原因を特定して取り除き、サッチ除去やエアレーション、目土入れや施肥で土壌環境を改善して根の成長を促進させる。 |
古い芝生の葉から順に薄い黄緑色や黄色に変色している。成長が鈍化し、葉が細くなり、新芽ができにくい | 栄養不足、窒素不足、鉄不足 | 窒素を多く含む肥料を施す。鉄欠乏症の場合は、硫酸鉄を含む肥料を施す。 |
芝生が紫色に変色している | リン酸不足、日光不足、乾燥ストレス、※冬季の場合低温ストレス | 日当たりや季節も加味して原因を突き止め、対処する。 多くの場合はリン酸不足なので、リン酸を多く含む肥料を施肥する。日光不足なら植え替え、乾燥ストレスなら水やりの頻度を見直す。 |
夏と冬は、芝生の生育が緩やかになる時期なので、葉の色が薄くなったり、枯れたように見えても問題ないことが多いです。しかし、春から秋にかけて同じ様子が見られたら何等かの異変が起きている可能性があります。上記の表を参考に適切に対処し、もとの美しい芝生を取り戻してあげましょう。
芝生のメンテナンスのよくあるQ&A
芝生のメンテナンスをいざやろうと思っても、分からなくて戸惑ってしまうことはよくあります。そこで、芝生のメンテナンスについて、よくある質問を集めました。参考にしてみてください。
Q.芝生に穴が空いてしまったけど、何のせい?対策方法は?
A.芝生に穴が空いてしまった場合、動物によるもの、芝生の病気、水はけの悪さの3つのどれかに当てはまっている可能性が高いです。動物によるものの場合、原因となる動物はモグラやネズミ、鳥などです。これらの侵入を防ぐために動物忌避剤の設置やネットの導入を検討しましょう。病気が原因で芝生に穴が空いている場合、ピシウム病やダラースポット病などが考えられます。上記の診断方法と対処法を参考に対処して病気の拡大を防ぎましょう。また、水はけが悪いと芝生は病気になりやすく、生育も抑制されてしまいます。エアレーションやサッチング、目土入れなどで土壌環境を改善してあげましょう。
Q.伸びすぎた芝はどうすればいい?
A.芝生が伸びすぎた場合、一気に刈り込むのは生長点まで刈ってしまう「軸刈り」のリスクがあるため避けた方が良いです。軸刈りをすると、芝生が黄色くなって新芽が出にくくなってしまい、最悪の場合は休眠期に枯死してしまいます。伸びすぎた芝は、7〜10日ほどの間隔を空けながら、少しずつ刈り込んで徐々に理想の高さにしていきましょう。芝刈機を使用する場合は、鎌や両手バサミを使って長く伸びた部分を刈り込むとよいでしょう。
Q.芝焼はした方がいい?
A.2月になると、よく大規模な庭園では芝焼きが行われます。これにより、古い芝生やサッチを焼き払い、病害虫の発生を抑える効果が期待できます。それでは、「個人宅やマンションでも芝焼は必要か」というと、実は推奨されていません。というのも、火災の危険や煙などによる周囲への影響や、土壌の微生物への悪影響が危惧されるからです。芝生は、サッチングやエアレーション、目土の散布といった方法でも充分に土壌改善効果が期待できるため、なるべくなら芝焼はしない方が良いでしょう。どうしても芝焼きを行いたい場合は、事前に消防署への届け出が必要になります。近隣住民への配慮を充分に行うことも忘れないようにしてください。
Q.環境やコストに配慮した芝生の手入れ方法は?
A.水やりの時間帯を朝夕の涼しい時間帯にし、雨水を貯めて活用することで節水することが可能です。なるべく芝生の手入れを手作業で行うこともコスト削減に繋がりますが、その分労力がかかってしまうことになります。節水ができるホースノズルを利用したり、節電できる刈り込み器を使用するのも効果的ですので、この機会にぜひ検討してみましょう。また、刈り取った芝生は肥料として再利用することもできます。落ち葉等とあわせて有機肥料にしてみてもよいでしょう。ただし、病気や虫害になってしまっている芝の場合、再利用すると拡大の可能性があるため控えるようにしてください。
Q.冬に枯れてしまった芝生を美しく見せるには
A.暖地型の天然芝は茶色っぽくなり、寒地型の天然芝は白っぽくなります。それでも刈り込みや除草をしっかりしておけば、四季の移り変わりが感じられて充分美しい芝生なのですが、緑色でなくなってしまったことに残念な気持ちになってしまう方もいるでしょう。そのような方におすすめなのが、芝生用着色剤です。芝生の葉に塗布することで、冬場でも青々とした芝生を保てる着色剤で、春の芽吹きが早まったり寒害から防ぐ効果もあるとされています。ゴルフ場やスタジアムなどでもこういった着色剤を使用して芝生を守っているところもあります。ボーダーやチェック柄等にも出来るため、ガーデニングの幅も拡がりそうですね。選ぶ際には、自然な着色のものを選ぶようにしましょう。また、冬場には目土と天然芝の種を混ぜて撒いておくことで春により青々とした芝生を生やすことができます。次の春までの準備も併せて行うことをおすすめします。
困った時は業者にお願いするという方法も
芝生のメンテナンスは、上記のように多岐にわたる作業が必要となります。時間や体力に余裕がない場合は、無理せず専門業者に依頼するのも良いでしょう。芝生のメンテナンス業者は、それぞれの形態によって取り扱いの範囲や専門性が違う等、様々な特徴があります。簡単にメリット・デメリットとどのような方に向いているのかを表にまとめました。
業者の種類 | メリット | デメリット | 選ぶポイント |
---|---|---|---|
総合造園業者 | ・幅広いサービスを提供 ・長期的な管理が可能 |
・比較的高コスト ・小規模な作業には不向き |
・大規模な芝生や長期的な管理が必要な場合 ・総合的なランドスケープデザインを希望する場合 |
芝生専門業者 | ・芝生に特化した専門知識 ・効率的な管理 |
・他の庭仕事には対応できない可能性がある | ・芝生の品質にこだわる場合 ・特殊な芝生の種類を扱う場合 |
ハウスクリーニング業者 | ・比較的低コスト ・定期的な基本メンテナンス |
・専門的な処置には限界がある | ・基本的なメンテナンスのみ必要な場合 ・コスト重視の場合 |
個人事業主 | ・柔軟な対応 ・きめ細かいサービス |
・大規模な作業には不向き ・保証面で不安がある場合も |
・小規模な芝生の管理 ・個別のニーズに合わせたサービスを希望する場合 |
フランチャイズ系業者 | ・統一されたサービス品質 ・全国展開で信頼性が高い |
・画一的なサービス内容 ・地域特性への対応が弱い可能性がある |
・安定したサービスを求める場合 ・転居時も同じサービスを受けたい場合 |
これらの業者にお願いする時には、芝生の規模や種類を伝え、必要なサービスが受けられるか確認するようにしましょう。業者を比較する際は、予算のほか、業者の専門性(資格など)や経験、地域の気候や環境への理解、カスタマーサポートの質にも注目することをおすすめします。GoogleMapや比較サイトでの評判や口コミを確認したり各業者のホームページを比較したりなどで、信頼できる業者を見つけましょう。
小面積の芝刈におすすめのロボット芝刈機|DROP&MOW
DROP&MOWは100㎡程度のコンパクトなエリアの芝のメンテナンスに適したロボット芝刈機です。本体についているカメラが芝生の緑色を検知して芝を刈るため、境界ワイヤーを敷設する必要がなく手軽に導入できます。脱着式のバッテリーで駆動し、充電ステーションは不要で重量は7kg程度ですから、簡単に移動させることができ、管理する芝地が分散している場合に適しています。5つのボタンで動かせるため難しい操作を覚える必要がありません。芝生の刈高は2~6cmの設定が可能です。
適切なメンテナンスを行い美しい芝生を楽しみましょう
美しい芝生を維持するには、季節に合わせた適切なメンテナンスが欠かせません。この記事では、年間を通じた芝生のメンテナンスカレンダーを掲載し、芝生の種類ごとに、いつ、どのような手入れが必要になるのかをまとめ、そのメンテナンス方法について詳しく解説しました。芝生の手入れには多くの便利アイテムがあります。こまめな作業が必要な、水まきや除草、刈り込みなどは特に、そういったアイテムを活用することで大きな負担軽減に繋がるでしょう。
また、今回は各家庭やマンションの管理でも適切に判断して対応できるよう、芝生のトラブルの判断方法や適切な対処方法も解説しました。どうしても原因が分からなかったり、そもそもの手入れが大変だという場合は、芝生メンテナンスの業者にお願いするという方法もあります。その際はぜひ、こちらでご紹介した業者選びのポイントを参考にしてみてください。
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コラム著者
セイコーエコロジア編集部
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