コラム
モーターフォグの使い方とコツとは? 上手く葉面散布するポイントと注意点
公開日2019.04.16
更新日2022.05.10

モーターフォグの使い方とコツとは? 上手く葉面散布するポイントと注意点

細かい霧をつくりだして作物の葉面に養液を均一に噴霧することができ、葉面散布に便利なモーターフォグ。使い方のコツを知るとより効果的に葉面散布が可能になります。取扱説明書には使用方法が記載されていますがここでは使い方のコツをご紹介いたします。

1. モーターフォグの設置場所を決める

モーターフォグから噴霧される霧は循環扇の風にのせてビニールハウスに充満させます。このため循環扇の風に乗りやすい高めの場所に置くことがポイントです。ブレースの上や積み重ねて高さを出したコンテナの上に設置しましょう。噴霧ノズルは角度調節が可能です。丁度良い高さが維持できない場合は噴霧ノズルで角度調節をしましょう。モーターフォグで発生する空気の力で養液を送り出すため、養液タンクはモーターフォグ本体と同じ高さ以上の位置に設置します(MF-100AS)。
電動ポンプ付きの養液タンクを備えているモーターフォグ200Vタイプ(MF-200AS)であれば、養液タンクは床面など自由な位置に設置可能です。

2. 電源の位置を確認する

電源の位置を確認しましょう。付属のACコードでは届かない場合は延長コードリールを使用しましょう。延長コードリールは伸ばしきって使用しないと電気コードが焼きつき発火、漏電事故につながるので注意してください。延長コードリールは通常20~30mのため、その長さを超える場合は電気工事士に相談したほうが良いでしょう。

3. タンクに養液を入れる

付属のタンクに養液を入れましょう。水、液肥、拡散剤をよく混ぜ合わせてからタンクに入れてください。よく混ぜ合わせないとムラ散布になることがあるので注意しましょう。ライトスターのような拡散剤を1~5%混合すると粒子が小さくなりムラがでにくくなります。液肥としておすすめは天然のモンモリロナイト粘土を乾燥・粉砕したリフレッシュです。葉面散布はもちろん苗、定植時、定植後などにも使えますので大変便利です。参考にリフレッシュを使用した上澄み液の作り方もご紹介しておきますので参考にしてください。

●リフレッシュ水上澄み液の作り方

・50ℓまたは100ℓバケツを用意して水とリフレッシュを混ぜて希釈(1,000倍)します。
・一晩置いて沈殿した後のAの線からBの線までの養液を複数回使えます。底に残っているリフレッシュに再び水を加えることで、3~5回ほど繰り返し使えます。

※注意!
メーカーは農薬散布を推奨しておりません。モーターフォグは液体を作物の表面にうっすらとまんべんなく散布しますので、散布量自体は少なく、葉裏にはかかりません。
そのためモーターフォグを使用し農薬散布されている場合(農家さんの自己責任で使われているケースが過去にありました)1回でご納得いただける量を噴霧できず回数が多くなってしまうことが多いようです。これは回数超過(使用基準違反)になり農薬取締法違反となります。

4. ビニールハウスを密封状態にして湿度を上げる

モーターフォグから噴霧される霧は平均35μmと大変細かいため風の影響をうけやすくなります。天窓が開いていたりして外部の風が入ってきてしまうと均一に噴霧できません。また湿度が高いほうが(推奨 湿度70~80%)霧が途中で消えずにビニールハウスの奥まで充満させることができますので使用前にビニールハウスを密閉した状態にして湿度を上げてから使うと効果的です。

5. 本体のスイッチを入れ流量ダイヤルを調節する

本体のスイッチを入れて流量ダイヤルを調節します。メーカー推奨では置型方式:0.5~0.75回転、肩掛方式:3~4回転となっています。回転数が少ないほうが細かい粒子が多くなり遠くまで届きやすいです。3~4回転以上でほぼ全開状態となりますのでそれ以上回しても威力に変わりはありません。

噴霧して床が濡れないぐらいが流量の目安です。流量ダイヤルや温室内の湿度を調整してください。

6. 開閉コックを開く

養液調整ダイヤルを設定したら開閉コックを開きます(200Vタイプは操作盤内のマグネットスイッチをONにします)。噴霧ノズルから養液が霧状に噴霧されます。葉面の状態を見ながら最適な回転数を調節して使用していくと良いでしょう。葉の裏面には養液はつきませんが表面の散布で十分な量です。

7. 噴霧が終わったら電源を切る

運転をやめる前は先に開閉コック、流量調節ダイヤルを締めるようにしましょう。開閉コックを開いたまま電源を切るとホース内に内圧がかかっているため養液がノズルからモーターに入り故障の原因となってしまいます。必ず①開閉コック(200Vタイプはマグネットスイッチで開閉)②流量調節ダイヤル③電源の順番に操作するように注意しましょう。

8. 使用後のメンテナンス

目詰まり防止のため使用後は約500cc水を入れて洗浄噴霧を行うと良いでしょう。タンクを良く洗い清水を吐出させてノズルや養液パイプに残った液を押し流してください。洗浄噴霧を怠るとノズルの噴口部が詰まる場合があります。ノズル部分は取り外しができますので付属品のノズル掃除用具で異物を取り除くなど定期的にメンテナンスを行います。お湯につけ置きするのも効果的です。本器についた水気を良く拭き取って保管するようにしましょう。

9. こんな使い方もできます Part1 肩掛噴霧

100Vタイプであれば複数のビニールハウスで使用したい場合は肩掛噴霧が有効です。蝶ナットで噴霧口を固定し付属の肩掛けバンドを取り付けます。先端を左右に振りながら後ずさりします。流量調節ダイヤルを3~4回転にして噴霧することをお勧めします。養液2ℓの噴霧時間は10分程度です。肩掛が重たい場合は台車などに乗せて移動して噴霧すると重さを感じないので作業が楽になります。

10. こんな使い方もできます Part2 タイマー使用で自動運転

200Vタイプには便利なタイマーがついています。タイマーを使用する場合は時間を長めに設定し養液を出し切るように時間設定をしてください。おおまかな目安ですが流量調節ダイヤルが0.5目盛の場合約150cc/分、3目盛の場合約270cc/分吐出されます。

11. どっちを選べばよいの?

ビニールハウス面積で最適なのは、およそ2反は100V、4反は200Vです。また複数のビニールハウスで使用したい場合は肩掛噴霧のできる100Vがおすすめです。

モーターフォグを活用し効果的な葉面散布を

モーターフォグの使い方のコツを詳しくご紹介いたしました。モーターフォグを活用する際にお役立ていただければ幸いです。

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コラム著者

キンコンバッキーくん

菌根菌由来の妖精。神奈川県藤沢市出身、2023年9月6日生まれ。普段は土の中で生活している。植物の根と共生し仲間を増やすことを目論んでいる。特技は狭い土の隙間でも菌糸を伸ばせること。身長は5マイクロメートルと小柄だが、リン酸を吸収する力は絶大。座右の銘は「No共生 NoLife」。苦手なものはクロルピクリンとカチカチの土。

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