アスパラガスの茎枯病の基礎知識
●茎枯病の症状と被害

●茎枯病の感染経路と要因
地表面にある病原菌が主な要因と考えられていて、雨や灌水時に跳ね上がるなど、何かの拍子に茎に付着します。前の年に被害を受けた茎に病原菌が残存していることが多く感染源となっているようです。一度発生してしまうと、前述のとおり病斑上の黒い斑点は濡れたときに胞子を放出し、他の茎への伝染につながります。胞子の噴出・感染・飛散には、いずれも水分がかかわっており、露地栽培の場合は降雨による悪影響を受けやすく梅雨期や秋雨期には、多発する傾向があります。ハウス栽培(施設栽培)では、降雨が入りやすいハウスのサイド部分で、比較的新しい茎に発生しやすいと言われています。黒い粒(黒色小粒点)は刈り取った後の残った茎に残存し越冬するため、対策を行わないと翌年の感染原因につながります。
茎枯病の対策方法
●茎枯病防除のポイント

●茎枯病の防除対策
・春芽収穫前
露地栽培・ハウス栽培ともに春芽収穫前の作業は、前年の残さが圃場内に残っていなかの確認と除去が必要です。刈り取り後の茎には病気の元となる柄子殻(黒い小さな粒)が形成されている場合があるためです。残茎が伝染源となるので残茎除去は、圃場内をこまめに歩き手で抜き取っていくか、地表面から約3~5cm下(りん芽より上)を切り取ります。完全に地表面の残さを取り除くのは困難ですから、表面の残さはバーナーで焼却処理を行います。
露地栽培では、伝染源である残茎を埋没させるために、萌芽前に地表面を5cm程度土壌で覆うことでバーナーと同様な効果が期待できるという報告もあります。ただし、多数の茶色や緑色をした残さがなければという条件付きですから注意してください。
・立茎期間
親茎の最重要防除期間となります。約40日位の期間、7~10日間隔で薬剤を散布しましょう。特に防除効果については残茎処理との組み合わせで差があると各県の資料に報告があり、薬剤耐性菌を発生させないよう、系統の異なる薬剤のローテーション散布が推奨されています。
薬液は茎葉だけでなく、病原菌の主な生息場所である親茎の株元にもかかるように散布します。発病した茎は見つけ次第、ただちに取り除き圃場外で処分を行うようにしてください。正常な茎のそばに放置すると感染する危険性が高まります。圃場から持ち出す際は胞子の拡散を防ぐため、袋等に密封し持ち出すようにすると良いでしょう。
・夏芽収穫期間
通常防除期となります。収穫前日まで使用可能な薬剤を約14日間隔でローテション散布を行います。薬液は茎葉だけでなく、病原菌の主な生息場所である親茎の株元にもかかるように散布しましょう。
【薬液の散布について】
長野県野菜花き試験場の報告書によれば、薬剤を使用する際には、薬剤耐性菌を出現させないために必ず系統の異なる薬剤ローテーションで散布し、使用基準に記載されている注意事項を遵守してくださいとの記載があります。農薬工業会のホームページなどから系統が異なる薬剤かどうかFracコードを確認することができますので参考にしてください。
・雨除けを設置する
台風襲来によるハウスの天井被膜の除去等、暴風雨にさらされると感染拡大しやすいので、予防防除に努めてください。また露地栽培において、雨除けや畦面及び通路への敷き藁被覆を設置すると、降雨による泥はね防止効果が期待できます。
こちらのコラムも是非ご覧ください!!
>>>農薬散布の正しい方法と注意点|安全・安心な作物作りを目指して
茎枯病の発生を防ぎ収量アップをめざしましょう

参考文献:
長野県野菜花き試験場
「露地栽培のアスパラガス茎枯病に対する体系防除プログラム」
長崎県林業技術開発センター
「アスパラガス茎枯病防除マニュアル」
			コラム著者
セイコーステラ 代表取締役 武藤 俊平
株式会社セイコーステラ 代表取締役。農家さんのお困りごとに関するコラムを定期的に配信しています。取り上げて欲しいテーマやトピックがありましたら、お知らせください。
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