コラム
アスパラガスの害虫対策|効果のある資材をご紹介
公開日2022.05.30
更新日2022.06.30

アスパラガスの害虫対策|効果のある資材をご紹介

ヨーロッパが原産地であるアスパラガスという野菜は、日本で食用として栽培され始めたのは明治時代からと言われています。主に施設で栽培されることが多いですが、その閉鎖的な空間が影響してさまざまな病気や害虫の発生に悩ませられることが多いかもしれません。大切に育てたアスパラガスが被害を受けることは可能な限り避けたいものです。今回のコラムでは主に施設栽培の生産者の皆様に役立つ、害虫の特徴と生態、被害、対策に関して詳しくまとめています。お役に立てますと幸いです。

アスパラガスの害虫とは

アスパラガスの害虫は主にハスモンヨトウ・オオタバコガ・ジュウシホシクビナガハムシ・ネギアザミウマなどが挙げられ、どの害虫も成茎や若茎へ食害による被害を与えます。特に若茎への食害は商品価値の低下を招くため、生産者さんの収入減に直結する大きな問題となっています。次章からは各害虫の詳細と対処法に関して記載していきたいと思います。

ハスモンヨトウ

特徴と生態

ハスモンヨトウ(和名:斜紋夜盗|学名:Spodoptera litura)はチョウ目ヤガ科スポドプテラ属の昆虫です。圃場外から飛来した成虫が卵を産み付けることで孵化した幼虫による食害が発生します。幼虫は幅広い種類の植物の葉を餌としており、6齢幼虫まで加齢したあとに土中で蛹になります。8月より初発生することが多く、地域によって差はありますが9月に被害がピークになります。

被害

被害箇所 被害
成茎 擬葉を食害したり、茎表面を舐めるように食害します。
若茎 鱗片葉を加害することで商品価値が低下します。若茎の伸長に伴い、点状だった食害痕がスジ状になることもあります。

対策

防虫ネットを張る

目合いが4mm以下の防虫ネットを側窓などの開口部に張ることで成虫の侵入を抑制できます。

圃場周辺の雑草を除去する

圃場の近くの雑草で発生した成虫が侵入することがあるので、周辺に雑草がないかどうか確認し、なるべく除草するようにしましょう。

テデトール(手で捕殺する)

農作業中に卵塊や幼虫を発見した場合はすぐに捕殺しましょう。

LEDや蛍光灯を活用する

黄色、緑色などのLEDや蛍光灯を日没直前~日の出直前まで点灯させることで成虫の侵入と産卵を抑制できることが科学的に分かっています。なおアスパラガスが繁茂しすぎている場合は光の照度不足に注意しましょう。また光の波長によっては周辺の農作物に悪影響を及ぼすことがあるので併せて注意が必要です。

薬剤散布する

薬剤抵抗性の発達が早い害虫ですので複数の薬剤をローテーションで使用しましょう。齢期が進んだ幼虫は薬剤の効果が出づらくなりますので、先に記載した対策で予防に努めましょう。

オオタバコガ

特徴と生態

オオタバコガ(和名:大煙草蛾|学名:Helicoverpa armigera)はチョウ目ヤガ科の昆虫です。圃場外から飛来した成虫が擬葉の先端付近に1個ずつ卵を産み付け、2~4日で孵化した幼虫が若齢期に擬葉を食害、中齢期以降は擬葉と併せて主茎部を食害します。成熟幼虫は土中で蛹になります。暖地では常時成虫が発生し、年間だと2~3世代の発生世代数です。

被害

被害箇所 被害
成茎 擬態を食害したり、側枝や主茎の表面を広く浅く食害します。
若茎 被害としては少ないですが、老熟幼虫が土中で蛹になるために擬葉から降りてきたときに食害されることがあります。

対策

フェロモントラップを設置する

主にどの場所にどのくらいの数のオオタバコガが発生しているかを知るための発生予察(モニタリング)の目的でフェロモントラップを設置します。

薬剤散布する

孵化直後~若齢期間中は殺虫剤等の薬剤の感受性が高いので効果的です。しかし、中齢期以降になると薬剤の感受性が低くなってしまうので注意しましょう。なお性フェロモン剤を使用することも有効な対策の一つです。

ジュウシホシクビナガハムシ

特徴と生態

ジュウシホシクビナガハムシ(和名:十四星首長羽虫|学名:Crioceris  quatuordecimpunctata)は甲虫目カブトムシ亜目ハムシ科の昆虫です。年に1回発生し、成虫で越冬します。成虫は赤橙色をしており、体長は8mm程度で名前の通り背面に14個黒点があるのが特徴です。4月上中旬頃から、越冬成虫が萌芽した若い茎を食害します。4月末頃に葉芽内や鱗片内に1個ずつ卵を産み付け、孵化した幼虫は葉を食害し脱皮を繰り返しながら成長し、10mmほどの老熟幼虫となると土中で蛹になります。

被害

被害箇所 被害
成茎 茎立ち開始後から幼虫が擬葉を食害します。
若茎 萌芽した芽に越冬成虫が集まってきて食害します。茎が曲がったり変色したりするので商品価値が低下します。

対策

薬剤散布する

日頃から薬剤散布を行い、発生密度を低くしておくことが大切です。特に萌芽~収穫期にかけて薬剤散布すると効果があるのでおすすめです。

ネギアザミウマ

特徴と生態

ネギアザミウマ(和名:葱薊馬|学名:Thrips tabaci)アザミウマ目アザミウマ科の昆虫です。ネギと名前がついていますが、キャベツ、ネギ、タマネギ、カーネーションなどの様々な農作物に被害を与える害虫です。3月下旬以降に圃場外から飛来した成虫が発生源となります。場所によって差はありますが7月に発生がピークになります。

被害

被害箇所 被害
成茎 茎葉に白いカスリ状の傷ができます。
若茎 傷や銀片葉に褐変が生じ、商品価値が低下します。傷の形状がカスリ状、スジ状、コルク化することがあり、傷の色は白色・淡緑色・紫色等になります。加害が深刻な場合は先端が腐敗して伸長が停止します。

対策

刈り取った成茎を圃場外に処分

ネギアザミウマは作物に潜んで越冬する性質があります。そのため、晩秋~初冬に刈り取った成茎を圃場外へ持ち出して処分しましょう。また圃場内の雑草を抜き裸地状態にします。冬期に加温する場合は事前に圃場内を寒風に1カ月以上さらしたあとにビニールで被覆することが大切です。

防虫ネットを張る

目合いが1mm以下の防虫ネットを側窓などの開口部に張ることで成虫の侵入を抑制できます。ネットの色は暗色や透明に近いものを利用すると効果的のようです。

粘着シートを設置する

粘着シートをなるべく株の低い位置に設置して捕虫します。なるべく大量に設置すればするほど効果は高まります。未発生~発生初期に設置することで大量発生を抑制することができる有効な手段です。

光反射シートを設置する

圃場の周囲に光反射シートを設置することで圃場に飛来した成虫の侵入を抑制することができます。

薬剤散布する

同一の薬剤を何回も続けて使用していると効果が下がりますので複数の薬剤をローテーションで使用します。防除時期が遅れると手遅れになるので初期防除を徹底していきましょう。

アスパラガスの害虫対策におすすめの製品

てるてる

極細繊維から成る合成紙とポリエチレン製補強材「ワリフ」を熱圧着させた複合シートです。太陽光をあらゆく角度に拡散反射させる機能を持っています。背光反応を習性とするアザミウマ類は太陽の位置を頼りに姿勢を保っています。てるてるの拡散反射効果によってアザミウマなどの行動を抑制し、繁殖や栽培エリアへの侵入を防ぐ効果を期待できます。

 

 

モスバリアジュニアⅡグリーン

モスバリアの緑色LED(ピーク波長520nm)が直径36mに1ルクスの光として届き、夜間約12時間程度(日の入り1時間前~日の出1時間後までの照射を推奨)照射するとヨトウムシ・夜蛾類の成虫は昼間と認識(明反応)します。明反応すると自然の中に溶け込み天敵の捕食から逃れようと行動を止めます。その結果、交尾・産卵行動が阻止されますので、雌成虫の産卵機会が減り、次世代の幼虫数が減少しますので1世代で繁殖をストップさせる効果があります。

 

スマートキャッチャーⅡ

ビニールハウス向けのLED捕虫器です。LEDの光でコナジラミ類・アザミウマ類・キノコバエ類・ハモグリバエ類・ヤガ類などの飛翔害虫を誘引し、強力吸引ファンで専用捕虫袋に捕獲します。500㎡あたりに1機の設置を推奨。被害の軽減や減農薬に役立ちます。

 

 

アザミウマキャッチャー

アザミンという特殊な誘引剤の効果によって、アザミウマ類を誘引し粘着シートで捕虫します。100㎡あたり1台の設置を推奨しています。アザミウマは短期間で爆発的に繁殖する生態を持っていますが、アザミウマキャッチャーを設置することで爆発的増殖の防止が期待できます。また害虫の付着状況を適宜チェックすることで農薬散布のタイミングを見極めるモニタリングツールとしてもお使いいただけます。

 

 

静電噴口

静電噴口は静電気の力で薬液を対象物に付着させる静電機能付噴霧口です。通常では付着しにくい葉裏への薬液付着率が向上し、約30%の農薬使用量削減が期待できる静電式のノズルです。対象の作物に合わせて5種類をラインナップしております。

静電噴口の検証動画はこちら

しっかりと害虫対策を行い大切な農作物を守る

今回はアスパラガスの害虫に関して詳しく記載してきました。各害虫の特徴と生態を踏まえ、事前に予防し、発生したら効果的な方法を駆使して駆除を行っていくことが大切です。しっかりと病害虫対策を行い、アスパラガスを守りましょう。今回のコラムがお役に立てれば幸いです。

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