導入事例
糖度アップの期待大!!オルガミン散布でプレミアム規格の増収を目指す|熊本県のデコポン農園
公開日2023.07.12
更新日2023.11.22

糖度アップの期待大!!オルガミン散布でプレミアム規格の増収を目指す|熊本県のデコポン農園

2023年6月8日。台風2号の影響が残る大雨の中、「道の駅芦北でこぽん」でお客様(Aさん)と待ち合わせ。
熊本県葦北郡に位置するAさんの農場では、地域の特産品である不知火(しらぬい)を栽培しています。不知火は品質の一定基準をクリアすると「デコポン」の名前が付けられブランド品として全国に出荷されていきます。さらに、より糖度の高いデコポンは希少性の高いプレミアム規格にランクアップします。
Aさんのオルガミン散布はチャレンジ1年目で、常緑果樹であるカンキツ類に対してもオルガミンに含まれるアミノ酸と微量要素の好影響を期待して施用を続けていただいています。今回は収穫5か月前の育成期間中にハウスへ訪問させていただき、オルガミンの使い方や効果について情報交換をさせていただきました。

農園の基本情報とオルガミン購入歴

場所  :熊本県葦北郡芦北町
栽培植物:不知火(デコポン)
収穫量 :5トン/反
就農歴 :45年
作業人数:農園主と奥様の二人
販売先 :JAあしきた

オルガミン購入歴
2022年12月 10L
2023年2月  20L

Aさんのデコポン農園について

セイコーエコロジア 小島
Aさんの農園について教えてください。

Aさん
私は農業をはじめて45年になりますが、ハウスは20年ちょっと前に建てました。このハウスの樹は10年生になります。2年生の樹を定植して1年間育成する。収穫は4年生からで、長いと15年生の樹まで収穫できます。デコポンは株間差が大きい果樹でとても栽培が難しく、糖度に関して言えば株毎に2度位の違いがあります。ここまで株間差が大きいのはカンキツではデコポンくらいだと思います。

セイコーエコロジア 小島
デコポン農園に初めて訪問させていただきましたが、ハウス栽培と露地栽培の両方で栽培できる果樹なのですね。

Aさん
そうですね。芦北地域は露地栽培の方が圧倒的に栽培面積が多いです。しかし、ハウス栽培の方が露地栽培よりも収穫量が多くなる利点があって反あたりの収穫量は露地栽培が2トン、ハウス栽培が4~5トンが平均値です。

セイコーエコロジア 小島
収穫量が2倍も上がるならばハウス栽培の方が有利な果樹ですね。

Aさん
うーん…。最近は重油が高くなり過ぎているので収量が上がっても油で喰われてしまってハウス栽培が有利とも言いにくいですね…。私がハウス栽培を始めた頃は38円/L位でしたが、いまは98円/Lですか。辞めていく仲間も増えたし、若手がチャレンジできない現状が心苦しいです。

セイコーエコロジア 小島
そうでしたか。安易な発想で恐縮です…。
ところでデコポンの収穫について教えていただけますか。

Aさん
ハウスものの収穫期間は毎年11月下旬から12月10日までで、一気に全部収穫します。この地域のものは共選場に出荷して選別し、JA熊本県果実連の名前で年内に全て販売してしまいます。東京にも出荷されていますよ。相場は年末の贈答用などの需要が高まる年内収穫のハウスものの方が良いです。露地ものは12月の年末~1月の年始に収穫、貯蔵してから3~5月末の出荷ですが、出荷量も多くなるのでハウスより相場が低いですね。

不知火とデコポンの違い

セイコーエコロジア 小島
今日は道の駅芦北でこぽんで待ち合わせをしましたが、店内を見て回ると同じような見た目の果実で「デコポン」「不知火」が売られていました。品種が異なるのですか。

Aさん
いや、品種は同じですよ。糖度と酸度の違いで名称が変わります。
共選場ではセンサーを使って果実の糖度と酸度を計測しています。熊本県では糖度13度以上・酸度1度以下だとデコポンに、糖度12度以下だと不知火に分類されます。

セイコーエコロジア 小島
私は学生の頃、イチゴの糖度と酸度について調べたことがありますが果実毎に糖度1度の違いはよくある事でした。

Aさん
この植物にとって1度の違いはかなり大きいですよ。実際に、糖度0.5度の差がある果実を食べ比べてみてもかなり甘味に違いを感じます。それに、糖度14度以上・酸度1度以下のデコポンはプレミアム規格として販売されて、農家の手取りも多くなります。プレミアムは毎年数%しか収穫できないので、如何にこの割合を高くするかが重要です。オルガミンにはプレミアムの収穫量を増やすことに期待しています。

オルガミンの購入の経緯

セイコーエコロジア 小島
弊社でオルガミンを購入した経緯を教えてください。

Aさん
YouTubeを観て、オルガミンに含まれるアミノ酸微量要素がデコポンに効果があるかもしれないと思ってセイコーエコロジアさんに電話したことが購入の経緯です。

セイコーエコロジア 小島
何度かお電話をさせていただいて、オルガミンのカンキツ類への販売実績が少なく、効果の説明も十分にできない中でもチャレンジしていただいています。こうして現地訪問までさせていただいて感謝しております。

アミノ酸と微量要素に関するコラムはこちら
>>>植物のアミノ酸吸収について
>>>微量要素とは?微量要素の働きについて解説

オルガミンの使い方と効果について

セイコーエコロジア 小島
オルガミンの施用方法について教えてください。

Aさん
1000倍希釈にして農薬に混ぜて手散布しています。5月までに合計で4回散布しましたが、1回目は発芽期の2月に散布、その後は月に1回散布しています。1aに100Lを目安に散布しています。

セイコーエコロジア 小島
今のところ、どのような効果を感じていますか。

Aさん
着果数が多くなりました。実際に芽も花も多かったです。葉色と葉の厚みは例年と変わらないです。直接的な効果ではないと思いますがオルガミンを散布してからスリップス、ハダニ、カイガラムシが発生していません。あと、今年はモグラが増えています。

セイコーエコロジア 小島
モグラは害獣ですよね…。オルガミンの悪影響ということでしょうか。

Aさん
いいえ、私は土壌状態が良くなったと考えています。モグラが増えたということはミミズが増えたと考えられます。土壌栄養が悪いとミミズは発生しないのでオルガミンの効果が土壌まで影響しているかもしれません。あと、モグラのお陰で土壌に空気が入りやすくなります。果樹は定植後は耕せなくなるので踏みしめられて土壌は硬くなってしまいますが、今年は土の表面がフカフカします。

セイコーエコロジア 小島
先ほど着果数が多くなったとありましたが、収穫量の増加が期待できそうですか。

Aさん
最終的な収穫量はわかりませんが、今の状態から摘果をして果数を減らします。摘果しなければ一個一個の果実が小さくなってしまうし、隔年結果の原因になってしまいます。隔年結果の一番の原因は着果過多です。

セイコーエコロジア 小島
そうなるとオルガミンへの期待はどんなことになるのでしょうか。

Aさん
糖度が上がってプレミアム規格が増えることですね。先ほどもお話しましたが、例年のプレミアムの割合は数%です。もしプレミアムが10%を越えるならば凄いことですよ。費用対効果もバッチリです。

カンキツの収穫に関するコラムはこちら
>>>ハサミの作業が1日に2万回!?みかんの収穫って大変です
>>>温州みかんの特徴と栽培方法

おわりに

今回は熊本県のデコポン農園に訪問させていただきました。初対面にも関わらずAさんからは農園とデコポンについて様々なお話を聴かせていただき大変感謝しております。デコポンに対するオルガミンの効果はまだはっきりしたことがわかりませんが、12月の収穫をもって何らかの効果が得られることを期待します。
午前中からあれだけ降っていた雨が一時上がって、Aさんに見送っていただき筆者は次の目的地、鹿児島県・宮崎県へ車を進める。

糖度アップの期待大!!オルガミン散布でプレミアム規格の増収を目指す|熊本県のデコポン農園

コラム著者

小島 英幹

2012年に日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程を修了後、2年間農家でイチゴ栽培を経験。
2021年に民間企業数社を経てセイコーステラに入社。コラム執筆、HP作成、農家往訪など多岐に従事。
2016年から現在まで日本大学生物資源科学部の社会人研究員としても活動し、自然環境に配慮した農業の研究に取り組む。研究分野は電解機能水農法。近年はアーバスキュラー菌根菌を利用した野菜栽培の実践を始める。
検定、資格は土壌医検定2級、書道師範など。

Tweets by SEIKO_ECOLOGIA
youtube
ご注文
見積依頼
お問合せ