いちご農家を始めるための初期費用はいくら?

自己資金ではまかなえないときの調達法

新規就農者に対して、農業を始めてから経営が安定するまでの最長5年間、最大150万円を交付する農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)|経営開始型という給付金制度もありますので、このような仕組みを活用することも検討すると良いでしょう。交付主体は市町村になります。細かい要件がありますので、申請書を作成する前に一度市町村に相談されてみてください。
補助金や助成金はさまざまな種類があり、調べるのが大変かもしれませんが、各行政機関やJAに問合せしたり、インターネットで探してみたりしましょう。農林水産省のホームページにある逆引き事典は利用者・目的・品目などから該当する補助金や融資を調べることができます。ご活用ください。
費用のかかるいちごの高設栽培のメリット・デメリット
●いちごの高設栽培のメリット
高設栽培とは地面から1メートルほどの腰から胸の高さの位置にベンチとベッドを設置し、人が管理や収穫する際に腰をかがめなくても作業しやすいように工夫された栽培方法です。またいちご狩りの観光農園を行う際にも、お客様がいちごを取りやすく人気が高いといわれています。花房が垂れ下がる品種でも地面に付着していちごが傷つくことがありません。栽培方法をマニュアル化しやすく新規就農者に向いているともいわれています。土で汚れることがなく清潔感もあり女性の方も作業しやすいようです。人為的に根の環境を整えやすく、土耕栽培のように各地域によって異なる性質の土を相手に栽培方法を工夫する労力はあまりかかりません。作物に悪い影響を与える微生物を抑えやすく、病害虫が発生しにくいといえます。
●いちごの高設栽培のデメリット
培地はピートモス・ロックウール・水・培養土などがありますが、土にある微生物の働きや栄養がありませんので、厳密に追肥や液肥でコントロールする必要があり管理には注意が必要です。また施工費が高いためイニシャルコストが高額になりがちです。10a(1,000㎡)規模の施工費は300~500万程度が多いようです。肥沃な土地(土壌)で作られたいちごは味が違うという農家さんもいらっしゃり、土壌の微生物の働きや栄養素をどのように補っていくかを考える必要があるといわれています。
まとめ

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コラム著者
セイコーステラ 代表取締役 武藤 俊平
株式会社セイコーステラ 代表取締役。農家さんのお困りごとに関するコラムを定期的に配信しています。取り上げて欲しいテーマやトピックがありましたら、お知らせください。


