コラム
いちご農家の新規就農に必要な初期費用とは?
公開日2020.08.06
更新日2022.08.31

いちご農家の新規就農に必要な初期費用とは?

作物の中でもいちごは、売上を計算しやすく安定した収益が上がりやすい農作物といわれています。市場での価格も高く、インターネットの発達によりお客様へ直販できる環境も整ってきていますので、中間業者を通さずに最終消費者へお届けすることも可能です。となれば農家さんにとっても消費者にとっても良い関係でいちごが流通することになります。今回は人気の高いいちご栽培の新規就農についてお伝えしていきたいと思います。

いちご農家を始めるための初期費用はいくら?

現在いちごはビニールハウスやパイプハウスといった設備を使い施設栽培をしている農家が一般的です(一部、露地栽培の農地もあります)。ビニールハウスを一から建てることになると大きな費用が発生しますので、初期投資には相当な資金を準備する必要があります。夫婦2人家族で20aのいちご栽培を始める設定だと、ハウスなどの施設整備にかかる金額は1,400万程度です。

自己資金ではまかなえないときの調達法

新規就農者が定着するように、営農に必要な機械や設備などに対し、資金を長期間無利子で貸し付ける新規就農者向けの無利子資金制度という制度があります。借入限度額は3,700万円(特認限度額1億円)で償還期間は17年以内です。貸付利率が無利子ということと担保や保証人が必要ないという点は、農業経営の負担になりにくく、利用しやすい要件がありますので、申請書を作成する前に都道府県の普及指導センターや、市町村・日本政策金融公庫などへ相談すると良いでしょう。

新規就農者に対して、農業を始めてから経営が安定するまでの最長5年間、最大150万円を交付する農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)|経営開始型という給付金制度もありますので、このような仕組みを活用することも検討すると良いでしょう。交付主体は市町村になります。細かい要件がありますので、申請書を作成する前に一度市町村に相談されてみてください。

補助金や助成金はさまざまな種類があり、調べるのが大変かもしれませんが、各行政機関やJAに問合せしたり、インターネットで探してみたりしましょう。農林水産省のホームページにある逆引き事典は利用者・目的・品目などから該当する補助金や融資を調べることができます。ご活用ください。

費用のかかるいちごの高設栽培のメリット・デメリット

●いちごの高設栽培のメリット

高設栽培とは地面から1メートルほどの腰から胸の高さの位置にベンチとベッドを設置し、人が管理や収穫する際に腰をかがめなくても作業しやすいように工夫された栽培方法です。またいちご狩りの観光農園を行う際にも、お客様がいちごを取りやすく人気が高いといわれています。花房が垂れ下がる品種でも地面に付着していちごが傷つくことがありません。栽培方法をマニュアル化しやすく新規就農者に向いているともいわれています。土で汚れることがなく清潔感もあり女性の方も作業しやすいようです。人為的に根の環境を整えやすく、土耕栽培のように各地域によって異なる性質の土を相手に栽培方法を工夫する労力はあまりかかりません。作物に悪い影響を与える微生物を抑えやすく、病害虫が発生しにくいといえます。

●いちごの高設栽培のデメリット

培地はピートモス・ロックウール・水・培養土などがありますが、土にある微生物の働きや栄養がありませんので、厳密に追肥や液肥でコントロールする必要があり管理には注意が必要です。また施工費が高いためイニシャルコストが高額になりがちです。10a(1,000㎡)規模の施工費は300~500万程度が多いようです。肥沃な土地(土壌)で作られたいちごは味が違うという農家さんもいらっしゃり、土壌の微生物の働きや栄養素をどのように補っていくかを考える必要があるといわれています。

いちご栽培に役立つLED「アグリランプFR

イチゴと花き向けのLEDアグリランプFRはイチゴ栽培に最適です。遠赤色LEDチップを搭載しているため長日処理だけではなく光合成促進も期待できます。比較的安価な価格設定にしているため、大量の個数が必要なイチゴ栽培においても投資負担を少なくすることができます。白熱電球からLEDの切り替えが進んでいますが、より効果的で良心価格のアグリランプFRを選択してみては如何でしょうか。

まとめ

国・行政としては日本の就農者を増やそうという動きがあり、農業を行っていく上でいろいろな補助がうけられます。このような助成金などを活用しながら自分自身で納得のいく方法を選び良いいちごをたくさん収穫できるようにチャレンジしてみてください。

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コラム著者

キンコンバッキーくん

菌根菌由来の妖精。神奈川県藤沢市出身、2023年9月6日生まれ。普段は土の中で生活している。植物の根と共生し仲間を増やすことを目論んでいる。特技は狭い土の隙間でも菌糸を伸ばせること。身長は5マイクロメートルと小柄だが、リン酸を吸収する力は絶大。座右の銘は「No共生 NoLife」。苦手なものはクロルピクリンとカチカチの土。

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