導入企業の基本情報
企業名:臼井園芸 臼井秀企様
従業員数:3人
農地面積:ガラス温室41m×40m(509坪)(温室天井最高点5m)
製品購入年月:2021年11月(4機)
製品設置場所:生長点上50-100cm付近
製品設置場所住所:〒254-0902 神奈川県平塚市徳延354
栽培品目、品種:マンゴー(アーウィン、キーツ、玉文、金蜜、紅象牙)
栽培本数:200本(アーウィン148本、キーツ24本、玉文24本、金蜜2本、紅象牙2本)
主な出荷場所:臼井園芸直売所、あさつゆ広場、市場出荷、八百屋コウタ、DOMINE JOIE(ドミネジョア)など
対象課題:モスバリアジュニアⅡレッドによるチャノキイロアザミウマの吸汁被害抑制
SNS:Twitter・Instagram・Facebookにて「#湘南マンゴー」で検索
マンゴーの収穫状況に関して
セイコーエコロジア満岡:今シーズンのマンゴーの収穫状況はいかがですか?
臼井さん:今シーズンはたくさん収穫できているのでとても忙しいです。今はまだ樹の生長が加速状態ですので、今年は1,500個くらいの収穫を予定しています。来年の2023年は2倍の3,000個、再来年の2024年はその2倍の6,000個が収穫できる予定です。2年後に樹が成木状態となるので収穫がピークに達すると考えています。作業量が増えていくので人も雇わないといけないなと思っています。
モスバリアジュニアⅡレッドの効果に関して
セイコーエコロジア満岡: 前回訪問時(2021年12月2日)から7カ月ほど、2021年9月にモニター開始していただいてからだと9カ月ほどたちます。モスバリアジュニアⅡレッドの効果はいかがでしょうか。
臼井さん:チャノキイロアザミウマに対する防除効果というか忌避効果というのは確実にあると感じています。当ハウスは天窓に防虫ネットを張っていないため、アザミウマが侵入して部分的に繁殖することはあるのですが、モスバリアジュニアⅡレッドの効果によってその場所からの広がりが抑えられていると感じています。これから8月の終わりに剪定作業を行うのですが、その後に出てくる新芽への被害の抑制効果を期待しています。
セイコーエコロジア満岡: マンゴーの開花時におけるモスバリアジュニアⅡレッドの効果はいかがでしたか?
臼井さん:当ハウスではマンゴーの花を受粉させるためにミツバチを飛ばしているのですが、ミツバチの飛びがあまり良くなかったです。「もしかしたらモスバリアの赤色LED光が原因かな」と思い、2週間ほど使用を中止しました。
セイコーエコロジア満岡: モスバリアジュニアⅡレッドの使用をやめるとミツバチは飛びましたか?
臼井さん:状況を観察していると、ミツバチが飛ばない原因は巣箱にエサをたくさん入れすぎていたことのようでした。エサを半分に減らしたら飛び始めましたね。
セイコーエコロジア満岡: モスバリアジュニアⅡレッドが原因ではなかったのですね。
臼井さん:はい。インターネットで調べてみると、赤色LED光はミツバチに影響がないことが分かりましたのでモスバリアジュニアⅡレッドが原因ではなかったです。むしろモスバリアジュニアⅡレッドを使用しなかったことである問題が起きました。受粉が終わった頃にアザミウマの被害を受けた実が出てしまいました。当ハウスのミツバチはメーカーが無菌室などで殖やしたようなハチではなく、養蜂家から巣箱ごと借りています。おそらく巣箱が屋外にあったことで、巣箱の中に侵入したアザミウマが当ハウスに持ち込まれてしまったことが原因であると考えられます。急いで殺虫剤を散布して対応しましたね。来年はミツバチの導入期間はモスバリアジュニアⅡレッドを必ず使用しようと思っていますし、天敵昆虫であるスワルスキーカブリダニも合わせて導入しようと考えています。
セイコーエコロジア満岡: 薬散の回数に変化はありましたか?
臼井さん:当初は開花時期の後からは薬散ゼロを目標にしていましたが、先ほどのミツバチによって持ち込まれたアザミウマによる被害の件があったので薬散せざるを得なかったですね。ただし、5月上旬から薬散をしていません。例年だと5月以降も1回以上は薬散をするのですが、今年はやらなくて済んでいますね。モスバリアジュニアⅡレッドのおかげで薬散の回数が減っていると言えます。身体の負担が減ったので助かっていますね。
気になる点
セイコーエコロジア満岡: モスバリアジュニアⅡレッドに関して気になる点はありますか?
臼井さん:モスバリアジュニアⅡレッドの推奨設置機数は直径15mに1機とのことですが、実際に使用してみると直径10mに1機では?という気がしています。夕方頃に葉の色を見てみるとやはり15mの距離では赤色光が薄いですね。もう少し光量があると良いなと思います。
活用方法
セイコーエコロジア満岡: モスバリアジュニアⅡレッドの 活用方法に変化はありますか?
臼井さん:日の出1時間前から日の入り1時間後の点灯で変化ありません。アザミウマは早朝と夕方に盛んに飛んでいるように見受けられるのでその期間だけ点灯させても良いのかなと思っています。日中はどんな虫も葉の裏に隠れていますからね。
マンゴーは新芽が出る時期と花が咲く時期が最もモスバリアジュニアⅡレッドを活用すべき時期だと思っています。新芽が緑化する時期が最もアザミウマに食害されやすいです。柔らかい新芽が美味しいのでしょうね・・・。
インタビュアーの所感
今回は臼井さんにモスバリアジュニアⅡレッドの体験談をインタビューさせていただきました。2022年9月になると導入していただいて1年経過します。その際にまたぜひ訪問させてくださいとお伝えすると快くお引き受けくださいました。モスバリアが今後も湘南マンゴーの生産のお役に立てるならば嬉しいです。臼井さん、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
前回のインタビュー記事に関しては以下よりご覧ください。
コラム著者
満岡 雄
2012年に玉川大学農学部生物資源学科を卒業。種苗会社を経てセイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。好きなことは食べること、植物栽培、アコースティックギター。Xを更新していますのでぜひご覧ください。