導入企業の基本情報
企業名:臼井園芸 臼井秀企様
従業員数:3人
農地面積:ガラス温室41m×40m(509坪)(温室天井最高点5m)
製品購入年月:2021年11月(4機)
製品設置場所:生長点上50-100cm付近
製品設置場所住所:〒254-0902 神奈川県平塚市徳延354
栽培品目、品種:マンゴー(アーウィン、キーツ、玉文、金蜜、紅象牙)
栽培本数:200本(アーウィン148本、キーツ24本、玉文24本、金蜜2本、紅象牙2本)
主な出荷場所:臼井園芸直売所、あさつゆ広場、市場出荷、八百屋コウタ、DOMINE JOIE(ドミネジョア)など
対象課題:モスバリアジュニアⅡレッドによるチャノキイロアザミウマの吸汁被害抑制
SNS:Twitter・Instagram・Facebookにて「#湘南マンゴー」で検索
インタビュイーの基本情報
セイコーエコロジア満岡:臼井さんがマンゴーを栽培するに至った経緯を教えてください。
臼井さん:もともとはトマトをメインに農業をしていましたが徐々にトマトの価格が下がっていき経営が厳しくなってきました。トマト栽培を行うにあたっての労働量は決して少ないものではなく、体力的にキツくなってきたことがマンゴー栽培をはじめたきっかけです。
セイコーエコロジア満岡:現在のところ神奈川県でマンゴーの営利栽培を行っているのは臼井園芸だけとのことですが、なにかきっかけがあったのですか。
臼井さん:以前から「マンゴー栽培をやってみたい」と考えていたことが一番の理由です。JAの紹介で静岡県にあるマンゴー苗業者を見学させていただく機会があり、初めて見学したその日に苗を買ってしまいました。勢いですね(笑)。
セイコーエコロジア満岡:マンゴー栽培は何年目になりますか。
臼井さん:2021年の収穫が終了したところで2年目のシーズンが終わりました。いまは3年目の収穫に向けて頑張っているところです。
導入の背景(課題ニーズ)
セイコーエコロジア満岡:モスバリアジュニアⅡレッドを導入しようと思った背景を教えてください。
臼井さん:マンゴー栽培で発生するアザミウマの種類は主にチャノキイロアザミウマです。チャノキイロアザミウマはマンゴーの新芽を舐められる(=吸汁)被害を与えます。とりわけ収穫後の整枝、花芽分化の時期に新芽を吸汁されると着花はするものの着果が著しく不良になってしまいます。マンゴー栽培だけに限らないのですが、アザミウマに対する農薬の効力がとても低くなってきました。モスバリアジュニアⅡレッドを利用することで、「ここぞ」というときの効き目のある農薬を温存できます。また農薬を使えない受粉の時期にとてもメリットだと考えています。そして何よりハウス外からのチャノキイロアザミウマの飛来を予防できる(=忌避効果)期待が持てていることが大きいです。
購入した決め手
セイコーエコロジア満岡:今回モスバリアジュニアⅡレッドを4台購入していただきました。購入の決め手を教えてください。
臼井さん:まずはセイコーエコロジアさんが紹介に紹介を重ねて当農園にたどり着いてくれたことにご縁を感じています。そしてなによりも、購入前にモニター機を使用させてもらったことが大きかったです。これによって効果の実感はもちろん、設置したときのLED光の照射具合や電気配線工事のイメージを体感できたことにはとても助けられました。
活用方法
セイコーエコロジア満岡:実際にはモニター機をどのようにご活用されていましたか。
臼井さん:基本的にはセイコーエコロジアさんに設置してもらった場所で、日の出1時間前から日の入り1時間後に点灯するようにしていました。設置の高さは生長点上50-100cm付近でしたね。あと、日の入りと日の出の時間が徐々に変わってくるのでそれに合わせた時間設定を忘れないようにしました。当農園では光反射シートと0.4mm防虫ネットを使用しています。さきほどもお話しましたが、アザミウマは農薬の耐性を強めています。総合的なアザミウマ対策が求められるなかで、モスバリアジュニアⅡレッドを使って日常的に予防できていることはとても助かりました。
活用した所感
セイコーエコロジア満岡:モスバリアジュニアⅡレッドに対してなにか気になったことはありますか。
臼井さん:LED光の照射範囲をコントロールできればと思っています。例えば、光を反射するような反射板をモスバリアジュニアⅡレッドの上部に傘のように被せたら、LED光を無駄なくマンゴー株にあてられるのかなと思っています。あと、電源プラグを防水性のあるものにしてもらえると漏電の心配がなくなり助かりますね。
導入の効果
セイコーエコロジア満岡:モスバリアジュニアⅡレッドの設置によって、例年と比較してチャノキイロアザミウマの被害はどの程度になりましたか。
臼井さん:モニター機を9月に設置しましたが、それからチャノキイロアザミウマの新芽に対する被害は例年の50%以上カットできていると実感しています。
セイコーエコロジア満岡:休眠前の12月時点でかなりチャノキイロアザミウマの被害を抑制できているとのことですが、年が明けてからの開花時期はどのような予測ができますか。
臼井さん:2月中旬からハウス内温度を上げていきます。温度が上がることによってチャノキイロアザミウマの活動も活発になってきます。初めての経験なので予測は難しいですが、モスバリアジュニアⅡレッドに期待をしています。
今後の目標や展望
セイコーエコロジア満岡:臼井さんの今後の目標と展望を教えてください。
臼井さん:農薬散布の回数を減らすことが一番の目標です。あとはチャノキイロアザミウマの忌避効果です。減農薬マンゴーをお客様にお届けできるように頑張りたいと思っています。
導入を検討されている方へ
セイコーエコロジア満岡:モスバリアジュニアⅡレッドの導入を検討している方へのメッセージをお願いします。
臼井さん:モスバリアジュニアⅡレッドの導入で明らかにチャノキイロアザミウマの被害が減ることを実感できると思います。その点について私は確実に抑制効果があると考えています。しかし同時に、農薬の定期散布は必要だと今のところは感じています。さきほどもお話しましたが、アザミウマ防除は複数の対策を総合的に行っていくものだと思っていますので、日常的な対策ができるモスバリアジュニアⅡレッドはとても期待ができる資材だと思っています。
インタビュアーの所感
今回は臼井さんにモスバリアジュニアⅡレッドの体験談をインタビューさせていただきました。マンゴーの生産者さん、ぜひ導入の参考にしていただけたら嬉しいです。
続編のインタビュー記事に関しては以下よりご覧ください。
コラム著者
満岡 雄
2012年に玉川大学農学部生物資源学科を卒業。種苗会社を経てセイコーエコロジアの技術営業として活動中。全国の生産者の皆様から日々勉強させていただき農作業に役立つ資材&情報&コラムを発信しています。好きなことは食べること、植物栽培、アコースティックギター。Xを更新していますのでぜひご覧ください。