今年は休むかなと思っていた木も普通に花を咲かせて実を成らせた
南郷区は、2005年に八戸市と合併した旧南郷村にあたり、古くからさくらんぼやブルーベリーなど果樹作りが盛んな地域。その中で一目置かれているのが松倉さんの作るリンゴだ。近隣でもトップクラスの広さである3haのほ場で、国内における生産量・人気ともにNo.1の品種「ふじ」を中心に「王林」「世界一」「紅玉」「星の金貨」など7品種を生産している。
販売は直販が中心。化学肥料を使わず鶏糞をふんだんに使用した品質本位の生産法で作られたリンゴは、風味豊かで味がのった見事なもの。一度食べれば『他所のものは食べられない』とファンになり、収穫期には北海道から九州まで全国各地から注文が届くそうだ。
味や質が良くなるなら、何でも試している、と知人の紹介で3年前から使い始めたのが「オルガミン」。徐々にその効果を実感しているそうだ。「今年になって感じるのが木の勢い。弱っていて今年は休むかなと思っていた木も普通に花を咲かせて実を成らせたのには驚いた。また、大量に収穫してしまうと、どうしても次の年の芽が貧弱になる隔年結果もみられず、味も申し分ないから不思議」と笑う。
『今までも美味しかったけど、更に美味しい』
「生食に向かないものはジュースにしておろすなど、1箱3000円以上に販売するように心掛けている」と松倉さん。昨年も例年より3割増しで収穫して評判になったほか、リンゴの輸出が盛んになり品薄感が広がっていることから地元市場に出荷したところ、1箱(20~25kg)1500~2000円の増収になったと大満足だ。
日照量の増加など、昨今リンゴに適した環境になってきた点もあり、一概にオルガミンだけの効果とは言い切れないという。だが、「常連さんから『今までも美味しかったけど、更に美味しい』と言われると、品質にこだわった作り方を褒められた気がして本当に嬉しい」と一番の笑顔で話す表情が印象的だった。
今後もお客さんから喜ばれるリンゴ作りに役立たせたい
県南地域の篤農家が集まって誕生した県南果樹研究会の会長も務めた松倉さん。質の良いリンゴが例年以上に生産した実績を聞き、使用する農家が増えているという。「ここは八甲田山の火山灰が降り積もった土なのでモンパ菌が繁殖しやすい。だが、この肥料の効果もあり、今年は枝の伸びが良い。今後もお客さんから喜ばれるリンゴ作りに役立たせたい」と期待していた。
【オルガミン】
天然アミノ酸入り葉面散布肥料。従来商品をパワーアップし希釈倍率を1000倍まで薄めることを実現。主に魚と糖蜜を発酵させた天然アミノ酸が主原料。アミノ酸群が成長の過程で必要とされる酵素の源となり、根や茎、葉、果実の成長を促し、高温や低温障害や病害に対する抵抗力を増大。作物の品質向上と収量増に貢献し、プロ農家から愛用されている。
農村ニュース(国際農業新聞社)発行より記事抜粋