食中毒の原因とは?

生鮮野菜に細菌が付着する原因

土壌
もともと土の中にはたくさんの細菌が存在しており、また、圃場の土には灌水で水がまかれたり、動物質および植物質の堆肥がすき込まれたりしますが、これらの水や堆肥にも細菌が存在しています。食中毒を引き起こす細菌が発生していれば、野菜に土が付着していることで汚染される可能性があります。
水
農作物の栽培には欠かせないもので、灌水・希釈水・洗浄水などで大量に使われます。水源は、井戸水・河川水・水道水などがありますが、コスト面から主に井戸水や河川水などを利用されている農家さんが多いのではないでしょうか。土と同様に井戸水や河川水にはもともと細菌が存在していますが、人為的な汚染が原因であったり、もともとの帯水層に生息していたりと、原因をつきとめることが難しく、井戸水や河川水が汚染の原因となることもあるとされています。
家畜糞堆肥
動物の腸管の中には、人が食中毒を引き起こす細菌(微生物)が生存しているため、家畜糞堆肥を圃場に施用した場合に、有害な細菌が土壌に残りやすくなります。特に十分に発酵されていないものを施用すると増殖しやすいとされています。堆肥化する際の発酵熱で細菌は死滅しますが、十分に完全に死滅させることは困難です。
害獣
細菌(病原微生物)も持ったアナグマ・アライグマ・イノシシ・カラス・タヌキ・ネズミ・ハクビシンなどが圃場へ侵入し、野菜や土などが汚染される場合があります。動物由来の人獣共通の感染症もあることから注意が必要です。
出荷前の野菜洗浄のメリットとデメリット

メリット
野菜の鮮度が維持しやすい
野菜の腐敗を進める菌の増殖を防ぎ、保管中や輸送中の劣化が進みにくく、鮮度の良い状態で流通させることが可能です。ただし、野菜の種類によっては洗浄することで菌を蔓延させる結果となるので注意が必要です。
食中毒を起こす細菌が増えにくい
厳密には、食中毒を起こす細菌(微生物)と野菜を腐らせる細菌(微生物)は種類が違いますが、洗浄作業を行うことで、悪影響を与える細菌(微生物)は減らせるとされています。ただし、完全に除去することはできません。
デメリット
手間がかかる
収穫・調整に費やされる時間は野菜の種類にもよりますが全体の4割にのぼるとのデータもあり、洗浄作業は1工程増える為、時間やコストが増加することになります。また洗浄にあたり、作業者の健康管理や衛生管理なども行う必要があります。衛生管理上、流水洗浄時には水道水か保健所が飲用可能だと認めた水を使用することが望ましいとされ、コスト増加につながります。
水が切れていないと腐りやすくなる
洗浄後に野菜の水が切れていないと、その水が原因で多湿環境を作り出すこととなり、菌の増殖を促し野菜の腐敗が進みやすくなります。たとえばトマトは果実とヘタの隙間に水が残りやすいので、水を得たカビ菌が増殖しやすくなるので注意が必要です。
傷が付くと傷みやすくなる
乾拭きやブラッシングで力を入れすぎると、傷がついてしまい、その傷が原因で野菜の製品価値がさがったり、傷から菌が侵入し腐ったりします。野菜を傷つけないように注意して作業にあたる必要があります。
鮮度維持と食中毒抑制をするオススメのオゾン水資材
オゾン散水器は、0.3~0.7 mg / L(水温20℃時)のオゾン水を手軽に生成できる資材です。水道蛇口にワンタッチのカプラーをセットして、ホースとオゾン水散水器を繋げばいつでもオゾン水が生成できます。
オゾン水は食中毒の原因となる大腸菌やサルモネラ菌などの増殖抑制に効果を発揮し、腐敗の要因となる菌の活動を抑制して鮮度維持をする効果が期待できます。
調理工程におけるオゾン水の使用方法は、水道水感覚で野菜を洗浄するだけ。洗浄後にオゾン水を洗い流す必要はなく、そのまま調理に用いることができます。
出荷前の野菜洗浄で食中毒抑制と鮮度維持を

			コラム著者
セイコーステラ 代表取締役 武藤 俊平
株式会社セイコーステラ 代表取締役。農家さんのお困りごとに関するコラムを定期的に配信しています。取り上げて欲しいテーマやトピックがありましたら、お知らせください。

