三重県津市を出発して名阪国道を西に走る。峠を下りきる手前の天理東ICで降りると圧巻の巨大建造物が眼下に見えた。横目にできないそれを通り過ぎ、「道の駅なら歴史芸術文化村」まで来ればむらやまふぁーむまでもうすぐだ。奈良県は小学校の修学旅行以来で、その時は東大寺と法隆寺だったから天理市は多分初上陸ということになる。むらやまふぁーむで“古都華”を栽培している情報は入れておき、東京神奈川では中々お目見かかれない品種のイチゴ農園に期待が膨らんでいた。
むらやまふぁーむのプロフィール

所在地 :奈良県天理市
栽培植物 :イチゴ(品種:古都華、ゆめのか)
ハウス情報:7.5m×100m(1棟、古都華)
:8m×100m(2棟、ゆめのか)
購入歴 :2024年10月 64個
:2024年12月 68個
:2025年8月 68個
設置方法 :各棟2列、3m間隔、高さ1.5m
むらやまふぁーむでは、先代は“アスカウェイブ”を主力に、現代の村山宏さんは“ゆめのか”を主力品種で栽培、近年は息子さんと一緒に“古都華”の栽培にも取り組み始めました。「“古都華”は栽培が非常に難しく収量も低いですが味は抜群です」と村山さんは言う。その難しさから産地での切り替えが中々進まなかったそうですが、各県のイチゴブランド化が進み、最近は若手によって栽培面積が徐々に増加してきたそうです。“古都華”に電照をしている人はまだ少ないそうで、「試行錯誤でアグリランプFRを使っていきたい」と話してくださいました。
“古都華”“ゆめのか”を栽培

北海道から九州までたくさんのイチゴ農園に訪問しましたが“古都華”の農園は初めてです。
村山さん
“古都華”は品種登録されて15年のイチゴで、奈良県だけで栽培されている珍しい品種です。当園では“古都華”だけではなく“ゆめのか”という愛知県の品種をメインで栽培しています。元々“ゆめのか”で広くやっていたのですが“古都華”の人気が結構高くなってきたので、息子が“古都華”、私が“ゆめのか”を分担して栽培することにしました。
*上の写真が“古都華”、下の写真が“ゆめのか”

ハウスの通路に籾殻が敷き詰められていますが初めて見る光景です。
村山さん
この地域のイチゴ農園では普通ですよ。「保温」「腰掛け作業車のクッション」「水が溜まっても泥々にならない」という役割があります。稲作もやっているので籾殻がいくらでも手に入るのです。
アグリランプFRミドルパワーの導入について

3回に分けて合計200個を購入していただきありがとうございました。今回は何故アグリランプFRミドルパワーを導入したのでしょうか。
村山さん
ネットで検索したらセイコーエコロジアの製品サイトが出てきたのでサイト内容を参考にして購入を決めました。直接購入だったので高くなり過ぎないで購入できたのは良かったです。当園は単棟ハウスが3棟あるので3回に分けて順に導入させてもらいました。

この1年程、弊社の問い合わせでは白熱電球の入れ替え需要が増えていますが、むらやまふぁーむさんも入れ替えでしょうか。
村山さん
今回は白熱電球の入れ替えではありません。ここ数年は日長調整の夜間電照をしていませんでしたが、“ゆめのか”が休眠しやすい品種のため今回LEDを入れた大きな理由です。あと、“古都華”は休眠しにくい品種ですが冬の生育が思わしくなくなってきたことも理由です。最近は環境が変化してきて「夏が長く、秋が短い」ため収穫の始まりが遅くなっています。冬季に夜間電照を当てて生育を改善したいと考えています。
アグリランプFRミドルパワーの設置方法と点灯期間

アグリランプFRミドルパワーの設置方法を教えてください。
村山さん
ハウス間口はそれぞれ7.5mと8mで、高畝はどのハウスも7列あります。ここにアグリランプFRを2列走らせて、1列で30個ちょっと。アグリランプFRの列はサイド寄りにしています。暖房をしていないので例年サイドのイチゴの生育が少し悪くなることがわかっていますから、少しでもアグリランプFRの照射が強くなればいくらか変わるかなと考えてこの様な配置にしました。ランプの間隔は3mおき、高さは高畝から1.5mで合わせています。
セイコーエコロジア 小島
点灯期間はどのようにしていますか。
村山さん
点灯期間は、12月上旬に点灯開始して2月中旬に点灯終了です(下表)。点灯時間は、12月中は5~7時の2時間、1月上旬~下旬は3~7時の4時間、1月下旬~2月中旬は5~7時の2時間です。“ゆめのか”は2024-2025年シーズンからアグリランプFRを照射していますが、2025-2026年も同じ点灯期間にしました。昨期は調子が良かったですが今期は株が伸びすぎてきたので1月中に4時間点灯から2時間点灯に戻しています。多分今期は雨が全然降らなかったので昨期より日照が良かったのか…、電照するのも結構難しいですね。“古都華”は今期初めての電照で点灯期間は“ゆめのか”と同じです。“古都華”は電照が無いと伸びが悪いですが、電照でちょっと伸びすぎましたね。近隣でも“古都華”に電照している仲間がいないし、電照をした方が生育が良くなることがわかったので試行錯誤でちょっとずつ慣れていきたいと思います。
むらやまふぁーむにおける“古都華”、“ゆめのか”の点灯期間と点灯時間(2025-2026年)
| 点灯期間 | 点灯時間 |
|---|---|
| 12月上旬~12月下旬 | 5~7時(2時間) |
| 1月上旬~1月下旬 | 3~7時(4時間) |
| 1月下旬~2月中旬 | 5~7時(2時間) |

アグリランプFRミドルパワーはちょうど手で握りやすい大きさと形状のためソケットに取り付けるときに力が入りやすいようです。そのため「ねじ切り」に関する案内の紙を商品に同梱していますが、設置に際して注意をしていただけましたか。
村山さん
注意しましたが何個か固く締めすぎ過ぎてしまったのでそれからは特に注意して緩めに締めています。ちょっとだけ締めればちゃんと点灯するし落ちてくることもないです。
おわりに

“古都華”は果皮が柔らかいため長距離輸送に不向きとのことで、むらやまふぁーむさんの“古都華”は奈良県内の直売所を中心に販売しています。一方“ゆめのか”は果皮が硬く輸送性が高い品種なので市場を通して大阪府や奈良県内に出荷されるそうです。筆者も1パックずつ購入して自宅で美味しく戴きました!!“古都華”は香り高く上品、“ゆめのか”は超ジューシー。興味がある方はぜひご賞味ください!!
コラム著者
小島 英幹
2012年に日本大学大学院生物資源科学研究科修士課程を修了。その後2年間農家でイチゴ栽培を経験する。
2021年に民間企業数社を経てセイコーステラに入社。コラム執筆、HP作成、農家往訪など多岐に従事。
2016年から現在まで日本大学生物資源科学部の社会人研究員としても活動し、自然環境に配慮した農業の研究に取り組む。研究分野は電解機能水農法など。近年はアーバスキュラー菌根菌とバイオ炭を利用した野菜栽培の研究に着手。
検定、資格は土壌医検定2級、書道師範など。

